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ファスティング as a ビジネス

もうすぐわたしの「絞るチャレンジ」も2か月目が終了。

7月頭のゆるっとファスティング1回目で2キロ、8月頭の2回目で更に1キロ落としたけど、さて当初「3回は続ける」と掲げていた3回目をやるかどうか、迷っている。

というのも、この3キロ減を維持しているのはファスティングの結果というより、試行錯誤しながら食生活を見直し運動習慣を導入してきている結果で、今の自分には、これ以上体重を落とすより筋肉をつけることが大切だと分かっているから。

2か月目は、関心がファスティング→筋トレへと移行してきた時期だった。

で、その筋トレについては次の機会に話したいと思うけれど、まずファスティングそのものについて、ゆるっと自己流ではじめて色々調べたことを吐き出しておく。

巷で「ファスティング」が流行っている裏には、大手企業の仕掛けがある。

1つが、わたしもその言葉を知るきっかけになった某協会(以下、A社)。医療機関と提携して開発したという高価な酵素を、最初に私も買った。

そしてもう1つの大手が、アンテナ・サロンを設けて無料セミナーやイベントなどを行い、酵素だけでなく補助ミールや高機能水なんかも売っている某企業(以下、B社)。

結論から言うとA社もB社も、出している酵素自体は悪いものではないと思うけど、なにしろ高いのでどっちも今後お付き合いはしないと思う。

A社は「マイスター制度」というのを設けていて、資格を取った人たちが各自でその会社の酵素を使ったファスティング伴走支援サービスを展開し、広告塔になるという仕組み。

それ自体はいいけど、そのプログラムの中で「デトックス」に関して絶妙な嘘を織り交ぜ教えている気配があるのは気になる。認定者たち(個人としてはだいたい、人様の健康の役に立つことを志す真摯な良い人たち)がそれぞれに開いたウェブサイトでは、そんな簡単ではないはずの重金属排出が可能だと言いきっていたり、低血糖で起こるいろんな不具合を「好転反応」と安易に言い換えてしまったり。絶対とは言えないけれど、その風説の拡がり具合を見るに、総本山のセミナーでそう教えているとしか思えない。そして本社は製品説明において一切それを語っていないというのが、なんとも巧妙(景表法にひっかかるに違いないからな!)。だから協会ビジネスっていやだ。

真面目な協会もたくさんあるので、十把一絡げに「協会」が悪ではない。本来の意味の「ビジネス」も、私は好きだ。ただ、健康を売ってるのに人の健康を搾取するような構造でチャリンチャリンしてる確信犯的なのが嫌。筋力が落ちることに触れなかったり、害を響きよく言いかえたりするのは、ポジティブ心理学の悪用だと思うよ。

一方、B社は、アンテナショップでに行けば自宅用の体重計じゃわからないAGEsなんかの指標を測定してくれる。「通常1万円のファスティング説明会が今なら無料!」というやつにノコノコ行ったら、そこで会員登録という流れだった。(1万円払っていく人は実質いないんじゃないかな?)そして集めた会員向けに「美脚セミナー」とかのイベントを開催している、エステサロン的モデル。そこで語られるプレゼンの前半は正しいことを言っているけど、着地が高額商品の提案、で、そこの接続点で微妙な説明がはいるのでずっこけた。

いや、わたしも堂々円熟の40代なので、「このオイルにはDNAがはいっているんですぅ」と言う若いエステシャンに対して「何のDNAですか?動物でも植物でもなんでもDNAはいってますけど。原料は何ですか?」と問い詰めて困らせた20代の頃みたいなことは、もうしないけど。

B社のサロンでも、説明してくれる社員さんは製品の良さを本気で信じている。それに、前時代的な断りづらい押し売りをしてくるわけではないので、雰囲気に押されてお買い上げしてしまわないなら問題ない。敷居の低い無料セミナーで集めた会員をLINEで囲ってエンゲージメント・マーケティングしてるってかんじ。

補足すると、個人的には、事業会社だもの、頑張って開発した良いものに気持ちアゲ分の価格をのせてアピールするのはかまわないと思う。買える人が買いたくて買う分には、余裕のある方はどうぞどうぞ。ただ、いかにも最先端科学的な説明資料をくっつけた無闇に高い水とか、塗るだけで痩せるクリームとか、義務教育レベルの化学の知識と自分の身体性に関する普通のセンスがあったら「そりゃないよ」って思う商品をお勧めされると、萎えるんだ。

というわけで、A社は倫理、B社は趣味の問題で、私は合わなかった。

「ファスティング as a 瞑想」は今後も取り入れていきたいけれども、「ファスティング as a ビジネス」には近づきたくない。

「絞る」をテーマに自分の身体と対話していくと、結局はバランスのとれた食事と運動習慣にいきつくのだけれども、そこに大手ファスティング企業の宣伝する高額酵素ドリンクは不要。

なお、お医者さんが病気の顕在化した人に対して指導する「ファスティング as a 医療」というのもあるが、それはまた全然別の話。

2か月間絞るチャレンジに取り組んで私が感じたのは、日本が、食事だとかサプリだとか補助栄養食の基準設定に関して、欧米に比べて本当に遅れているということ。身体・健康という人間の根本にかかわる大事なことなのに「ファスティング as a ビジネス」が野放しになっていて、正しい食事の知識が浸透しないのはそのせいだ。糖質抜きダイエットとかそういう単純すぎてよろしくないものがブームになっては去っていくのもそのせいだ。

広告・マーケ業界にいたことのある人ならだれでも知っていると思うけれども、日本にはサプリの品質基準がない(米国のサプリの高品質については、例えばこういうサイトで説明されている。)カナダ政府も、食事に関してこんな美しいウェブガイダンスを提供している。(こちらのサイトは、かなえさんに教えてもらった)

さておき、3か月目の取り組みに向けて「筋肉つけたい」というテーマで別の(これまた無料の)身体測定を行ったところ、これまた自分についての発見があったので、そのはなしは、またこんど!

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