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勝手に『マウント』気遣い疲れ

一時期『マウント』に頭を支配されていたことがある。

マウントとは、見えを張って相手よりも自分の方が優位だと見せつけるような言動を指します。

ゼクシィより


妹の松本さくらが、産前から我が家でしばらく暮らすことになった時
マウント遊びは一時わたしたちの中でブームになっていた。


松本さくら(以下、松)
わたし(以下、へ)

松: やっぱりご飯は土鍋で炊いた方がおいしいよね
へ: うち、IHだから土鍋ない
松: マウントー!

こんな調子で、なんか言えばすぐ「マウントー!」と放り込んでくる
この遊び。
もはや、本当の『マウント』の意味も言葉の使い方もわからなくなっていたのだった。

そんな時参加した料理教室にて。

参加している人は、わたしよりもおばちゃまな方が多く
先生の一通りの説明中にもちょいちょい質問を入れてくる人がいて
全く一通らず、なかなか進行しないことに若干イライラしていたわたし。

先生(以下、先)
おばちゃまA(以下、A)

先: 果物もこうやっておけば長持ちしますよ
A: 先生!りんごも?りんごも大丈夫?うち、今たくさんりんごがあってねー。知り合いから送られてきたんだけど食べきれなくて。なんて品種だったかなー?

いや、知らん知らん。
お宅のりんごの品種とか知らんから。
結構、時間押してるからね。
もう、いよいよ自分の話発表するの控えて。

先: では、次に、、、
A: 先生!さっきのりんごは切ってても大丈夫?どんな風に切ったらいい?私、毎朝食べてるから、、、、

いーや、もう知らんから!
姉さんが朝何食べとるかとか知らんから!
一旦、りんごの話やめようか?

Aさんは、この時間に全ての質問を解決しようとする勢いで
たたみかけてくる。
Aさんのお友達も「あなた、ずっとりんごの話してるじゃなーい」とナイスツッコみ。

先: では次、きのこ類は、こうやって、、、、、
A: きのこって何でもいいんですか?松茸も?
先: は、はい。なんでも大丈夫です

ま、ま、ま、ま、松茸?
お宅は松茸が普通に食卓に出てくる家なの?
普段食べないなら、そのワード出てこないよ?
これは、、、、例の『マウント』か!?

マウントに過剰に反応するようになっていたので
これにはすぐさまマウントレーダーが発動した。

Aさんの質問により、だいぶ押していたけど
そもそもは1人のおばちゃまの遅刻により開始時間が遅れていた。

松本は出血したら即病院行きとなっていて
いつ出血するかわからないし、病院に連れて行くのはわたしの役目だったので、時間にはかなりピリピリしていたのだった。
(結局、この日から15日後に出産したんだけどね)

気持ち的にもあまり余裕がなかったわたしは
遅刻おばちゃま(おばちゃまB)に対して少しイラついていた。

わたしのイラつきを無視して(当たり前だ)Bさんは
「へぇー!そうなんですねー!」
「すごいですー!」
など、感嘆の声をあげ、その驚きをわたしにも共有しようとしてきた。
共有の前に謝罪しようか?
みんな、あなたのこと待ってたんやで。
挙句の果てには、わたしにちょっとした注意までしてきたもんだから
わたしはBさんに対して完全にシャッターを下ろしてしまった。

先生が、便利グッズを紹介している時に

B: えー!すごーい!それ欲しい!
先: ネットで売ってますよ。あとは、自然食品屋さんでも取り扱いしてるところもあります。えっと、どこだったかな、、、

はい!先生!わたし知ってます!
わたしそれ使ってますから!
〇〇で買いました!

へか、心の叫び

これ言おうとした瞬間、『マウント』が頭に浮かんだ。
これ言っちゃたらマウントとったって思われるかも。
でも、先生お店思いだせないみたいだし言っちゃおうかな。
でもでも、小娘がしゃしゃって松茸マウントみたいになったら
Aさんにもうツッコめなくなる。。
どうしよ、どうしよ。

結局、先生はお店を思い出して、Bさんは「そのお店知らないわー」と言っていた。

完全なるこちらの都合で勝手に1人でピリついて、
でもその一切を外に出すことなく全て自分の中で繰り広げていたので
家に帰って、どっと疲れがきたのだった。

もちろん、松本と夫にこの話をすると
「それはマウントじゃなくて、親切よ」と言われた。(さらり)

松: ガストのから揚げおいしいんかな?
へ: 知らん。ロイホにしか行かないからわからん。
松: マウントー!!

ちなみにこれはマウントなのか?
はぁ、マウントって難しい。
違うか、言葉って難しい。



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