見出し画像

二十四節気 冬至

一年でもっとも昼が短く 夜が長いころのこと
春を待ちわびる人々の 気持ちが高鳴る

冬至

冬至、お好きですか?

…誘い文句みたいになってしまいましたが、私は好きです。

冬至にはどんなイメージをお持ちでしょうか?
暗くて…寒くて…陰が極まってて、なんか辛気臭そう?
怖い、寂しい…いろいろなイメージをもっていらしゃるかと思います。

まず、天体のお話をすると、
「昼が一番短くて、夜が一番長い日」が冬至の日です。

ここで、間違えやすいのが、
「日の出が一番遅くて、日の入りが一番早い日」ではないということ。

例えば、冬至の日(12月22日)の横浜は、日の出6:47、日の入り16:33です。

国立天文台のHPを見てみると、日の出が一番遅い日は、1/3~12の6:51、日の入りの一番早い日は、12/5~7の16:28でした。

え??数分なんて誤差だって??
いやいや、こういう機微を大事にしたいじゃない。

ということで、朝が一番ゆっくり来て、夜が一番早く来る日ではありませんので、ご注意ください。


冬至

太極図で表したとき、冬至は一番下の部分にあたります。
黒がいっぱいのところ。

陰の気が極まるところ、という表現は太極図を見ていただければ一番分かりやすいかと思います。

反対側の上側が夏至。
夏至から陰気が段々と大きくなり、冬至に極みをむかえます。
ちょうどその時、一番下のところから図でいう白色の陽気が大きくなりはじめています。

「極まれば転ず」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
東洋思想では、極まる、つまり、行き着けば反対へ転じるという考え方があります。
冬至は、この転じた時ということです。

「一陽来復」という言葉も、冬至によく聞かれる言葉のひとつです。
陰の気が増してくるというのを、反対に、陽の気が没していくとみる人もいました。
陽の気が陰の気に圧され、没し、冬至を境に復活した!と考えたのが、一陽来復です。
西洋では、太陽の復活祭が、クリスマスの起源とするお話もあるようです。


十二消息卦
―(つながっている)=陽、- -(離れている)=陰

この「一陽来復」という言葉の出典は、易経からきています。
一番左側、「地雷復」という卦は、まさに、冬至の時を表しています。

十二消息卦は、左から右へと季節の移ろいを表していて、一番右まで行くと、一番左へもどるように、循環しています。(季節の移ろいだから)

地雷復の卦辞(卦の言葉)
復。亨。出入无疾。朋来无咎。反復其道。七日来復。利有攸往。

一陽は、一番下に陽が戻ってきたこと。来復は本文。

それを、私たちの人生に置き換えると、悪いことが続いても、いいことが巡ってくることという意味で使われています。

(陰が悪いことではないけれど…)


冬至は、太陽の復活の時なのだけれど、
太極図を見てもらうと、黒い部分(陰)の中には、白い丸(陽)が小さくとも抱かれています。

どれだけ寒くて、厳しくて、辛くて、苦しい冬が来たとしても、太陽は昇るし、冬に私たちの目を楽しませてくれる花も咲く。

つまり、光は見えなくなるだけで、完全に失われるわけではない。

冬至は、厳しさの中の光を、自然の中で教えてくれる時だと私は思っています。

どうですか?ちょっとは好きになった?冬至。

まぁ、でも、寒さの底は、これからなんですよ…(ヒャー)

まだまだ、陽の気は生まれたばかり。
近くにいてくれるのね…と、気配を感じ取りながらも、隙間で太陽を見つけたのなら、胸も背中も陽の光に当ててチャージしましょう。
寒いけれど、太陽は熱も届けてくれています。

植物界も動物界も、省エネ、チャージの時です。
人も自然のめぐりの一部と考え、そんな風に過ごすのがいいのではないでしょうか。

クリスマス、年末年始、楽しくお過ごしください。
よいお年を♪

ありがとうございます!