母の日と父。

こんばんは、もうすぐ母の日です。

世の中に少しづつカーネーション的な柄や

プレゼントを送ろう的なポスターが増えてきました。


うちの実家の話。

今から30年近く前、小学生だった私は

先生からの宿題で、母が喜ぶことや、好きな事をリサーチするよう命じれた。

父は自営業プラス副業的な事をしていて、あまり家に居なかったが

何故かその日は、家にいた
たまたまだろうが、とにかく居た。

父は、日頃家族とはほとんど話さないクセに、他人とは愛想良く話すタイプで

幼い私は、気が付いた時には怖い存在で…

いや、ちょっと嘘。

よく考えると、たまにふざけて遊んでたし、話もしてた気がする…。

でもまあ、昔ながらのお父さんでした。

そんな父がトイレに行った時や、席をたった時

お母さんに、なんとなしに、何が好きなの?とか

好きな洋服の色とか、とにかく聞けることは聞いてみた。

多分、母も薄々というか、完全に気づいていたと思う。

行きたいところは、レストラン

欲しいものはハンカチ

花束じゃなくて1輪がいいかな


よく覚えてるが、子供でも買えそうなもの、作れそうなものしか言わなかった。

夕飯が終わってこたつでゴロゴロしながら、母のお腹を枕にしてお腹の音を聞くのが好きだった。

通常通りの夕飯後、突然父は私に向かって

母の日に、母に感謝をするつもりか?と聞いてきた。


は?


先生には 内緒で。と言われていて、
まだ素直だった私は、

それは言えない。

とバレバレの文句しか言えなかった。

しかし

父は畳み掛けてきた。


母の日に感謝されたい母は、この家には居ないぞ。


もう全く意味が分からない。

宿題のことなんて忘れて
何故か涙が出ていた。


母は腹を出したままテレビを見ていた。

なんで?みんなありがとうを言う日って言ってるじゃんか!

1年に1回しか言わないような
薄いイベントの、ありがとうってなんだ。

そもそも親は感謝されたくて子育てなんかしてない。

子供は、日頃の親のサポートに対しての感謝は毎日でもしろ。それを言葉じゃなく行動で示せ。

宿題を済ませろ。次の日の準備をしろ。風呂で遊ぶな。早く寝ろ。飯はいっぱい食え。風邪は引くな。ゴミはゴミ箱に入れろ。蓋は最後まで閉めろ。兄弟喧嘩は短時間。

さだまさしやドリフでも言ってる様な事だ。

日頃からこの辺を気をつけてれば、感謝は伝わるもんだ。

だが、お母さんの日だからと言って、1日楽してね。ありがとう。

なんて、イベントで感謝が伝わると思うな。楽をするな。

ってな事を言われた。


挙句

腹を出したままの母に、

ありがとうって言われたいよね?

私にご飯作って欲しいよね?

と聞いた。

母は

ご飯を作って片付けもして、掃除や洗濯やってくれたら
嬉しいしありがたいけど、それなら一緒に作りたい。
けど、せっかくのイベントだし外食に行きたい気持ちもある。
だけど、財布を持ってるのは母で、会計も母がするわけ。
洗濯も干し方が甘かったらやり直しだし、寝た後にまた片付ける。と考えると、ここは一緒にやってもらえれば良いかな。


子供に言うセリフか!!!!
今となってはびっくりする発言の数々。

だけど母が、

スーパーのチラシを見せてきた。
ここ見て。と指さす場所には

Happy Mothers Day

幸せな母の日?

母は、

私なら

Mothers Happy Day

が良いと。

母達が幸せな日?

あんたたちが元気で生きてて、明日があったらそれで充分。

怒らないで、一日が過ごせたら、それでいい。と。

毎年母の日近くに思い出すこの記憶。


宿題の結果

母の日に ありがとうより

毎日ドリフでさだまさし

私は1年間、毎日の行動で感謝を伝えて、
母の日には、カーネーションを笑って渡して、明日からも頑張るよ。と伝えます。
Mothers Happy Dayにします。

と発表し

クラスの子達には、なんだそりゃ?
って顔をされました。

だけど、担任の先生からは、それでいいよ、今まで聞いた答えで1番かもしれない。Mothers Happy Day すごくいいね。

先生がすごく笑っていて、私ってすごいかも。って思いつつ
家に帰り、母に報告する。父もまたいる。IYAGARU。

俺のおかげな。

まあそうだけど。


その後10数年後、結婚式でもこの話をした。

私にとって、極端だけど格言的に残った言葉たち。

式で、相変わらずの父は

親族挨拶で、一言

感謝の手紙で感謝される筋合いが無い。
そんなつもりで育ててない。
自分の周りに感謝して生きろ。

母からは、今日はMothers Happy Day♪

それからまた10数年後の今日。


旦那の職場のイベントで、母の日の工作を集めているが
コロナで全然集まらないと連絡。

私は今、何故か母の日の工作をしている。

子供たちは、見ている。
母が母の日の工作を、父に言われて作ってる様を。


でも、頼まれた仕事はやるものなの。母はそうやって感謝を伝えていくんだよ。言葉も大事だけど、行動が大事なの。

と子供たちに伝えて、片手にほろ酔い。片手に折り紙。

老眼鏡が欲しい今日この頃でした。

なんか読みにくい文章だな。

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