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日記(映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観た)

勤労感謝の日は『勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう。』(昭和二十三年法律第百七十八号国民の祝日に関する法律より)日らしいので、己の勤労をたっとび、ねぎらうために映画を観に行くことにしました。

そう、前々から気になっていた映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』です。

こんなん観たいに決まってるやろ!!!!!!!!オイ!!!!!!!!!!!


というわけで、休日にもかかわらずがんばって家から出て、梅田にある映画館「T・ジョイ梅田」まで行ってきました。

こんな阪神推しの映画館ある?




ネタバレ自粛のためまだ詳しい内容は伏せますが……
結論から言うと面白かったです。




うわ〜〜〜〜水木……好きだ…………。




正直ストーリーのネタバレ無しだと感想がこの一言に集約されてしまうレベルなのですが、本当に主人公の水木が良いキャラをしています。個人的に好きなタイプの男すぎました。

水木は善か悪かの二択なら善の人だけれど、戦争帰りで人間の醜さを知っており、野心があり、目的のためなら手段を選ばない生き汚さがあり、他人を利用するし嘘もつく。
彼はそういう、人並みに悪いこともする人として描かれているのですが、弱者を食い物にする巨悪は許せない清さがあり、実際に立ち向かえる強さがあり、若さ、反骨心にあふれていて良かったです。
というか、(特に序盤の)水木は必ずしも完璧な正義漢ではなく権力に取り入ろうとする狡さも目立つのですが、鬼太郎の父(後の目玉おやじ)との出会いと共闘を経て、失っていた義心を取り戻していったような印象を受けました。この変化の過程が丁寧で素晴らしいです。
あと単純に水木は生きる力が強くて良いです。水木のキャラ造形は映画全体のテーマでもある人間讃歌に満ちています。素晴らしいです。

水木とバディを組む鬼太郎の父もまた良いキャラをしているので、単体でも栄養価の高いキャラ二人の相乗効果がスーーーッと脳に効いてきます。キャラ造形と動かし方が匠の技です。

鬼太郎の父と水木は似たところもあり正反対なところもあり、なんかこう……その比率が私に効く感じだったので映画を見ている間、終始自分の脳がフル回転していました。

いや鬼太郎の父もめちゃくちゃ良いキャラすぎるんですが二人は互いに互いの良さを引き立てあって更なる高みに昇っていて、元々贔屓目で見ていた水木へのオタク感情がえらいことになる感じなんですよ(どういう感じ?)

あと、この作品、他シリーズなどのオマージュにあふれていて、その点でも面白かったです。
本予告にも使われているのでここで挙げますが、鬼太郎の父の
「我が子が生まれる世界をこの目で見てみとうなった!」
って台詞めちゃくちゃ良くないですか? 本編で目玉だけの存在になっている男の前日譚として100点満点の台詞だと思います。愛です。

自分はアニメ5期を当時リアタイ視聴していた世代なのですが、映画が始まった瞬間、10年以上前に観たきりの朧気な「ゲゲゲの鬼太郎」の記憶が蘇ってきて、まさしく忘れかけていた御伽噺を思い出したような感覚でした。

映画全体としては、良い意味で「鬼太郎映画」の枠におさまっている感じでしょうか。
正直この作品、ストーリーとしては、作中で起こった出来事が酷すぎて、描き方によっては余裕でR-18G映画にもできただろうし、もっと物凄く後味の悪い映画にすることもできたと思うのですが、あえてそれをしないという制作側の意志を強く感じたというか。
個人的にはもっと容赦なくてもいいのでは、と鑑賞している時は思いましたが、いや、そうではない、ひたすら陰惨で残酷で、救われない「因習村」を描きながらも、あくまでも人間賛歌と「鬼太郎の誕生」が最後に強く印象に残るように設計されているのだろうと、鑑賞後一晩経った今は思います。
最初にわざわざ太文字で「水木好きだ……。」の一言に集約されるとか書いといてお前って思われるかもしれませんが、この映画を思い出す時に「鬼太郎が生まれて良かった」という感情がすごく印象に残るのが、個人的にはめちゃくちゃ良いなと思います。そのこだわりは正しい。シリーズの外伝作として、それは絶対に外せない部分だと思うので。

とりあえず一言でまとめると面白かったです。

面白かったので、映画館でパンフレットやグッズを買おうとしたら、なんとほとんど売り切れていてビビりました。(公開してまだ1週間なのに!?!?!?)

とりあえずパンフレットが再販したら手に入れたいです。
自分へのクリスマスプレゼントはこれで決まりです。


(追記)
家に帰って来場者特典を開けたら「「「救い」」」が入っていました。本当にこれをもらえてよかったです。心が救われました。ありがとうございました。


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