nyu|社会人看護学生

精神科看護に興味のある学生です

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最近の記事

ねこすけ物語

先日、16年と半年の年月を共に過ごした、我が家の三毛猫を看取りました。 大切な存在である猫の看取りまでを経験したものとして、今の気持ちを記録しておこうと思います。 まず、私たちは猫を飼っていますが、もともとは野良猫で、希望して飼ったわけではなく成り行きで飼うことになりました。 一生に二度と同じことはない経験ですし、私達家族とねこの物語をどこかに記録したこともないので、いいきっかけですからこちらに記載しておきたいと思います。 なにしろ大昔の出来事ですから、ゆっくりと思い出

    • 【映画感想】ルイス・ウェイン 生涯愛した妻と猫

       猫の絵で一躍有名となった画家、ルイス・ウェインのお話である。  ウェインは生まれながらの先天奇形(口蓋裂)、海難事故のトラウマがあり、変わり者として生きてきていた。これらを受け入れ、「世界は美しい」ことを教えてくれた妻は、末期の乳がんで若くして病死する。妻が残した、「絶望の中であっても世界は美しい。世界を視て、そして伝えて」という言葉を希望に、病床の妻を励ますために描き始めた愛猫の絵を、喪失感を埋めるように描き続けた。ウェインは、支えとなっていた愛猫の死、統合失調症の発病

      • 【コーピングリスト】自分で自分の幸せを作る工夫

        日頃、自分の心が元気な状態ではないとき、皆さんはどのように対処されていますか。 どんなに苦しいことがあっても、自分でうまく対処でき、苦しみから立ち上がる強さを身につけることができたら、この先なにが起こっても怖くないと思いませんか。 自分で対処するということの中には、友人や家族、支援グループなどの他者と繋がろうとする力も含まれています。 自分自身の精神状況が良好ではないときに、対処せずに放っておくのではなく、その状態に気づき「どうにか対処してあげなければ」と自分自身を救い

        • 【体験記】初めてのカウンセリング

           私は現在看護学生であり、将来は人の心もケアできる看護師になりたいと考えている。私は語りやナラティブがもたらす癒やしの力を信じているものの、果たして自分は今までの経験を人に話してきたことがあっただろうか。私自身の癒やされていない経験が、認知の歪みに関係するのではないかと考えているため、将来人をケアするものとして、カウンセリングを受けて自分の心をフラットにしておきたい思いがあった。私の通う大学では、学生であれば無料でカウンセリングを1時間受けることができるので、早速予約をしてカ

          【ナラティブの世界】表現することで救われる

          ナラティブとは何か? 「ナラティブ(narrative)」とは「語り」「物語」の両方の意味を持つ言葉だ。語り手の一方的な語りと、聴き手との間で新しい物語がつくられていくという意味も合わせもつ。  そもそも人間には自分自身を表現したい、自分の存在を伝えたいという自己表現欲求がある。その中でも表現方法として一番簡単なものがコミュニケーションだ。言葉を発するということは、私たち人間に許された1番簡単な自己表現方法である。  言葉によるコミュニケーションは難しい。自分の考えを言葉

          【ナラティブの世界】表現することで救われる

          【3分で読める】「すぐやる人」と「すぐやらない人」の習慣

          「今日は疲れたから明日からやろう」 そう思うものの、翌日も同じような理由で取り掛かることができず、結局何もしないまま終わってしまう。そんな経験はないだろうか。 本書は、ケンブリッジ大学で心理学を専攻した著者が、「すぐやる人」の行動や思考を分析したものである。 「すぐやる人」の行動や思考を真似て行動を起こすことで、いつも「やろう」と思って結局取り掛かることができず失敗していた自分から抜け出し、やりたいことを行動に起こして人生をコントロールしている感覚を得ることができる

          【3分で読める】「すぐやる人」と「すぐやらない人」の習慣

          【映画鑑賞記録】統合失調症の症状である幻覚を考える

          統合失調症を患いながらもノーベル賞を受賞した数学者、ジョン・ナッシュを描いた映画「Beautiful Mind」から学んだことを記録する。 まずあらすじを説明していく。 数学を専攻する、優秀だが変わった学生であるジョン・ナッシュは、ルームメイトと親しくなりやがて彼は唯一の理解者となる。卒業後は有名な数学研究所に就職したものの、仕事は単調そのものである。そんな中、ナッシュは優秀さゆえに対ソ連の暗号解析を行うチームから秘密裏に接触され、極秘ミッションに関わることとなる。幾多の

          【映画鑑賞記録】統合失調症の症状である幻覚を考える

          【読書記録】統合失調症の母と生きて

          本書は統合失調症の母親を持つ3姉妹の次女が、母親との生活をその老年期まで記録したものである。美しく聡明であった母が、自分たちからは見えない声と対話するようになり、夫を悪魔とみなして攻撃するようになる。家の中は汚く、母の機嫌を損ねないように娘たちは怯えながら、いつも空想の世界で自由になることを望みながら暮らしている。 さて、次女の抱える葛藤として、本書の中にも記載されているが、精神疾患はその病気と本人を切り離すことが難しい。がんや他の病気であれば、症状が人格に影響を与えていた

          【読書記録】統合失調症の母と生きて

          【かわいいおかあさん】

          わたしの母は病気を患っています。 いまは手術も終わり、表情も明るく元気そのもの。 彼女の苦しい治療はまだまだ続くけれど、 私たち家族は幸せな日常を送ることができています。 それでもときどきふと、諦めとも言えるような 彼女の覚悟が垣間見える時があります。 母は、自分はもう長くないと思っています。 病気の告知をされてからずっと今日まで、覚悟を確かな形にしてきたのでしょう。 薬の副作用で痒い痒いというので、 オーガニックコットンのパジャマをプレゼントしようと思い何色がいいか聞

          【かわいいおかあさん】