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妄想劇場 冒頭

---これは、私達(湊家)の物語だ

美剣サキ「そんなになってまでなぜ私の邪魔をしたがる?なぜそこまでして私に関わろうとする?」

湊アサヒ「兄弟だからです。カツ兄、イサ兄、私アサヒ。そして、つるちゃん!4人で兄弟だからです!一人で抱え込まないで下さい。さあ、力を合わせて一緒に目の前の怪獣を倒しましょう!湊サキちゃん!」

美剣サキ「だからなぜ関わろうとする!私の兄弟は3000年前に死んだ!!私の友も、もういない!!!アサヒ、お前にとっての兄弟とは何だ?!友とは何だ!?」

湊アサヒ「つるちゃんがそうやって一人で背負っている所を見ると私も痛いんです。痛くてほっておけないんです。これはカツ兄もイサ兄もきっと一緒です!二人はずっと、つるちゃんのことが心配で、助けたくて、何とかしたくて、今までずっと戦ってきたんです!」

美剣サキ「みんなと仲良くしているアサヒを見て、かつての家族や友達を思い出すことができた。どういう訳だか凄く安心できた。身が滅んだとしても、私の中には古き友とかつての兄は確かに生きていた。これは全部、アサヒのお陰なんだ。一度は彼らの存在を否定した。否定することで、ずっと一人だったんだって、そう信じれば死への恐怖が薄れると思っていた。だが、違った。怖くて、怖くて。助けて欲しくて。」
いつも冷静な美剣サキがワンワンと滝のような涙を流した。

湊アサヒ「つるちゃんは私にとって憧れの存在感です。強くてカッコよくて。」

美剣サキ「私もアサヒに憧れている。誰にでもフレンドリーに接することができて、どうやったらそんな風に仲良くなれるのかをずっと考えていた。アサヒは、いつも私の前を走り続けていた。追いかけても追いかけてもアサヒには追いつかなかった。」

湊アサヒ「え!つるちゃんも私の事を!照れるなあ。でも、生きていればきっといつか追いつけます!追いつかなくても私たち4人が力を合わせれば、何とかなりますよ!」

かつて母の様な存在だったバクバーバからの「生きるためには悪人の命を犠牲にすることが正義」という教えを守ってきたが、生きてアサヒにいつか追いつこう。人見知りな私とおさらばだ。

こうして4人は立ち上がった。果たして怪獣を倒せるのか?
湊カツミ、イサミは数々の怪獣を倒してきた。でも、残念ながらこれはカツミとイサミがルーゴサイトを倒す物語ではない。それはカツミとイサミの物語だ。他でもない。これは、私の物語だ。家族を亡くし、友を亡くし、死闘の末に新たな友と家族が出来る物語だ。私は湊家の一人。だからどうしても私の物語に彼ら3人が絡んでくる。これは私達湊家の物語だ。

【続】


みなさんにとって家族とは何ですか?

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