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アムルタートのよもやま-4

鎌倉~近世に掛けて書かれた、
主に源氏物語を下敷きにした、
今風に言えば「パロディ」のようなものを総称して、
擬古物語(ぎこものがたり)と言うのですが。

そうした擬古物語の1つに
「別本八重葎(べっぽんやえむぐら)」というお話があります。
成立年代は不詳ながら、
おそらくは室町あるいは江戸と言われているお話です。

笠間書院から出版されており、中世王朝物語全集に収録されています。

で、この別本八重葎(べっぽん やえむぐら)なんですが、
須磨に流された光源氏の帰りを待つ末摘花が、
狐などの妖怪に化かされるというお話で。

最終的には、
童の犬が偽源氏の一行に吠え掛かり、
偽源氏の一行(狐が化けている)が、
ホウホウの体で逃げ去るというもの。

これなんかは「別本八重葎」が成立した頃には
・狐は犬(オオカミ)に弱い
・オオカミは、害獣(主に狐)から田畑を守ってくれる

というオオカミ信仰が、
広く一般に認識されていた、一つの証左なのではなかろうか?と、
思うんですよね。

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