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【ゲームバランス】①クソボスを作りたいわけじゃない【アクションRPG】

アクションゲーム好きの しーまうんてん です!

近年人気ジャンルのアクションRPGのレビューで、時折『クソボス』『クソモンス』といった言葉を目にします。

これらはターン制カメラワークが主な原因である事が多いです。

ただ、中には人によって意見が分かれ、対策を立てたりゲーム性を理解すると「実は面白いボスだった」と後から気づくこともあります。
今回はどこが『クソ』なのか言語化して、いくつか例をピックアップしてみました。

ゲーム開発者へのリスペクトを忘れずに、
最後はなぜ『クソボス問題』が生まれるかも考えてみます。



ターン制が守られていない

そもそもアクションRPGは、RPGから派生してきたジャンルなので、相手のターン自分のターン→相手のターン→…という順番を守る概念があります。

例えば「敵の攻撃」によって被弾か回避かが行われたあと、「回復」「自分の攻撃」のどちらかを選ぶとします。この時同時に2つ行動(回復した後すぐ反撃)してしまうと、自分のターンが終わっているにもかかわらず動こうとしたため、大抵間に合わず次の「敵の攻撃」を被弾します。
こういう場合は回復だけ行い、次の「敵の攻撃」の回避に集中する必要があります。

このターン制を完全に無視しているような動きの場合、大抵クソボスの烙印を押されます

いくつか例を挙げてみます。

①敵の攻撃の前隙・後隙が短すぎる

まともに攻撃出来るタイミングが少ないことを指します。難易度を上げるには手取り早いのですが、プレイヤー側の立ち回りの幅が広がりにくくなるため攻略が単調になりやすいです。
「難しいけどつまらない」みたいな状況を生みます。

③敵の行動を咎める方法がない

空を飛んでる敵や、遠距離攻撃する敵、攻撃後大きく距離を取る敵等です。
 こういった行動は大きな前隙や後隙が用意されているべきですが、それが無い場合も多く、プレイヤー側のみがリスクを負う形になるため攻略できません。

(今回はクソボスであってクソフィールドじゃないので、狙撃兵に狙われるエリアとかは含んでいません。こっちは多分レベルデザインの話。大抵頑張ると狙撃兵の背後をとれてストレス発散出来ます。)

④複数の敵が同時に行動する

片方の敵に反撃している最中(自分のターン)に、もう片方が攻撃してくるのでターン制にならないタイミングが生じます。

最近だと片方の敵が攻撃している間はもう片方は攻撃してこない、といった調整もあります。
ただ個人的に、こちらの反撃が終わるまでの間攻撃しないでほしいですね。既存のこういった調整は、反撃時間がほぼ無いか、本当に片方だけしか行動して来ないかで極端です。

カメラの限界

アクションRPGのほとんどは3Dの空間で立体的に戦っています。
ただし、ゲームのモニターは2Dのために、プレイヤーが視認可能な情報量が少なくなります。代わりに音響やUIなどで補強することもありますが、視覚情報が大部分を占めているのは事実です。

つまり、3Dのアクションは本質的にカメラ問題がついてまわります。

例えば鉄拳などは横からのカメラで敵との間合いを図りやすくなっています。
これをTPS視点にすると、敵の左右移動(鉄拳の横回避)が視認しやすくなったり臨場感も増したりしますが、間合いは図りにくくなります。

これによる弊害をいくつか挙げてみます

①敵が複数いる

カメラのフレーム内に敵全員をおさめ続けるのが困難なため、画面外から敵の攻撃が飛んでくることがあります。

大きな音で攻撃のタイミングが分かり避けるのも簡単、とかは実装例があります。

②設置技が見えない

画面外に設置技がある場合、ボスの攻撃を避ける方向によって被弾してしまいます。
複数敵の場合と同じようにイレギュラーが起きやすく、状況判断能力が問われます。

これもや、FPSだとグレネードなどの方向がコンパスのように表示されるUIで解決しようとする例があります。

③敵の動きが素早い

画面外に動きながら攻撃してくる敵はモーションの全容を捉えにくくなり、避けにくくなります。ターゲット・ロックオンカメラといった操作補助がある場合は良いですが、これが効かない場合(真上にジャンプしてくる時など)がたまにあります。
補助が効かなくなる時は自動的にカメラが引くといった別の補助が必要です。

※プレイヤー側の動き

バランス調整の一環で、ボス側ではなくプレイヤー側が、一部の武器や行動を極端に制限されることがあります。

プレイヤー側の攻撃モーション時間が長すぎる

特に武器コンセプトを発揮できないことが多いです。
必殺技のモーションが極端に長い、などは必殺技を当てるまでの攻略が無駄になり、単調になってしまいます。



アクションRPGのゲーム性を確認してみる

†アクションRPGのゲーム性と攻略

よほどゲームシステムが特殊で無い限り、
ゲーム性は
「敵に近ければハイリスクハイリターン、敵から遠ければローリスクローリターン」にあり、
攻略は
「敵の後隙が大きい技に、プレイヤーの大技を当てる(=ローリスクハイリターン)」となるような立ち回りにあります。

†敵の立ち回り強化と阻止

良ボスにしようとするなら、敵側が一方的に強い行動を出すには、相応のリスクや条件をつける必要があると言えます。

例えばプレイヤー側が敵からずっと離れていればローリスクローリターンとなり、大技が来た時だけ反撃すれば良い事になります。
開発側はこれを咎めるために、一定間隔で攻撃を入れないと敵側が「設置技」「後隙前隙の減少」をし始める、という作りにあえてします。

これは逆に『設置技を置かせないような立ち回りをプレイヤー側が可能である』ということです。
この場合はゲーム性と結びついて面白くなります

人によって意見が分かれるクソボスはこういうタイプの事が多いです。


クソボス問題を無くすには?

近年はターン制が高速化/複雑化する方向に進化しています。これは従来のもっさりとしたゲームスピードを改善して爽快感を重視したり、増えてきたアクションRPG同士の差別化の結果でもあります。 

開発者目線では、難しいことですがこの状況を踏まえた上で、ターン制やカメラ問題を考慮に入れてゲームを作る事が重要です。

プレイヤー目線では、負けた時でも敵の行動に対する捌き方を考えるような、忍耐力と発想力が必要です。そしてこれ開発側がターン制を意識した作りをしていることが前提にあるので、開発者とプレイヤーの間の信頼関係の上で楽しむことが出来るようになります。

以上、ざっくりでしたがクソボス問題についてのnoteをまとめてみました。

ありがとうございました!



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