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マクダウェル作曲 作品51 第1番「野ばらに寄す」

幼稚園で始めたオルガンレッスン。
小学生のころ、ピアノへ移行し、最初は楽しかったものの、次第にいやいや続けていました。
大好きだった教師が事情により途中で交代し、相性が良くなかったのも一因かもしれません。

中学生になり、レッスン中、教師の前で何も弾かないという実力行使に出て
ようやく辞めることができました。

しかし
今でも楽器の中では、ピアノやキーボードなど鍵盤楽器が好きですね。
イヤイヤだったとしても、心のどこかにピアノが染みついているのでしょう。

そんな中、Hooked on Classicsを聴いていましたら、
懐かしい曲がメドレーに入っていました。

マクダウェル作曲 作品51 第1番「野ばらに寄す」(森のスケッチより)

この曲は幼馴染が不慮の事故で亡くなった時、
その父親が弔いの際に自ら奏でたピアノ曲でした。

「あなたも弾いてみなさい」

そう母親からリクエストされて、やはりイヤイヤだったのですが、
わたしはこのしんみりとした短い曲を発表会で披露したのでした。

あれから50年以上を経て、改めて小品に向き合うと、
この少ない音数から、当時の記憶がするすると引き出され、
幼い時にはわからなかった、様々な想いや感情がこみ上げてきます。

もうちょっと、頑張ればよかったかな。
そうすれば
音楽でも自分の気持ちを表現できただろうに。

部屋にうず高く積まれたCDの山。
ハードディスクに収められた何千もの曲。

冷たい雨がそぼ降る日は
気がつくと運指のまねをして、
満たされることのない音楽への渇きを、
密かに感じていたりします。

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