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飛べない世界

先日、ビザの申請のために過去10年分の渡航履歴を申告を求められて古いパスポートから情報を拾ったんですが、この作業が結構大変でした。

入管のひとたち、ぱっと開いた適当なところにハンコ押すし、一部の国では入国・出国どっちかのスタンプしかなかったりするし、滲んでたり掠れてたり重なってたりで日付が読み取りにくいものもあるし。

突合できるなら勝手に調べてよと言いたいところだけれど、却下されたら面倒だから真面目に拾ったら、Google勤めの頃はやはり四半期に一度のペースでどっかの国に飛んでいました。よくがんばってたな、私。

しかし、回天の時を経て、外資系勤めといえどもこれからはもう、昔のようにバンバン海外出張行にいく時代ではなくなりました。

当時をふりかえってみれば、私の周りには、何かと理由をつけては海外に飛んでマイレージのランクを上げ、「ファーストクラス・ラウンジでシャンパン飲む自分の手の写真」をSNSに投稿する人(いわゆるラウンジおじさん・おばさん)も少なからず。その手のマイラーのなかには「今後は海外出張はありません」と言われて絶望して会社を辞めた人もいるとのウワサです。

その人、会社のお金で海外に行くことがキャリア・アンカー(譲れない価値観)だったのか!

まあそれは極端な話なんですが、この先、気候変動で人類が滅びる可能性も高いから、その手のエネルギー浪費は確かに減ったほうがいいと思う一方で、

気軽に海外に行くことが難しくなって、仕事はともかく趣味の旅行にもいけずインバウンドのお客さんたちを「おもてなし」する一方の社会は…ちょっとつまんないと思う自分もいます。

海外に行かねば遊べないわけじゃない。豊かな景観があちこちにあるのがこの国本来のいいところで、だからインバウンドも期待できるんだけど。

でもまあ、自分が20代の頃は、バブルを懐かしむおじさんの語りというものは、好きな上司であれば「憎めないけどよくわからないな」、嫌いな上司であれば単に「アホだなあ」って感じで、聞き流していましたからね。

私がバブル世代の話を聞いても全く羨ましいとは思わなかったのと同様に、今後の若い世代の人たちは「え、海外出張?めんどくさい。長時間飛行機に乗って体に悪いし、時差でつらいし、食べ物も国内の方が美味しいし、何がいいの?」て思うのかもしれないですね。

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