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おとりよせ嬉しい

覚えている限り、お取り寄せをしたのはこれで2度目だと思う。
1回目は仙台 利久の牛タン。
仙台旅行に行ったときあまりのおいしさに帰宅後すぐ取り寄せた記憶がある。
2度目の今回は鳥取の新甘泉。声に出して言うと絶対に思い浮かべる漢字はこれではない梨。

夫と車で出かけたとき"梨もぎとり"という看板を見つけた流れで「いちばん美味しい品種はなんだろうね、幸水は有名だよね。でも少し酸っぱい気がする。もっと甘いのないのかな?シャリシャリで甘くてみずみずしいやつ」と言って調べたところヒットしたのだ。

それからというもの、気になって気になってついにはお取り寄せしてしまった。

お取り寄せ、嬉しいよね。
仙台から、鳥取から、おいしいものが私たちを目掛けて私たちのためだけに来るんだもん。

新甘泉は注文してから1ヶ月待ってやっと届いた。
2キロ程度のちょっと重い箱を開けると想像より多い数の梨と目が合う。

お取り寄せの極意、商品の説明カードを愛おしく読んでから、夫に「届いたよ」と写真付きで連絡。

箱を開けるだけで甘いにおいがする。
蟻来ちゃうんじゃない?と心配になり冷蔵庫の野菜室にしまう。
ちょうど母が家の近くまで来ていたので呼びつけスタバの紙袋に2つほど入れて手渡す。おいしいものは共有したいタイプ。

午後は梨のことばかり考えて仕事が手につかない。
美味しいといいなー、甘くてシャリシャリかな?
シャリシャリ通り越してジャリジャリだったらちょっと嫌だな。
でもフカフカよりはジャリジャリの方がいいか。

そんなことを考えながら辛抱強く夫の帰りを待つ。
サッとごはんを食べ、サッとお風呂に入り、ホカホカの体をすこし扇風機で冷やしてから足早にキッチンに向かう。
梨やリンゴを剥くのは夫の役割なので、私はソファで待つ。

フルーツを盛るのに最適な皿に切られた梨が大雑把に並び楊枝をふたつ刺して出てくる。

ひとつずつ手にとり、ひとくちずつ齧ると、
まあなんと美味しいことか。
気の利いた言葉など出てこないほど美味しい。

「うまっ!?」「すごい!すごいね!?」
「ジューシー!」「シャリシャリで甘い!」
「こんなに甘いの!?」と話してるうちにあっというまに皿が空っぽになる。

皿が空っぽになると同時に、心の中で「9つもあって食べ切れるかな…」と心配していた私の方に手を置くのであった。

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