IPOへの苦難の道 ~30~

-経営者の覚悟-

IPO業務に携わり始めた皆さん、これから携わろうとする皆さん、

一体何から始めますか?

これまで数々のIPO案件に関わり、辛酸を舐めさせられたこともある僕の経験上オススメしたい最初の一手は、

ずばり
関連当事者取引を調べよう!
です。

よく規程から制定していきましょうという人も多いです。確かにその通りです。

…が!

そんな形式面を整える前に、物事の本質をまず見極めにいきましょう。

何を隠そう、この関連当事者取引調査、
経営者のIPOへの覚悟を判断するのにうってつけです。

ちなみに関連当事者取引とは簡単にいうと、会社の役員とか株主と会社の間で行われる取引です。
大体よく出てくるのが下記です。
・役員さんがプライベートでも乗る車を会社名義で購入している。
・役員さんが保有する不動産を会社に賃貸している。
・役員さんが会社から借入をしている。
などなど。

IPOをするに当たってはこのような関連当事者取引は必ず解消しなければなりません。
例えば、プライベートでも会社名義の車を利用している場合はその車を役員さんが買い取ることが必要です。
これって当事者ではないですが、すごく嫌ですよね。

そうなんです、経営者にとってはこれはすごく嫌なことなんです。
僕もこれまで関与する先々で関連当事者取引の解消のアドバイスはしてきました。

それで得た結論です。

IPOへの覚悟が足りない経営者はすごく解消を渋ります。

幾度となく口では「なんとしてもIPOを」と仰る経営者を見てきましたが、関連当事者取引の解消を渋る経営者が率いる会社はほぼほぼ途中でIPOが頓挫します。

これは別に関連当事者取引を解消しないからだけではありません。
やはりIPOには経営者のリーダーシップが不可欠です。
経営者の覚悟の度合いはIPOを目指す上でほかの様々な場面で表に出てきます。

そりゃ従業員としても、経営者が言っていることと実際にやっていることが矛盾している会社で働くのは嫌ですよね。

ということでIPOを目指す際には、まず関連当事者取引の調査、理解が得られない場合は、理解が得られるまで根気強く説得しましょう。

スタートはそこからです!

所属
合同会社UKTGコンサルティング
https://uktg.co.jp/trust/

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