2022年12月に思ったこと


●「ワグナー」と「モーツァルト」の共演
年末のクラッシック音楽祭のことではない。
現在、ウクライナ東部にて、ロシア民間軍事組織「ワグネル(ワグナー)」とウクライナの民間軍事組織「モーツァルト」が激しく激突しているとのこと。
この「モーツァルト」とは、米国の元海兵隊の大佐が設立したNGOのことである。人道支援や救護、更にウクライナ兵に対する軍事訓練を目的として設立された民間組織であり、現在バフムートをはじめ最前線にて活動している。
Newsweekの記事によると、命を奪うことを主目的とした「ワグナー」に対し、命を救うことを信条としているのが「モーツァルト」とのこと。
このバフムートの戦いが最も激戦であり、最も被害が出ているとも言われている。将来、このウクライナ戦争を振り返った時、このバフムートの戦いが天王山であり、今回の戦争の分岐点になったのではないかと言われるのではないか、との声も聞こえてくる。

●コーヒーとホットドッグ
伝統的なウクライナ料理は数々あるが、現地で生活していると食事を簡単に済ませることが多く、特にウクライナ国内の出張の時など移動中のガソリンスタンドでホットドッグを食べて済ますことが多い。ウクライナでは細長の丸いパンに穴を開けて(ちくわのような状態にして)、その中に焼いた長いソーセージを入れて売っている。
先日読んだ現地の記事によると、戦闘が激化している東部の最前線バフムートから約20km離れた町では、キオスク(日本のキオスクと同じ)が通常営業を続けているとのこと。
毎朝ウクライナ兵士がコーヒーとホットドッグ注文しており、軍事服であることを除けばいつもの見慣れた朝のシーンと何ら変わらないと。
兵士にとって、戦争という非日常の中で、毎朝の日常が保たれることが重要であり、あたかも自宅から「出勤する」ような感覚がモチベーション維持に繋がっているだろうとのこと。
また、この記事で出てくる最前線付近のキオスクで働くおばちゃん達も危険と背中合わせで働いている。兵士に負けない士気と勇敢さを持っているのだろう。

●ブラック・フライデー
下の写真は11月最終週にミサイル攻撃を受けた直後のキーウ市内のショッピングセンターの様子(WEBニュースより)。
停電によって真っ暗な中でも営業を続けている店舗が見える。
文字通りブラックな中でのブラック・フライデーだったとのこと。
但し、この翌日の金曜日には既に電気は復旧とのこと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?