今宵も　雪上車が　走り回っていた
目覚めれて　窓の外は　雪景色
ゲレンデである

田舎ではもう　桜は散ったと…

目の前を　行き来する
雪上車を眺めながら　朝食を

雪上車を観ると

頭の中は　油に塗れていた小僧時代を
思いだす。

真冬になると　民宿に泊まり
二か月程　雪山　スキー場の　機材の
メンテナンスをやっていた。

凍って　車体に　貼り付く軍手　

油で真っ黒なツナギを着て　
廃油の入った　ペール缶を抱えて
下のリフトで降りてくる

華やかなスキーヤーカップルから
汚いと　指さされながら….

今では　笑って話せるが…
悲しかった…

準備をして
ゴンドラに向かう

スパルタリハビリの始まりである

宿で言われた
昨日の天気は　奇跡だよと
隣の羊蹄山すら　見えない日があると

確かに　頭を雲の上に出し
視程は　あまり良く無い
頂上のリフトは　動いていない

でも　雪面が見えるから

降りながら　撮ってもらう
自分の取説を　作るために

２本目のゴンドラ　
乗ってすぐ　何かおかしい….

異様に　進みが遅い…

やっぱり…..
あまりの強風で　ゴンドラを　
回収している

どうやら　最後の乗客であった。

ニセコ　アンヌプリゲレンデ
貸し切り…誰も居ない….

勿論　思いっきり　雄叫びを
上げながら　広々とバーンを使い
ロングターンで　降りて来る

二か月前は　滑れるのか
怯えていたのに…..

麓まで降り
動いているリフトは　一本のみ…
並んで　一本滑り
並ぶの苦手は　変わらず…

今シーズンの　スパルタリハビリ
スキーを　無事に終えた。

ギランバレーになって
高い高い　点滴いっぱいいっぱい打って
別人が　入ったからと…
言っては　いるが

ギランバレーに恋をして
力入れようにも　力が入らないから…

昔のように　飛び跳ねていないのである

それでいい

ギランバレーに恋をして
回復期リハビリテーション
目覚めれたら　雪景色

頭の中は　来シーズンの
雪が降っている