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「SSSS.GRIDMAN 第3話」に学ぶ演出技法

2018年放映の「SSSS.GRIDMAN」をもとに3話で使われている様々な演出を拾い上げてまとめていきたいと思ってます。

ネタバレを含むため、未見の方はご注意ください。

戦闘時の立ち位置の入れ替え

第1話の演出解析で見たようにこの話数でも、劣勢側がシモテ優勢側がカミテに配置されています。

グリッドマンが優勢なときグリッドマンをカミテ側に(画面左方向を向くように)配置し、逆に劣勢のときグリッドマンがシモテ側に(画面右方向を向くように)配置されます。

引用元:SSSS.GRIDMAN

箸やスプーンを使わない

この話数から敵方に新キャラとしてアンチが登場します。アンチは新庄あかねが作った怪獣で、人間の少年のような見た目をしています。

アンチは食べ物を食べる際に箸やスプーンを使わず手で掴んだり、口で直接食べたりし、雨が降っていても傘を使いません。

引用元:SSSS.GRIDMAN


そういった行動をさせることにより、アンチは普通に育った人間ではなく動物に近い(怪獣である)ことを暗に表現しています。

箸やスプーン、傘を使わない = 動物のよう(犬)

音楽を鳴らさない

この話数ではグリッドマンが一度アンチに負けてしまい、内海や六花がグリッドマンと裕太が死んでしまったと勘違いします。

ジャンクが強制シャットダウンされてから、新世紀中学生に言われてグリッドマンが再登場するまで、BGMが一切ない状態になっておりお通夜のような静けさで、映像に緊張感や絶望感を生んでいます。

引用元:SSSS.GRIDMAN

音楽を鳴らさない = 絶望感、緊張感

鏡+離れている

響裕太とグリッドマンが一度やられて、PCから帰ってこなかった際に内海と立花が離れて座っており、途中口論までしてしまいます。

その際鏡に反射している状態で、鏡を2枚使って離して配置することで心が完全に離れてしまっていることを表しています。

引用元:SSSS.GRIDMAN

他作品の演出解析にて、鏡は心の中や本来の姿を写すものという技法をまとめましたが、このカットでも心の中を写しつつ鏡が別れていることにより二人の気持ちが離れてしまっていることを表現しています。

鏡 = 心を写す
鏡が離れている = 気持ちが離れている

まとめ

この話数では、アンチが人間なのか怪獣なのか、響裕太が死んでしまったかどうか等、視聴者を混乱させたいためミスリードを誘う演出が多くなっています。

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