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君はHE-LOWを観たか

HE-LOWという作品を知っているだろうか?ウルトラマンアグル、藤宮博也役、仮面ライダーライア、手塚海之役の高野八誠氏がクラウドファンディングにより作り上げた彼自身が監督を務める自主制作ヒーロー映画である。2018年に1が2019年秋現在続編となるHE-LOW the secondが色んな場所でイベント上映を行なっている。
主演は
ウルトラマンオーブ、ジャグラスジャグラー役青柳尊哉氏
仮面ライダー龍騎、城戸真司役、須賀貴匡氏
ウルトラマンガイア高山我夢役、吉岡毅志氏
をメインとして多くの特撮キャストが名を連ね脚本に小林雄次、主題歌にJAM PROJECT、 スーパーバイザーに鈴村展弘等々、特撮作品を観てきたファンなら「なんだこのメンツは!?」と目を疑うようなキャストとスタッフ陣となっている。

とここまで書くとなんだかすごい作品のように聞こえるだろう。たしかにすごい作品なのだ、色んな意味で。


この作品は一言で言うなら特撮版ポプテピピックと言って良いかもしれない。


特撮にはお約束というものがある。たとえば敵の声がどこからともなく聞こえてきたり、苦しい修行をしたり、悪の首領がいたり、変身ポーズを決めたり、どこからともなく駆けつけるヒーロー。
この作品にはそういったお約束は通用しない。

悪の女幹部にはグズる息子がいるし、真面目な会話をしているかと思えば終始ニヤけたキャストがいるし、一般人は映り込むし、拘束されたと思えば微妙にゆるくて普通に逃げ出されてしまうし、変身バンクに入ったかと思えば着替えのオバちゃんと雑談しながらスーツを着ている様子を逐一流すし、スタジアムのスタンドを挟んで会話してるかと思えばお互い全然会話が聞こえず携帯で会話するし、どういうことだ!といった感じである

パチンコ屋に入り浸り、「ウチはヒーローお断りなんだよ!」と蛇皮ジャケット着てそうな店員に言われる須賀さん演じるスライダー仮面龍騎士本岡
ヒーローキャバクラの客引きをする吉岡さん演じるウルト・ロマン高海(しかもその客引きのセリフがひどい、ひどすぎて次回作でまで使われたシリーズの名シーンとなっている)
どう見てもギャバンダイナミックに倒される大葉健二さん
何故か色んなところから彼らを見つめている椿隆之さん、
最近のヒーローが姿が変わることに愚痴をこぼす筒井巧さんetc…………

かつてヒーローに演じてきた人たちに何をやらせているのだろうか。さぞ真面目な作品なんだろうと何も知らずに観た人がいるなら心中お察ししますと言いたくなってしまう。
この中で唯一真面目なのは青柳さん演じる、ゴゴレッド赤城とエラインダー将軍くらいなものだが、ジャグラーは(一応)ヒーローではない。悪役エラインダー将軍は苦労人で、ヒーローを倒してしまったが為に生き甲斐を失ってしまい、資金集めの為にラーメン屋でバイトをしている始末だ。

盛大なキャストとスタッフによる悪ふざけ、お約束を知っているからこそ面白い、特撮のお約束が破壊された世界でヒーローの戦いを、そしてHE-(彼は)LOW(最低)の意味を味わって欲しい。
見る手段は現状Prime Video他でHE-LOW1が有料だが配信中だ。お酒のつまみ変わりに、細かいことは考えず劇中の本岡のようにニヤニヤしながら見てほしい。




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