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Back to the street〜前編〜

僕がまだ小学生だった頃、音楽といえばTVから流れてくるアニメやドラマの主題歌や、歌謡曲のランキング番組で聞く曲が全てだった。
それこそ低学年の頃は、学校で教えてもらう曲が当たり前でしたが、物心がつき始めるとそうはいきませよね。
時代は80年代初頭。ランキング番組も沢山あり、時代的に演歌なんかもランキング上位に入ってくるような時でした。
当然例に漏れず、その頃のアイドルブームやその数年後のバンドブームに乗るわけです。
当時硬派なバンドは、そのランキングに入ってきても出演しない感じでしたね。
フォークソングとかも流行ってました。長渕剛とかCHAGE&飛鳥とか、最初はバリバリのフォークでしたもんね。今じゃ信じられない人もいるかもですが、時代というものです。

僕がその当時の流行りを聞いていたのは、多分チェッカーズのレコードを同級生の子に借りたのが最後だと思います。
当時のチェッカーズの人気は半端なかったと思います。
何だか、コーラス付きで管楽器(サックス)がフューチャーされてるバンドが猛烈にカッコ良かったように記憶してます。あくまで記憶ですが...🤣

涙のリクエストがリリースされたのが '84年、その年の夏にアルバムが出たと思うんですが、その時点で僕は6年生でした。...多分...💦


***


そんな80年代初頭の小学生の頃、僕にはもう一つの奇跡的な音楽的出会いがあったんです。

時代は数年遡りまして...


どの世代にもいると思うんですが、洋楽が好きな兄弟のいるお家ってありませんでしたか?
同級生のお兄ちゃんが洋楽とロック好きのおかげで、
その当時の歌謡曲チャートには現れない、でもロック好きの人には有名な、

佐野元春with the hartland

というアーティストを教えてもらいました。


これが初めて借りた、出たばかりだったベストアルバム "NO DAMAGE"
当時の僕は何も考えてない"ちゃらんぽらん🤣"でしたが、
このアルバムジャケットを見た時のなんとも言えない衝撃は、今でも残っています。
雷に打たれたような衝撃ではなく、何かじわーっと怖いという感じですね。
上手く説明できませんが...

このジャケットの意味がわかる人いますか?
僕にはわかりませんが、直感的に、
もう追い込まれてるコンクリートジャングルの戦士達、
ってとこでしょうか?
都市からstreetへ...
ティーン達よ目覚めよ...
って言ったら大袈裟か🤣

そんなことをその当時の雑誌か何かで知ったワードから感じていました。

これも今だからこんな文章になりますが、小学生な僕には言語化は無理でした。

解説
既発表のシングルなど初期の楽曲に多少編集を加えてまとめた、
いわゆる「元春クラシックス」のコンピレーション。
“元春サウンド”の入門用アルバムとしては最適なもので、音楽的にも、
単なる“寄せ集め”という以上の内容を持っている。
デビュー からこの時点までの、佐野の急速な成長ぶりや一貫した方向性がうかがえるし、
シン グルやポップ・ミュージックについての彼の考え方を知ることもできる。
都市に暮らすティーンエイジャーたちに捧げられた、簡潔で発刺としたポップ・チューン14曲。 
社会の苛酷な現実に直面しながらもくじけまいと懸命な、
無邪気なまでに純粋な10代 =kids に対する佐野の優しい眼差しが、
アルバム全体を貫いている。

                                     MWSサイトより引用

それから数年、ファンになって彼のアルバムしか聞かなくなってしばらくして、
中学1年の時、僕の住んでいた奈良市にもレンタルレコード屋さんが出現して、
そこからは色々な音楽も聴くようになり、少し薄れていったんですが、
そのレンタル屋さんは音楽ビデオのレンタルもやっていて、
その中に"truth"という、佐野元春初のMVとライブ等々全部入りのビデオが
置いてあったんです。

ここまでもそうですが、この時代、インターネット的なものはなく、
本屋さんで立ち読みする音楽雑誌くらいしか、写真も情報も入らなかったので、
このビデオは超貴重な情報源でした。

レンタルで借りて見た、動く佐野元春のライブは衝撃以外の何者でもありませんでした。

つづく

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