港区女子

女の中に存在する、リトル港区女子

港区女子バッシングの機運が高まる中(自分だけか)、港区女子とはなんたるものかについて、数ヶ月港区女子研究を続けた成果を、披露したいと思う。

まず、港区女子というワードは、東京カレンダーWEB上では2016年5月開始の「港区仮氏事情」で初めて登場している。5話しかないにもかかわらず、地味に反響があった連載だ。港区が主戦場である東京カレンダーにとって、港区女子にフォーカスを当てることは必然であった。

しかし、グーグルトレンドを調べると意外な結果が浮かび上がった。

10年単位で見ると、実は2004年ごろの検索ボリュームが多いのだ。リーマンショック前は一定の検索ボリュームを獲得している。このデータが間違えでなければ、リーマンショック前は港区女子というワードが一定の認知を得て、検索されていたことになる。

画像検索した限りでは、アメブロの痛い女子ブロガーによる「港区女子会❤️」的な投稿が少なくないように思える。

2012年ごろを下限に検索ボリュームは復調傾向にあり、2017年に少し伸びている。

港区女子についてインターネット上で調査をすると、ぱぷりこさんというはてなブロガーが寄稿している「妖怪女ウォッチ」なるものに、港区女子への言及がある。彼女が東京カレンダーを参考にしたか否かは知る余地もないが、書かれていることに大きな違和感はない。

しかし、フィールドワークを通して、様々な港区女子にヒアリングした結果、港区女子とはゼロかイチかというデジタルで測れる二元論的なものではないという仮説が浮かび上がってきた。



女なら、誰しもが心の中に、リトル港区女子を抱えている。



それが、僕の仮説だ。

港区女子の、定義の話をしよう。

港区おじさんが編み出した「港区女子適性診断」。貴方はいくつ当てはまる?

こういった記事があるが、この適性診断を引用すると下記から3つ以上当てはまると確実に港区女子といえる、とした。

1. 今まで持て囃されてきたレベルの顔・スタイル
2. 根本はミーハー。有名になりたい願望あり
3. 一見謙虚に見えるが、我が強い。(本当は自分が一番だと思っている)
4. コンプレックスがある
5. 男性を立てることができる

この連載の担当編集は私だが(執筆は私ではない)、正直、港区女子に関する理解が足りていなかったと思う。下記の条件を付け加えたい。


6. 高級レストランで恋人ではない男性からご馳走してもらうことが当たり前だと思っている
7. 誕生日やクリスマスが、1年になぜか2回以上ある(恋人以外から高級レストランや物品を受け取る機会がある。恋人との誕生日と、それ以外の男との誕生日)
8. 誕生日やクリスマス以外で、謎にプレゼントをもらうことがある

僕は港区女子を「自らの稼ぎの多寡に関わらず、男の金で生きていく女。そしてそれに罪悪感を1ミリも感じない女」と定義している。決して港区に住んでいる女子のことを指すという、そう単純なものではない。既婚者で専業主婦においては、もう港区女子とは言わないかものかもしれない(女子じゃなく妻)

実は、「君、港区女子だね」というと、かなりの割合否定されることが多い。

港区女子は、自らが港区女子であることを認めたがらないケースが非常に多いのだ。いやいや、私そんなんじゃないですし。と。私、港区女子になれないんです、と。港区女子と認定されることは、やましいという心理が、多少あるのかもしれない。

そう、女は、男からすると、言行不一致で謎な生き物である。

その女が港区女子であるか否かなど、本人が決めることではない。

港区女子の言葉など信じてはいけない。その行動に注視すべきだ。「港区女子の条件」に付け加えた6〜8があてはある女性は、かなりの割合でいるのではないか。6はたいていの女性であれば、当たり前だと思っているかもしれないが、7や8を経験している女性は、間違いなく港区女子の素養がある。

しかし、濃度の濃さはあれども、女は誰しもが港区女子的な感性や経験があるのではないだろうか。

港区女子の素養100%の女は、疑いなく港区女子である。しかし、港区女子の素養50%の女は、港区女子ではないと言い切れるのか。

今はそういった活動をしていないかもしれないが、人生における一定の時期に限りなく港区女子度100%に近づいたことがある女も、いるのではないか。

年齢によってその女の中の港区女子度数が変動し、その振り幅が人によって異なる。というだけの話である。その振り幅が80-100%の人もいれば、40-80%の人もいう。これが、港区女子とは二元論的な問題ではないという、僕の仮説につながる。


港区女子は、果汁ジュースと同じだと考えれば良い。



果汁100%ジュースは酸っぱくて飲めたものではないが、果汁0%もそれはそれで味気ない。果汁60%くらいの塩梅が一番美味しいのかもしれないが、そこは男によって好みが分かれるであろう。果汁100%が好きな男だって、いるかもしれない。僕はゴメンだけど。

果汁100%ジュースなのか、果汁50%ジュースなのか。

そういった問題ではないかと思う。

全ての女は、決して生まれながらにして、港区女子となるわけではない。

女であれば、ちやほやされたい。それも、10代からもてはやされてきたルックスを有しているとなると、美と金は等価交換できると、思ってしまいがちなのかもしれない。

しかし、それが行き過ぎてしまうと、valuationが釣り上がりすぎてEXITできないスタートアップのようになってしまう。



女は、誰しもが、自分の中に、リトル港区女子を抱えている。



自分の中の港区女子と、うまく付き合っていけるか否かが、女の人生の別れ道かもしれない。

港区女子の皆さんには、この記事だけでも、ぜひ読んでほしい。

凡庸な女よ、「足る」を知れ。


ちなみに、港区女子から派生した「港区おじさん」は私が作った造語だと思う。検索結果のほとんどは東京カレンダーWEB関連記事が占める。

港区経済は、港区女子と港区おじさんが回している。

それはまるで、太陽と月かのように、切っても切り離せぬ関係である。

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