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一気に鷹になった日 コルナゴ部長の裏日記 第十章

写真家の友人に笑われる。
“どんだけ写真撮ってるの?”

その瞬間が重なって物語になるから…

旅の最終日 
いつものように 起きて 飛騨高山
古い街並みを散歩してみる
誰も居ない 街の空気感が好きである

ゆっくり ゆったり 街を歩く
今朝の出発は ゆったりだ

陣屋前朝市
おばちゃんの薦める 燻り大根漬物
なかなか 癖のある逸品だった

いい宿だった。
女史支配人はニコニコと呟く

“昨日みたいな天気の日は ありません
そんな日に 上高地に行かれたとは”

やはり持ってる 三人らしい

丁重に見送りを受け
高山から奥飛騨温泉郷を抜け
向かったのは
改装されたばかりの
新穂高のロープウェイへ

そう 一気に 2156mへ

“一番いいポジションに居るねー”
奥さんは 呟く

“物語には 瞬間の切り取りが大切ですから”浮世雲

熱線入りのガラスからの景色を
写すのは マニアックなのだ…

白樺林を ススキのように
鷹目線が 撮りたくて…

眼下の紅葉を愉しみ
辿り着いたら 

雪だ

雪の焼岳

昨日は 上高地から眺めた

新穂高の山々を 西側から眺める

数日前に オープンしたばかりの
天空のテラスを愉しむ

“持ってますね”やっぱり

ワンダーホーゲル部の奥さんは
40年前に見た景色と 語ってる

“それでいい”

笠ヶ岳を 眺めながら
山を降りる

遅めの昼食は 奥飛騨で蕎麦を

蕎麦を啜れる幸せなこと

一路 名古屋空港に向かうのである。

そう 間に会うかな 飛行機…
ドキドキ ハラハラしながら…

平安な暮らしをする縄文人
一気に鷹目線になった日


リハビリ旅に お付き合いいただいて
ありがとうございます。

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