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Virtual Insanity

陽性の生徒の数が100人を超えても平常運転のヨーヨーの学校を見ていると、ちらっと耳に入ってくる濃厚接触ベースで学級閉鎖になったとか自宅待機になったとかの日本の保護者の叫びがちょっと不思議に思えてきます。

こちらも平常運転とは言え、多少の変化はありました。プールの授業が普通の体操になったり、学校側が送迎時にゲートのところで 保護者にマスクを配ったり、まあ、警戒はしている。けれど、子どもたちは完全ノーマスクで自由。誰も重篤化していないようです。

ヨーヨーも、席がとなりのキキちゃん(顔がちっちゃくて、いつも髪の毛をふたつにふりわけお団子結びにしている黒人の女の子らしい)が陽性で数日間(だけ!)お休みだったので、この状況で感染しないほうが変な気がするけど、ラテラルフローは陰性。私も週に一度のチェックで陰性が続いたので、これ以上引き伸ばしても仕方ないと思ってブースター接種に踏み切りました。(陽性になったら1ヶ月くらいは打てない!)

本音のところでは、本当にブースターする必要あるんかいなとさえ思う。そして皆がかかっても軽症ならもうインフルエンザの方が怖いくらいのやつなんじゃないかと思う。けれど、

下心としては2月のハーフターム(こちらの小学校は、セメスターのなかばに一週間のお休みがある)にスペイン旅行に行く予定を組んだので、それまでにワクチンパスポートを手に入れておきたい。

というわけで、金曜日の子供たちのお迎えついでに、過去二回の日本での接種証明を持って近所のスポーツセンターに行くと、予約をしていなくても本人確認のみですぐに席に案内され、簡単な問診のお喋りしながらサッと打ってくれた。

「前回は副作用が禍々しかったんだ」と言うと、「ああ、モデルナはそうらしいね、今回はファイザーだから軽いといいね。」と言われた。

そして1日半経った今回は実際拍子抜けするほど副作用がなかった。腕は多少痛かったけど、微熱もなし。土曜日の日本人学校のアテンドにも行けたし、なんならその後、友達家族と家飲みができてしまった。効果が同じなら最初からファイザーだったら楽だったのかな?

がっかりだったのは、その場でワクチンパスポートを貰えなかったこと。国外での接種履歴を正式登録するためには、改めて、そのチェックができる専門のセンター(遠い!)に予約をいれて、面接しないといけない。

子供の予防接種履歴や自分の病歴紹介状の登録はGP(かかりつけ医)にメールで済んだのだが、これだけは別らしい。めんどくさい…。

ちなみに、ロンドンで暮らし始めて気がついたのは、日々の料理に使うお野菜やお肉が「生っぽい」んです。

じゃがいもやにんじんも、グリーンピースも冷蔵庫に入れててもあっという間に芽を吹く。だめになるのが早い。

牛乳も、ほんとにすぐにだめになる。これはちょっと調べてみたら、日本と欧米で主に流通する牛乳は、別物と言っていいくらい処理が違うんですね。(詳しくはこちらのサイトに譲ります)

卵も、6個で100円しないくらいの安いものからその3倍くらいの値段がするものまで選べます。(なお、「卵かけご飯ができるのは日本だけ」というのは都市伝説で、オーガニックなとうもろこしを食べた鳥が産んだいいやつだと、こちらの卵も生でも食べられます。)

表題写真は最寄りの八百屋さんの根菜売り場だけど、じゃがいもだけで十種類くらい並んでいる。選択肢が多い。逆に、テスコなんかのスーパーでは標準的なお野菜が日本よりもずっと安く買えます。

そんなこんなで、日本に住んでいた時のペースで食材を買い貯めているとすぐだめにしてしまうことに気がつき、基本、日々使うものだけをこまめに買うようになってきました。

そうなると、日本のお野菜って土のかけらもついてなくてピカピカでなかなか腐らなかったけど、あれってなんだろうという疑問が湧いてきます。

衛生管理が行き届いているから?品種改良が進んでいるから?

でも、逆の見方をしたら、生きているから死ぬんだよね。こっちのほうが、食材の本来の姿なんじゃないかな。

ここで飛躍があるのは承知であえて言うと、このように日常の中でも小さな「死」から完全に遠ざけられて暮らしている結果として、日本の社会って、生命恐怖症になってる側面があるのではないでしょうか。それでコロナに対する対応も、なんか、本質を見誤っているんではないかという気がします。

死や雑菌は、生きていることとセットで避けることはできない、我々の隣人です。受け入れ難いと感じることもあるだろうけど、我々の一部なのです。

日本に対してはWHOの人も「みんなの生活の負担をふやすばっかりでロジカルじゃないよね」と言っております。

イリギスの方が全て正しいといいたいわけではないけれど、こと政府の対策については、こちらのほうが、生き物としてのみんなの生活を考えて事実を見極め、戦略的な判断をしているように思います。

Virtual Insanity by Jamiroquai

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