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【MBA小論文】早稲田(WBS) 2016年 冬 企業不祥事を考える①

企業の不祥事はなぜ起きるのでしょうか、今回は2016年(秋)早稲田大学からの出題です。

問題文はリンクないし大学のホームページから確認してください。

要するに、問題文と資料(日経新聞の記事を抜粋)を参考にフォルクスワーゲン社がなぜ不正を行ったのか、どうすべきであったかを論じるという問題が出題されたようですね。

問題文を全部書ききることはできないため、以下の通り書き換えます。

問1 資料を読み、フォルクスワーゲン社がディーゼルエンジンの性能不正試験をするに至った理由を考察してください。(800字程度)
問2 問1で示した事実関係を踏まえ、同社はどうすべきであったかを論じてください。(600字程度)

問1は資料の内容をまとめて意見を述べるだけなので、比較的書きやすいのではないでしょうか。以下が私の書いた答案です。

答案1 

 以下、フォルクスワーゲン社がディーゼルエンジンの性能試験不正をするに至った理由を、事実関係の整理、分析、考察の順に述べる。
 まず、事実関係を整理する。記事⑴より同社は自らの世界販売と市場の好調とは反対に、米国市場にて売り上げ台数の前年割れが続いていた。20年ぶりに米工場が稼働したにも関わらず売上が低迷し、米国市場での存在感が薄くなっていた。記事⑵より、日本のハイブリッド車の先行に対し、欧州勢はディーゼル車で巻き返そうとしていた。また、ディーゼル車は欧州発の環境技術の象徴であった。以上より、日本と欧州間における競争激化が問題であった。記事⑶より、排ガス浄化を徹底すると燃費や走りの性能が落ちるというディーゼルエンジンの技術的な問題があった。また、パリでは大気汚染を懸念してディーゼル車の走行制限が検討されていた。最後に記事⑷より、2015年前半、同社は世界首位だったが、トヨタ自動車の猛追を受けていた。
 以上を踏まえ、同社には以下、五つの脅威が存在していた。第一に、米国市場での売り上げ低迷を危惧していた。第二に、日本製ハイブリッド車という競争相手が存在していた。第三に、ディーゼルエンジン自体に技術的な課題が存在していた。第四に欧州内における排ガス規制という法規制が存在していた。第五に世界首位に立ったがトヨタの猛追という圧力に対し、欧州の環境技術の象徴というブランドイメージを保持する必要があった。
 上記の外部要因を踏まえ、同社内部の要因を考察したい。不正に走った背景には、ディーゼルエンジンの優位性を早期公表する圧力が、経営陣から現場に対してあったのではないかと考える。上記の圧力により、米国工場の現場では「不正による排ガス試験クリアが公表されるリスク」と「日本製HV車との競争に負けるリスクおよび排ガス規制がさらに広まるリスク」を考慮した結果、後者のリスクを恐れ不正に走ったと考察する。(791字)

いかがでしょうか。

ちなみに、「五つの脅威」と書いてありますが、たまたま5つになっただけで、ファイブフォース分析をしたのではありません。

では次回、問2に入る前に「なぜ、企業は不正を行うのか」をキーワードを使ってより深く読み解いていきましょう。




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