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🐈図書館員 布施真理子の日記

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🐈気まぐ連載。主人公は映画監督の布施理恵子の妹である。あらすじ〜女性エッセイストの瀬山くり(女性エッセイスト、作家)の大ファンのフセマリ。ファンレターやSNSでメッセージを送って… もっと読む
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🐈 気まぐ連載小説/図書館員 布施真理子の日記 5

5、 「せ、先生」 思い切って。 「んー?何ー?あ、でもその“先生”ってやめて。何かさー、カタっ苦しいのわたしダメ。だってさ、何かはじめましてで何だけど、もうさ、お茶飲み友達じゃん?わたし達。だよね?だってさ、ここの紅茶美味しくない?美味しいよね?あー、もう一杯飲みたい。早くホットサンド来ないかな…待ってらんないだけど。で、何?何か言いたい事あるの?でもさ、まずホットサンド来るの待ってくれない?美味しいんだから!でさ、何か絵が良いのよ、絵が!絵っつーか、何?皿?盛り付け

🐈 気まぐ連載小説/図書館員 布施真理子の日記 4

4、 「でしょ?ねぇ?やっぱ美味しいって!ねー?やっぱり?ねぇ!わたしの舌って確実ねー!つーか、味覚?もう研ぎ澄まされちゃって研ぎ澄まされちゃってさー!アーッハッハッハ!ねぇ?仕事柄もあるし。ねぇ?この仕事ってさあ?天職?何かもう、神が与えたもうたわたしだけの商売ってやつ?知らないけどさー。ホホホ!ねぇ?あー、ホットサンド食べたくなって来た!ねぇ、布施さん!ホットサンドも美味しいよ!食べる?わたし絶対ここ来たら食べるの!んでね、時にはもう夕食抜いたって食べるんだから!アーッ

🐈 小説 図書館員 布施真理子の日記 3

3、 「お持ち致しましたー!」 びゅん!本当に。何か風まで出て。それがちょっとわたし、少し可笑しくて、小さく笑ってしまいました。わたしの前に置かれた紅茶。アールグレイ…瀬山先生のお気に入りのお茶です。わたし、同じ物頂いていいのかしら?そんな緊張感が、カップを持とうとする指の震えになって出てしまい。すると、瀬山先生、眼鏡が下にズレてて…それがわたしを覗く様な窺う様な…益々緊張。 「布施さん」 「はい」 「美味しいよ。飲んでみて。それでね、あ、砂糖、ミルク、いる?これっ

🐈 小説 図書館員 布施真理子の日記 2

2、 嘘みたいなこんな経緯がありまして、わたしは瀬山先生とお会い出来ました。瀬山先生の選んだカフェで。素敵…そして呆然…憧れの先生のお気に入りのカフェでお会い出来るなんて…ごめんなさい、思い出しただけでも震えるんです、指が。 このお店の名前、本当は書きたいんですが、これ、書けません。何と言っても先生の寛げるお店、公表したら先生がお休み出来ませんもの。でも、雰囲気だけでも伝えたい!だからわたし、勝手に違う名前、付けちゃいますね。 『おやつの鈴』 ほぼ本当のお店の名前。け

🐈 図書館員 布施真理子の日記 

はじめに わたしは作家の瀬山くりさんの大ファンです。それだけです、だとよく判って貰えませんので、もう少し書きます。何でこの個人的な日記を出版する事になったのか、説明したいのです。 わたしは余りに瀬山さんの大ファン過ぎて、ファンレターを送ったり、SNSでイイね沢山押したりしてました。すると瀬山さんから奇跡的にお返事を頂いたのです。心臓が飛び出るぐらい驚いて嬉しかったです。その内容、全部書きません。けれど、少し書きます。 “布施さん、あなたの文章って独特です。もしあなたにその