レズビアンの出会い/『エロス』という新宿二丁目のクラブイベントへ行く③
さえちゃんに大事な質問をする。
どんなタイプが好きなのか知りたい。私の事が、まったくタイプじゃないと言われたとしても・・・
こんなに美人な子が初めて遊びに来たのなら、こっちの世界、レズビアンの世界をエンジョイしてもらいたい。
二丁目のツアーをしてもいい。
さえちゃんの好きなタイプを一緒に探してもいい。
知り合いになれただけでも幸せだ。二丁目を案内する気満々だが、気になって仕方なかったので、何気なく話の途中で聞いてみる。
私『さえちゃんは、どんな人がタイプなの?』
その質問に彼女は、私に向かって、まさかの指先を向けた。
『私?』思わず聞き直してしまう。
彼女は、少し照れたように、首をコクンとうなずいた。
可愛すぎる・・・
平常心を保ちつつ、嬉しくて舞い上がる。その時の高揚感は今でも忘れない。生きてて良かった。二丁目に来て良かった。
私『初めて二丁目に来たなら、他の場所も案内しようか?』彼女に提案した。
彼女も他のお店に行ったことがなく、行ってみたいと言ったので、近くのショットバーに移動した。
女子ばかりこんなに沢山いるなんてと、ただ驚いている感じだった。一杯飲みながら話をした。普段どんな所に出かけるのか?と聞くと、ホテルのプールに行くことが多いとのこと。
来月仕事で旅行に行く話、仕事で料理をする事、初めて出会ったのに、彼女自身が自分の事を話してくれた。
バーを出た後、徒歩5分程で到着してしまうクラブ。その合間に、彼女の手の位置を確認して、静かに手をつないでみた。
彼女は笑顔で、そのまま、ふんわりと握り返してきた。
私の中の恋が始まる瞬間。
クラブに入ると、彼女の腰に手をまわして、引き寄せて、密着。くっつきたい気持ちが行動に出てしまった。誰にもとられたくない気持ちから、さえちゃんを、引き寄せてしまった。
目と目が合う。
笑顔だ…!
嫌がっていない感じ。こういう事に慣れているのか・・・?
彼女と目が合うたびに、好きになっていく。
微笑み返してくれるたびに、惹かれていく。
さっき出会ったばかりだけど、完全に心をもっていかれている状態だった。
そんな時に、さえちゃんが言った。
さえ『実は、今日仕事帰りで、ふらっと来ただけだったし、眠くなっちゃったからもう帰ろうかなって』
ーーー今の時刻は深夜2時。
嫌われたのかな・・・なんて一ミリも思えなくて、私の事をタイプだと言ってくれたからこそ、強気な発言がつい出てしまう。
私『一緒にお家行ってもいい?一緒に帰ろ。』
唐突なのは分かっている。
もっと一緒に居たいと思った。
自分の気持ちを、素直に伝えた方が、失敗したとしても、後悔がない。今この時、この瞬間を無駄にしたくない。
ドキドキしながら答えを待ったが、すぐに返事をくれた。
さえ『散らかってるからもしれないけど…いいよ。』
やった・・・!嬉しい・・・!
嬉しくて眠気が吹っ飛んだ。
さえちゃんは
私の事を女の子だから泊めてもいいか。と思っているのか。
それとも・・・
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