春の陽気が満ちあふれる日、主人公の結城キミは見慣れない通学路を歩いていた。
いつも通る道とは違い、周りには新たな風景が広がっていた。目新しいお店や建物に目を奪われつつ、キミは期待と不安に胸を膨らませていた。
そんな彼女の前には、普段よりも多くの人々が動き回っていた。仕事に通学に、人々は日常の喧騒に忙しなく駆け回っていた。
彼女はそんな中、自分の行くべき場所を目指して早歩きを始めた。彼女が向かう先は、入学式が開かれる学校だ。
入学式は8時30分から始まる。まだ時間には余裕がある。しかし、キミは今日が自分にとっての新たなスタートとなることを、心から期待していた。
そんな気持ちを胸に、早足で目的地へと向かっていった。

入学式の日、キミは校門前に足を踏み入れた。しかし、入学式なのに周りは静まり返っていた。
「どうしてこんなに静かなんだ…。もしかして、私が遅刻した！？」
心配しながら校門前を見回した。すると、彼女は掲示物を発見した。
「1年1組か…。私のクラスはどこだろう？」
掲示物を熟読し、自分のクラスが1年1組であることを確認した。次に、校内地図に気づき、クラスが3階にあることを知った。
「急がないと…！」
急いで3階へ向かった。息を切らしながら、1年1組の教室にたどり着いた。
「やっと…間に合った！」
教室の扉を開く音が響く中、キミは1年1組の教室へと足を踏み入れた。
扉を開けると、目の前には見慣れた教室の風景が広がっていた。黒板や机、椅子など、日常的な学校の光景が迎えてくれた。
しかし、何かが違うとすぐに気付いた。教室には空席が目立ち、そこに生徒は5人しかいなかった。
「これが…1年1組の現状なの？」
驚きと戸惑いを感じた。想像していたよりも、生徒数が少なくて寂しい光景に心は重くなっていった。

静かな空気が広がっている中、キミは少しだけ戸惑っていた。高校生になって、初めての授業で、初めてのクラスメイトたちとの出会い。誰もがデビューしたいと思うであろう緊張感が、この場を支配していた。
男子のひとりが口を開いた。
「あらもう1人、ではまた自己紹介しましょうか。」
彼は優しい笑みを浮かべていた。私は彼に対して好感を持った。もう一人の男子は頷きながら、女子たちも満足そうにうなずいた。

「こんにちは、私はシスと言います。趣味はぬいぐるみ集めです。穏やかな性格なので、ぬいぐるみと一緒に過ごすのが好きです。」
「おい、俺はテーシだ。他に生徒がいないか？教室に入る前に確認しておきたいんだ。」
「あの、私がパシーです。最初だったのですが、誰もいなかったんです…。物静かな性格で、人とあまり話すのが得意ではありません。」
「よー、俺がパイロだ。能天気な性格で、いつもポジティブに生きてるんだ。火を操るのが得意だぜ、楽しんでくれよな。」

順番に自己紹介をしていった。4人はそれぞれ短い自己紹介を終えた。男子たちは意気揚々と自分たちをアピールしていたが、女子たちは照れくさそうに話していた。
キミは考えた。どうしたらいいのかわからない、自分らしくいられるのか不安だった。でも、自己紹介をして、クラスメイトたちと話すことで、自分らしさを見つけられるかもしれないと思った。そう考えて、つい口を開いた。

「はじめまして、キミと申します！女子でがんばり屋さんと言われる私は、読書が大好きで、特に三島由紀夫の作品に夢中になっています。さらに、私は超能力者かもしれないんです！最近は社会問題にも興味を持って、Metoo運動にも熱中しています。これからもみんなと仲良くできるように、頑張ります！よろしくお願いします！」

第１章完