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【東リベ2期OP考察】顔の向きでわかる聖夜決戦編

アニメ『東京卍リベンジャーズ』天竺編制作決定おめでとうございます!
まだ夏クールすら始まってないのにもう10月が怖……楽しみですね。

ところで今さらなのですが、私は2期・聖夜決戦編のOPがめちゃくちゃ好きなので、今回はそのOP(と、ED)について語らせてください。

この作品の何が好きかというと、左が未来で右が過去という配置を徹底してるところなのですが、これがまた映像としても美しいし、物語の内容の表現としても非常に美しいつくりになっているので、私の独断と偏見のままに語っていきたいと思います。
※既出の考察だったら申し訳ありません。

まずはOPを見てください

めちゃくちゃかっこよくないですか?
いやかっこよさについても語りたいのですが話が逸れそうなので本題に入ります。

左が未来、右が過去を表す

ここであなたの知っている「キャラクターが走るアニメOP(ED)」を思い出してみてください。
オタクなら1作は思い当たる作品があると思いますが、類型がめちゃくちゃあるにもかかわらず、「右から左」に走っているものがほとんどです。

個人的には日本語が縦書きの言語で、右から左に物語が進む(その影響で絵巻物や漫画も右から左に進む)からではないか……と考えていますが、「右から左」という慣用句もふつう「左から右」とは言わないように、少なくとも日本では「左から右」ではなく「右から左」のほうが自然な流れです。

なので、特に理由がない限り、(少なくとも日本の)映画やアニメのキャラクターは右から左に動くことが多いのですが、このOPではいきなりタケミチと千冬が左から右に走っています。

その後登場する柴大寿、柚葉、八戒、マイキー、ドラケンは左向きで三ツ谷だけが右。
構図は自然なのに、タケミチと千冬が左から右に向かって走る部分だけ違和感を覚える構成になってるのが本当にすごいです。

で、左が未来で右が過去を表しているとすると、その違和感に説明がつきます。聖夜決戦編は初手タケミチと千冬が未来で死んだあと二人で過去を変えるために戻ってくる話なので、左から右。
自分から過去に向き合う三ツ谷も右向き。しかし物語の序盤では過去に向き合っていない柚葉と八戒、過去を回想するけど今回直視はしないマイキーとドラケンは左向き。ちなみに大寿はこのOPで絶対に右を向きません。そういうとこだぞ。

前後の動きはここでは省きますが、次に左向きで登場するのは場地の墓の前にいる千冬。千冬は場地の死を悼んでいるけど、過去に執着していません。
千冬が場地を思い出す時は「場地さんがいたら……」ではなく「場地さんが守りたかったものを守る」なので常に未来を向いています。なので彼は左向きです。

そして八戒が左→正面、半間が左、稀咲が正面向きで登場。中盤の八戒と稀咲は自分の過去の弱さに向き合ってないけど、視界には入ってるから正面だと解釈できます。
イヌピーは左、ココは体だけ右向きで視線は正面(→左)。
ココはどう解釈したらいいんだろうと悩みましたが……恋と過去を忘れたことにしてるけど、目を背けてるだけで今もばっちり執着していると解釈しました。

大寿が左向き、背中→左向きで登場。大寿が過去に向き合うのは聖夜決戦編が終わった後なので、聖夜決戦編のストーリーを表現したこのOPでは絶対に右を向きません。
そしてナオトが左→正面、一虎が背面で登場。
ここの一虎が背面かつシルエットなのは一虎が過去も未来もあまり語らないため+場地の面影と重ねるため+このシーンの直後に正面向きで登場するヒナの印象を強くするためだと思うんですけどそれにしてもエモい演出だなと思います。ここ大好きです。

満を持してヒロイン・ヒナが登場。正面向きの笑顔の後、顔の見えない構図で闇に落ちていきます。ここのどうしようもないけど救いたくて手を伸ばす表現、王道だけど本当に良いですよね。王道には強力なパワーがあるので。
けど100億回言われてると思うけどその後の歌詞の「あなたを救い出すよ」で手を伸ばした先にマイキーがいるのがマジでヤバすぎる。東リベの真のヒロインはマイキーだった……?

このOP、安定感のある王道のシーンとあんまり見たことのないシーンが混ざり合っていて、きっとそれがすごく魅力なんだと思います。あとOfficial髭男dismさんのキャッチーなのにどこか聞き馴染みのない気持ち悪い(褒め言葉)メロディとマッチしすぎているのもvery good。ありがとうございます。3期のOPもぜひヒゲダンでお願いします。

そして「ヒーローぶって笑っていた」のとこでヒーローだった過去のタケミチ出してくるの、マジでOPが上手すぎる。すれ違う現在のタケミチと過去のタケミチ。現在のタケミチは左を向いていて、子どものタケミチは右向きのまま、左から右(過去)へと走り去っていく。
現在のタケミチが涙を流しきって上を向く。ヒナは出てこないけどここでの原作の落とし込み方もめちゃくちゃ好き……。

最後を締め括るシーンではタケミチは真左向き、千冬も真左向きで集合。
三ツ谷(右向き)に導かれるように、今回は八戒も右向きで歩いてくる。三度目の正直ですね。
マイキーとドラケンは正面向き。全員が揃う聖夜決戦編のラストシーンを彷彿とさせる最高のラストシーン。上手い……。

EDも左から右に走っている

と、ここまで東リベの2期OPの左右をひたすら語っていたのですが、実はこの作品、EDも左から右に走っているんですよね……。

柚葉~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!

先述の通り「右から左の流れが自然」なので、アニメOPやEDで左から右に走ると違和感が発生します。
でもこのEDで柚葉は左から右に走り続けます。それもいきなり左から始まるし、1分30秒のEDなのに20秒以上走っています。

想像ですが、やはりこのEDのテーマは「逆走」なんだろうと思います。
作品自体のテーマが「逆行」だし、柚葉の走りきった先にあるシーンは全部過去の話だからです。
柚葉が左から右に走っているだけで演出としてはシンプルなんですけど、過去のシーンが監視室みたいに出てきたり実際に逆行してるタケミチが最後に待ち構えていてテーマがはっきりとわかるのがマジで上手いな……と思います。曲も歌詞も良いし、OPと同じくこちらも本当に良いEDです。

最後になりましたがここまで読んでくれてありがとうございます。
自分はアニメのOPをめちゃくちゃ深読み(見?)するのが好きなのですが、実際に文字に起こしたのは初めてだったのでめちゃくちゃ表現するのに時間がかかりました。でも楽しかったので、また機会があれば他にも書いていきたいです。

それでは、10月の天竺編に向けて心臓を鍛えていきましょう。さよなら~。

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