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古着店のジョブトライアルに挑戦し、撃沈した話 イギリスで初めてのバイト

こんにちは、バッハ・コナカです。インスタグラムではポジティブなストーリーしか上げていないので、「楽しそうだね」「順調そうだね」なんていう言葉を友人にかけられますが、辛いこともまだまだたくさん。英語コースが終わって遊んでばかりだったので働く体験をしてみようかしらと思い立ち。たまたま古着店がパートタイムジョブ(バイト)を募集していたのをインスタグラムで発見し、その日のうちにCV(履歴書)を何も考えずに送りました。会社でこなした数々の仕事のおかげで私のCVはそこそこご立派なので、すぐさまその店から返事が来て、「面接ではなく無給のジョブトライアルをしてもらい決めるけど、興味ありますか?」ということ。1週間毎日異なる候補者が仕事をして、そこから一人を選ぶということらしいです。

ということで、行ってきました。初めてのジョブ・トライアル!いやぁこれが、わりと辛い体験でした。マネージャーはすっごく可愛くておしゃれで最高に優しいんだけど、話すスピードが早いし声が小さくて……正直言って、すごくシンプルな指示さえも聞き取れず、たぶん彼女の指示の5割を聞き逃していたと思います。お客さんからの簡単な質問にもろくに答えられず、「Sorry?」と何回言ったか……お客さんに聞き返しちゃだめじゃないですか。私はよく店員から聞き返されるけど笑。もし私がマネージャーだったら、ボスの指示すらろくに理解できない人を絶対に雇わないよなぁと思いながら私が5時間やったことといえば、シワシワのシャツにひたすらスチーマーをかけ続けること。結果マネージャーに「わお、あなたアイロンがけ、私より上手ね!完璧よ!」(京都的に言うと時間かかりすぎだからもう少しクイックにしてくれない?)と言われる始末。情けなくて、悔しくて、自分の「USELESS」感を感じて泣きそうになりました。私のご立派なCVなんて、私が日本のファッション雑誌のためにやったことなんて、所詮会社の看板あってのことだし、一歩外に出て言葉が喋れなければなんの意味もない。なんと絶望的なことでしょう。それに今みんなが古着店のジョブを求めていて、私が働いている間だけでも4人がCVをお店に持ち込んで「働かせてください」と言っていました。そのうちの一人がとても感じがよくおしゃれなバズカットのイギリス人で、私ならばこの子に決めると思う。
途中で元マネージャーで現在姉妹店のマーケティングディレクターのイケイケ女子が覗きにきたのですが、この人が特に嫌味は言わないんだけれどミーンガールなオーラを放ち、学園ドラマのボスみたいな仕草で振る舞っており、私といえば、じめじめしたアジア人のオタク役・もといモブかしらなどと勝手に被害者意識を炸裂させたのでした。

でもモップで床の掃除をしたり、重いラックをひたすら運んだり、とにかく肉体労働的な側面から言ったらものすごく店の役に立ったと思います。それに、少なくとも5割の指示は理解して実行したし、4フレーズくらいお客さんと会話できました。この状態でよく応募したな自分っていう、その度胸だけは認めてあげたい。「初めて英語で働いた!」という経験が得られただけでもかけがえのないものになりました。ただはっきりと、まざまざと、まだその段階に達していないということがわかった。精進が必要なだけです。海外で同じく大学院に通っている友人にこの話をシェアしたのですが、「大丈夫だよバッハ。挑戦したことだけでも偉いし、それに私たちは最初は一回へこむけれど、必ずその後ジャンプできるから。一回へこむ、これが重要」という素晴らしい言葉をくれて、私の心は少し軽くなったのでした。

マネージャーのお姉さんは本当にいい人で、「本当に今日は助かったわ!ありがとう」と言ってお別れをし、次の次の日に「もっと経験のある人に決めることにしました」というメールをいただきました。当然の結果です。その後なぜか申し訳程度にインスタグラムをフォローされたのですが、気まずいじゃないか、お姉さん!でも、友達になろうかな。でもでも、これで終わりじゃないです。必ずもう一度挑戦します!


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