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括りから抜け出してみる

世代の括りって、抜け出せるものだなぁと感じています。これは自戒を込めてなのですが、人はついつい時代や世代で人を一括りに語りたがります。けれど、一度ついたネーミングでその塊を見ると、中にいる一人一人の情報は隠れて見えなくなったりするものだと思うのです。それが行き過ぎると、もちろん差別にさえ繋がることがあると思い、気を付けるようにしています。

わたしは先日、フランスにお住いのoharicotさんとスタエフでお話しをしたのですが、その時、彼女のご両親のお話をお聴きしました。

彼女のご両親は80代で、世代で括るなら「戦後世代」とでもいうのでしょうか。ところが、生き方はまさに「Z世代」です。 お子さんの出産を機に、お母様が家庭に入られたというだけでも驚かれる時代です。

「えええ!?結婚してもお仕事を続けられてらしたのですか?」

と質問されるような世代の方です。

ところが、お母様は出産を機に家庭に入られるどころか、出版社でずっと働き続けられていらっしゃるのです。育児は?と気なりますが、大丈夫です。お父様が主夫になられたのです!

そしてお父様は常々ご興味のおありだった育児に専念されたのです。しかも、お父様がお好きだったのはジャンジャックルソーのエミールです。これぞまさに自分や家庭を大切にしたい「Z世代」の生き方です。

そんな方が手塩にかけて育てられたお子さんとわたしはたまたまスタエフで知り合い、そしてフランスと日本でお話しを何度もしています。はい、わたしもジャンジャックルソーに心を奪われた一人です。ご縁って本当に距離ではないのですね。

というわたしは、実に古風な家庭で育っています。母は主婦で家にいるのが当たり前、父は外で一生懸命働き続けた人です。実家では、女は余計なことは見ちゃいけない笑、知っちゃいけない笑、口にしちゃ嫌われる、そんな風に刷り込まれて育ちました。もちろん、用心深い女子に育ちました。

ところが、51歳で大学院に入った時、母世代の女性の先生の授業を受けたことがあるのですが、その先生も「Z世代」でした笑。国連で長い間お仕事をされてきた方ですが、

「わたしは一度も差別なんてされたことはありませんよ」

とさらりとおっしゃるのです。あれれ?この方は日本でお育ちになった方?と思うほど、自由で闊達、そして素敵な女性でした。

世代の括りや常識っていったい何なのだろうとよく思います。周りの人にとって当然のことを、全く意に介さない人が一定数います。これはわたしにとってはキラキラと光る希望のように思えます。

そういうわたし自身、両親や親せき、その他多くの人が持つ常識を、嫌になるほど丁寧に繰り返し刷り込まれ、その当たり前を脱ぎ捨てるのに、恐ろしく長い時間がかかっています。

ただ脱ぎ捨ててみると、気になるところが昔とは逆になっているのが面白いほどよくわかります。

そして生きやすくもなりました。

もちろん、今ではもう用心深すぎることはありません。走って転んで立ち上がるほど過去の自分とは違っています。

そして、わたしのハートは今や「Z世代」です。

そうそう、今度「Z世代」男子にStand.fmでコラボのお申し込みを頂きました。こんなことが起こるのですから、世の中は捨てたもんじゃありません。そういえば、その彼は世間で「Z世代」はもう紙の本は読まないとか、早送りで動画をみるとか、いろいろと決めつけられるけれど、僕は紙の本を読むし、ネットでもきちんと文章を書く人が好きですとおっしゃるのです。

色々な括りを脱ぎ捨ててみると、見える世界が変わってきます。

括りから抜け出せて幸いでした。


※最後までお読みいただきありがとうございました。


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