憎むべき、だが愛すべきやつら

ここぞとばかりに、あいつは僕の邪魔をする。noteを書き始めたときに限って、ハンドクリームを塗り終わったときに限って、観ていたYouTubeの動画が面白くなってきたときに限って。あと、映画のクライマックス目前に限って。

そんなに怒るほどでもないし、なんせ自分のせいだし、だけどあいつは僕が集中しかけたり、心地いい気分のときにあらわれる。うん、そいつは尿意だ。僕の膀胱を圧迫して、集中を妨げ、気分を害する。

足音を押し殺すようにのっそり押し寄せるときもあれば、こちらへダイブしてくるように向かってくるときもある。すんなりとあらわれてくれない。

と同時にタイミングが悪い。例えば、スイーツがある日に限って、アイスを買ってくる会社帰りのお父さんとか、洗い物が終わってから弁当箱を出す子どもとか、洗濯物を干し終わってから割と汚れた部活着を出してくる子どもみたく。タイミングがワンテンポ遅い。

なぜもうワンテンポ早く合図してくれないのか。もちろん僕のワンテンポ遅い性格が体内にまで侵入しているといえなくもないが。こればかりは体内信号にうったえかけてもどうしようもなく。変に苛立ちながら、黙って便所へ向かう。

確かに突然尿意を催すことがなくなったら、それもそれで集中力に欠けるだろうが。何事もバランスが大事ということらしい。ここはイレギュラーな体内信号への苛立ちをグッと堪えて、正常な働きをしてくれる自分の体を褒めてあげることにする。


褒めてあげたのも束の間、僕には次の魔の手が忍び寄る。そいつは腹痛だ。特に夏と冬は室内と屋外の急激な寒暖差により、内から外へ、外から内へ移動するだけで引き起こしてしまう。腹痛という大敵、またも体内信号なのだが、こいつがやってくると僕はもう苛立ちというより閉口してしまう。

どうしようもない。これからも付き合っていかなければならない。毎度起こるというほどでもなく、ちょっと体調が悪かったりするとすぐ出てくる。しかも、こいつもタイミングが悪い。

美味しくデザートを食べているときだったり、バスに乗る直前だったり。映画の始まる直前だったり。

もうここまでくれば、それらを予想して、毎日を過ごさない僕の責任である。だがあいつ(尿意)とこいつ(腹痛)の襲来を見込んだときにはあらわれないのだ。

大抵の場合、体のことまで考えられる余裕があるときは総じて体調がいい。つまり見込みは意味をなさない。そしてあいつとこいつのことを考える余裕がなくなればまたひょっこりと顔を出す。なんてやつらだ。

だが自分の体を気遣うという意味では不可欠なやつらなので、適度に付き合っていければと思う。世話を焼かれるうちが花といったところか。


とかなんとか言ってはみたものの。長々と何を言ってるんだろうと我に帰ったので、今日はこのへんでお暇しようと思う。




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