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他に見ない色彩のラブ・ストーリー

2018年からNetflixで追っていたドラマ「Better Call Saulベター・コール・ソウル」が、シーズン6をもってこの夏に完結しました。ネタバレにならない範囲で、レビュー描きます。

わたしが最も好きなドラマ「Breaking Badブレイキング・バッド」(5シーズン)のスピンオフ作品なんだけれども、ソウル・グッドマンという口八丁の悪徳弁護士を主人公に据えて、時系列的に前作のドラマの「過去」と「未来」を同時に扱っています。

Breaking Badのファンがターゲットなので、最初からある程度ネタバレしている筋書きも多いです。この人はあっちにいたからどんな危機にあっても生き抜くよねとか、この人は居なかった…ということは今作中のどこかでいなくなってしまうんだなとか。

それが途中で繋がったりする。あまりに変わってしまっていたから最初気がつかなかったけど、この純粋なかわいい若い女性が、前作(後日談)のあの煮ても焼いても食えないおばさんになっちゃうのかよ!とか。

好きにならざるを得ない人が大事にしているものが後に完膚なきまでに叩き壊されてしまうことを、視聴者はあらかじめ知っていたり。大好きなあの登場人物にまた会えるのは嬉しいんだが、何も知らずに幸せそうなのが辛い!辛すぎる!

最初からいきなり重〜いのです。主にやるせなくて、せつなくて、毎回、ずっしりくる感じでした。

でも、なにがどうなってそうなった?という過去の一面が容赦無く紐解かれていく一方で、先の読めない未来のリアリティの断片が提示されるので、これがいったいどうつながるの?って気になってやめられない。

そんなかんじで、息も絶え絶えに、しかし見ることをやめられずに完走したんだけど、

ついに最終話まで見通して、これはすごいラブ・ストーリーだって思いまいました。ハード・ボイルドなクライム・サスペンスだと思っていた物語の全てが、最後の最後に、他で見ない色彩のラブ・ストーリーになる。

先にスピード感のある「Breaking Bad」をみてファンになっておかないと、この重さには耐えられないと思う。あの名作があってこそ、この色彩を受け取れると思うんで、長丁場になるけれども、ほんとにどちらもすごいドラマなんだ。

私の友達にはウケが悪くて、一緒に語り合える友達が少ないのが残念だけど、もしよかったら見て見てください。「Breaking Bad」から順に。


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