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【ワーママ転職活動記②】31歳、できることよりやりたいことを選んでみる

 ワーママ復職半年、転職活動をしました。自分の備忘のため、そして読み物として楽しんでもらえたらという気持ちで、何回かに分けて書いていこうと思います。
 それではお楽しみください~。
 ※身バレ回避のため一部フィクションとなっています。あしからず。



 秋の組織改編で異動した。初めましてのグループリーダーとの面談前、「will, can, mustを考えてきてください」と言われた。willは自分のしたいこと、canは自分のできること、mustは自分のしなければならないこと。

 willは、私は新卒から一貫して「研究成果の社会実装がしたい」と考えている。大学や企業では新たな発見がたくさん生まれている。それを社会に持っていくお手伝いがしたい。この大きなビジョンは新卒時からこれからもずっと揺るがないと思う。

 canは、民間企業相手のコンサルティング。今はプロジェクトリーダー補佐として仕事をしている。このまま現職にいれば、近々プロジェクトリーダーになるだろう。

 mustは、会社から要請されるもの。例えばスキルアップすること、営業すること、など。そして、会社の方針に従うこと。

 will, can, mustを考えてみると、あれ? 全部方向性がズレている……?

 新卒で今の会社に入って6年目、経験を積むなかでwill(自分のしたいこと)がどんどん明確になっていった。新卒時は「研究成果の社会実装がしたい」と、とても大きな粒度で考えていたが、様々なプロジェクトを経験し、医療・ヘルスケア分野→医療分野→医薬品→……と、自分の仕事をしたい領域が絞られてきた。しかし、canとmustのベクトルは、willと違う方を向いている。

 特にmust(会社からの要請でやらないといけないこと)が問題だった。現職では大きな柱の事業A, B, Cがあり、私はBをメインにしているが、人手が足りないとかでAとCの仕事にもアサインされる。会社という組織に所属しているのだから仕方ないのだけど、AとCはモチベーションが低いのでやる気にならない。
 ワーママは使える時間が少ない。今の私は時短勤務で基本9-16時、実働6時間である。その貴重な時間を、やりたくない仕事に割かなければならない。ここがかなりフラストレーションの溜まるポイントだった。

 can(自分のできること)も少し厄介で、このまま行くと私は「コンサルティングができる人」、いわゆるコンサルタントとして成長することになる。でもwill(自分のやりたいこと)が先鋭化していくにつれて、私はコンサルタントになりたいわけではない、と強く思うようになった。

 will, can, mustのズレに気付いた理由は大きく2つある。
 1つ目は、will(自分のやりたいこと)ドンピシャのプロジェクトにアサインしてもらえたこと。様々なプロジェクトをそれなりに楽しくやっていたが、初めて「このプロジェクトのためならいくらでも時間を割きたい!」「なんとしてでもこのクライアントの取り組みを成功させたい!」と思った。自分の働く時間を100%このようなプロジェクト100%に注ぎ込みたい。元々「研究成果の社会実装がしたい」とざっくり思っていたのが、このプロジェクトを通じて具体性が増し、willが先鋭化した。

 2つ目は、尊敬している上司の異動。夏まで一緒に仕事をしていた上司が昇格して、遠いところへ行ってしまった。その上司からは学ぶところがたくさんあった。プロジェクトリーダーとしてもマネージャーとしても能力が高くて、まだまだ盗みたいスキルがいっぱいあった。
 もちろん周りにも他に有能な先輩がいて、まだまだ学ぶべきものはあるだろうけど、その上司ほどの学びはない。その人と一緒に仕事できなくなってしまい、モチベーションがかなり下がった。
 私は「尊敬できる人がいるかどうか」をかなり重視していて、大学の学部のラボも、大学院のラボも、部活も、バイト先も、仕事も、尊敬できる人の側で学んできた。今の上司が離れてしまうなら、私は新しい「尊敬できる人」を探すタイミングかもしれない。


 will, can, mustがズレていると気付いても、ワーママには転職を渋る理由がいっぱいある。
・転職すると仕事が忙しくなる
 キャリアアップを目指す場合、通常は忙しくなるだろう
・パートナーの負担が増える
 仕事時間が増えて家事育児の時間が減るかもしれない
・子どもと一緒に過ごせる時間が減る
 寂しい、困る
・新たに人間関係を築くのは大変
 急な発熱でお休み、というのも気心の知れた同僚なら遠慮なく言えるが、信頼関係ができていないとハードルが高い
・周りのスピードに追い付けるか不安
 ワーママは独身時代のように時間は割けないので成長スピードが緩やかになるだろう

 ライフイベントとストレスに関する研究では、転職はストレスフルなライフイベントとして18位にランクインしている。 

出所:国立公衆衛生院 公衆衛生研究 第42巻第3号「ライフイベント法とストレス度測定」(夏目誠、村田弘)1993年


 一般的にはワーママに転職をおすすめすることはない。フルリモートや時短など自分の希望条件に合う求人があればいいが、なかなか好条件の求人はないし、手に職がないと難しい。手に職があり、それがwill(自分のしたいこと)と合致している人は最強だなと思うが、当てはまる人は少ないだろう。
 忍耐できる人はwill, can, mustが多少ズレていたとしても居心地の良い場所にいることは良い選択だと思う。ただ私は性格上、will, can, mustがズレているのを許容できなかった(イラチな大阪人なので)。

 ズレに気付き、まずは選択肢を棚卸した。
・残留
・退職(専業主婦)
・大学院
・転職

 残留は、前述の通りwill, can, mustのズレを許容できないので却下。

 退職(専業主婦)は、とても魅力的な選択肢に思える。今住んでいるマンションには幼稚園ママ軍団がいる。8時頃と14時頃、マンションロビーで談笑するママたち。私もああなりたい、と5mmくらい思っている。何より私はエン様と一緒に長い時間を過ごしたい。しかし、夫に「ずっと家にいたら発狂すると思う」と言われ、あえなく却下。

 大学院は、いつか行きたいと思っている。MBAかPh.D.か……しかし今住んでいる街にはそもそも大学がなく、首都圏の大学に通うには遠いので断念。

 となると、残る選択肢は転職しかない。

 こうして転職の一歩を踏み出した。willが明確だったからか、そこまで難航することはなく内定を2社からいただいた。どちらもぜひ働きたい、と思う会社。


 どこで聞いたのか忘れてしまったが「30歳は大人の子ども」らしい。社会人として認められる大人だが、まだまだ可能性が開けた子ども。
 今、私は31歳。これから少なくとも40年は働くだろう。妊娠出産でたしかに一度ブレーキを踏んだが、ここからずっとブレーキを踏んでいたら、やばい。どこかでアクセルに切り替えなければ。もう一度社会人2-3年目の時のようにアクセルを踏んでみたい、踏むなら今かもしれない、と思った。

 できることではなく、やりたいことを、次の職でやって行こうと思います。



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≪終わり≫


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