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橋梁下の連なり

体力を補うために、ウォーキングを始めた。ランニングはとっても辛いので、ウォーキング。散歩ともいう。時間があるときはだいたい10キロくらい歩く。

いつも同じコースを歩くのは面白くないので、定期券の範囲内で電車に乗り馴染みのない駅に降りて歩く。狭い路地を選んで歩くうち河川にたどり着く。大阪は川が多い。

夕暮れにキラキラ輝く川面を見ながら土手を降り、川沿いの道を歩く。好きな橋梁の下をくぐるときは歩みを止め、上を見ながら一服する。

川を横切る橋梁や、バイパスの高架下は好きな人も多いだろう。僕もそのうちの一人でよく絵に描く。

特に丁字型の単純な形をした橋桁がたまらなく好きだ。巨大な質量の塊なのに、妙にわかりやすい形をしている。おそらく僕らが日常観ることができる、一番巨大で、一番シンプルなものだと思う。たいていの巨大なものは巨大なりの繊細なディテールをもっているものだけど、橋桁はどこまでものっぺりとしていて化け物じみており、怖いもの見たさのような魅力がある。

中身がぎゅっと詰まって内なる力を感じ、だんだだだんと規則正しく並ぶ姿も呪術的な巨像のようで良い。

もしかするとイースター島のモアイも、実際目にすると「あれ、なんだか橋桁みたいだな」と既視感を覚えるかもしれない。

そういえば岡本太郎が作った「太陽の塔」も、妙に橋桁っぽいフォルムをしている。

あれが橋桁のように等間隔で並んでいたとしたら……。

想像するだけでよだれが出てくる。

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