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「リズと青い鳥」に学ぶ演出技法【シンクロ】

物語の終盤、希美は図書館で勉強、みぞれは練習室で演奏の練習をするシーンがあります。ここで二人は別々の場所にいるのですが、シンクロした動きを見せています。

これは物語序盤で近くにいるのにずれていた二人から、お互いの本音をさらけ出し、才能の有無を理解した上でそれを受け止めることができたためで、心の距離感が適切になったため、遠くにいても心がつながっていることを表しています。

歩幅、動きのシンクロ
「大好きのハグ」後お互いの胸の内を吐き出したあと、別の進路に向かう決意をした二人。希美は図書館で勉強を、みぞれは練習室でオーボエの練習をします。その際に二人は同じリズムで足音を刻み、行き先は左右逆方向ですが同じように角を曲がります。

引用元:リズと青い鳥

また、希美が問題集をめくっているタイミングでみぞれは楽譜をめくります。

引用元:リズと青い鳥

違う場所にいる二人が同じ動きをすることで、離れていても奥底でつながっている表現となっています。

遠くにいる二人の動きが揃う = 心は通じている、相手のことを思っている

セリフのシンクロ
最後学校の外に出た二人は同じタイミングで「本番、頑張ろう」というセリフを言います。

物語序盤では希美は「本番が楽しみ」と言いみぞれは「本番なんて一生来なくて良い」と言い、大きくすれ違っていました。

物語が進み、「大好きのハグ」を経たことによりお互いのズレが減りセリフもシンクロするようになっています。

引用元:リズと青い鳥

物語序盤でのセリフのズレ↓

セリフのズレがなくなる = 意識が同じ方向を向いている、お互いのことを理解できている、距離感が適切

まとめ
遠い距離にいる際に同じ動作を行うことで、相手と心の奥底でつながっていたり、親近感を感じていたりすることを表現できます。

また、同じセリフを同時に言うことで、ずれていた距離感が正しくハマった、お互いの意識が同じ方向を向いていることなどを表現することができます。

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