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フライヤーコレクターへの道⑨

どうも、ウクモリ ヒロオです。

昨年末、ひさびさに映画館に行きました。
この状況下、足が遠のいていた映画館でしたが、是非とも劇場で観たい!と思う作品と出会いました。

行った先は渋谷のユーロスペース。
作品は林 海象監督の「BOLT」です。

林作品との出会い

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私が林作品と出会ったのは、1995年に公開された私立探偵 濱マイクシリーズの2作目「遥かな時間の階段を」でした。
当時の横浜・黄金町を舞台に、シネスコープの色彩豊かな情景と、色々な意味でディープな大人の世界に魅せられました。

そのあと観た1作目の「我が人生最悪の時」はでの真逆の設定に、驚かされつつ渋谷で3作目の「罠」を観た…そんな過去があって林作品はいつも注目していました。劇場で観たのは「罠」からですが、あの時から小さめの映画館で作品を観ることに魅力を感じました。

今回、林監督と永瀬正敏さんがタッグを組んだ新作が観られる・・・そんな情報を聞いただけで、ユーロスペースの予約を入れました。

とにかく印象的なシーンが続きます

まだ公開中の作品なので、ネタバレを避けて書くようにします。
今までの林作品同様、とにかく印象的なシーンが続きます。
「BOLT」「LIFE」「GOODYEAR」の3つのショートストーリーからなる作品ですが、それぞれ全く異なるシチュエーションながら、震災が絡んだ物語となっています。

1つめの「BOLT」がとても強烈なイメージを残す作品に仕上がっていて、放射能が致死量な現場で緩んでしまったボルトを締めに行く・・・普通に考えたらあり得ない設定ではあるものの、妙な説得力を持ってみるものを威圧します。

圧倒的な威圧感すら感じる映像作品となっているからこそ、「LIFE」が始まった瞬間のほの暗さ・静けさがより印象深い作品です。
淡々とした描写が続きますが、同時に人の生死に対する意味を見つめ直す・・・そんな機会を得ることが出来たかのようです。とても深いです。
他の2つのストーリーが不自然なシチュエーションなだけに、この作品が妙にリアルに感じられました。

最後の「GOODYEAR」は、生死の先に見えるもの・・・そんな感覚で捉えることが出来る作品かな・・・と思っています。
当初は吹雪の中、オープンカーでやってくる謎の美女の登場に戸惑うも、終わってみればそういうことだったのかと分かる感じの内容です。
濱マイクの「罠」に通じるようなミステリアス感を感じさせるような林作品の王道ともいえる感じなんですが、今回はほかの作品のインパクトが大きいだけに、少し路線が違うのかな・・・そう感じました。
元々は別々の作品として撮り終えていたようなので、単独で観れば印象が違ったかもしれません。

久々に林作品に触れられて良かったです

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林監督にとっては7年ぶりの長編作品とのことですが、あの林作品独特な雰囲気を映画館で観られて涙が出るほど嬉しかったです。

やはり、最初の「BOLT」がとても強烈な印象を残しました。
近未来感を感じながらも、やることは大きなスパナでボルトを締めるというアナログ感とのギャップが絶妙で、しかも時間と共に増してゆく絶望感も相まって、リアル感はないものの原発事故の恐ろしさを訴えかけてきます。

もし機会があれば観て欲しいな・・・と思う作品です。

林さんが京都でやっているBAR探偵にも行きたいなぁと。
状況が落ち着いたら、行ってみたいと思っています。

ということで、今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。感謝!

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