200116|出川哲朗にはなれない
自分でも驚いている。
あれだけ心が満たされる出来事があった今
私の心は死んでいる。
テレビに出た。
友達や職場の人に、一生分の「すごい」を言われた。
連絡を取っていなかった友達から連絡がきた。
残業続きの父が、放送に間に合うように帰ってきた。
下調べをしっかりしているとか、礼儀正しいだとかでたくさんの人が褒めてくれた。
劇団ひとりが両親の顔を見たいと言った。
ツイッターのフォロワーは100人以上増えた。
世の中の、周囲の多くの人が、私を見ている。私について何か言っている。
こんな経験はなかなかできることじゃない。
私はすごいことをしたんだと思う。
固有名詞、たった1人の私として
多くの人に注目された。
それは、すごいことなんだと思う。
だけど今、私の心は死んでいる。
寝る前にまぶたの裏に映るのは、
後輩に仄めかされて見てしまった5chのコメント。
特に外見のことがたくさん書かれていた。
私は世間の目に、こんな風に映ったのかと思った。
今まで採用されていた子たちはたしかに可愛かったから、私も可愛いに含まれたってことかなと思い上がっていた。
5chというものがきっとよくないことをたくさん書き連ねるコンテンツなのはなんとなく想像がついたのに、見てしまったのがバカだったな。
こんなものに傷ついても仕方ないのだけれど、私はしっかりダメージを受けている。
たくさんの褒め言葉よりも
ちょっとの悪口に、打ちのめされている。
そういえばそうだ、
勝手に作られるまとめサイトみたいなものも
なんだか他の子より少ない気がする。
私と同じ日に放送された子の方が、ツイッターで話題になっている気がする。
私はどうして、こんなに必死になって
エゴサして、いいねして、リプライして
フォロワー稼ぎをしているんだろう。
いいねしていたら、一般人のくせにと叩かれた。
そうだ、私は一般人だ、ごめんね。
何も無いのに。
私なんて、空っぽなのに。
美女ですらないのに。
そうだよね。
ちゃんと下調べしてる美人でもない一般人の部屋探しなんて誰が見て楽しいんだよ。
下調べするのも、挨拶するのも、人として当たり前のことだよ。別に私が頑張ったからじゃない。
こうやって私は、
私は被害者面をして、私を褒めてくれた人達の言葉を殺していく。自分のささやかな努力も殺していく。
顔も知らねぇ奴の悪意に満ちた言葉を食べて、悲劇のヒロインになる。
楽しいか?こんな人生。
私はきっと、足るを知らない。
テレビに出て、注目浴びて、それだけでもすごいことなのに、満足できない。
きっとどんな道を選んでも、
満足できないんじゃないか。
たとえばなんやかんやで芸能人になったとする、そうしたら誰もが知るスターと自分を比べて、私なんてカスだって思うんだろうな。(ぱっと思いついたのが出川哲朗だった。出川哲朗と自分を比べるってどんな世界線。)
なんだか絶望した。
こんな思考回路でしかいられない自分に。
どんなに褒めて貰えても、朝起きたら顔面が浜辺美波になっていても、きっと満足しない。
褒めてくれる人たちの言葉を殺して、自分を悲劇のヒロインに仕立て上げるのだろう。
悲しくて仕方ない。
悲劇のヒロインは幸せにはなれない。
悲劇の中でしかヒロインでいられない私は、幸せにはなれない。
でも、幸せになりたい。
悔しい。悲しい。悪意なんかに負けて、優しい人達の言葉を飲み込めなくて、悔しい。
っていうのが今のわたしの本当の気持ち。
すごいって言ってくれた人たち、
あたたかい言葉をかけてくれた人たち、
私がテレビに出たことを喜んでくれている友達や家族、
東京に出る覚悟を決めたくて、後戻りできないように番組に応募した私、
本当に大切にしなくちゃいけないのはこっち。
負けたくない。
だけど今は勝てるエネルギーがないから
酸っぱいことも甘いことも辛いこともとりあえずなんでも書くことにするね。
まとまらないけどそろそろ凍えそうなのでおわり。
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