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テキストCEO。

なんやそれって思いますよね。わたしも思いました。

わたし「なんか最近、あらゆるところのテキスト調整が入って来すぎなんですけど……」
CD「仕方ないよ。テキストCEOなんだから」
わたし「なんですかその弱そうなCEO」

(CD=クリエイティブディレクター)

という会話がありまして。
できればもっと強そうで、高給とりそうなCEOにしてほしいです。

ところで、そんなCEOが必要なくらい、ゲームの中にはいろいろなテキストが入っています。入り乱れています。

①シナリオ、ストーリー関連
②アイテムなどのゲームシステム各種用語、各種説明
③ヘルプ、TIPSなどの各種説明
④システム系
⑤運営系

血液型くらいざっくり分けると、だいたい上記5系統でしょうか。
……多いですね。すでに文字の海の幻が見えます。

昨今はUI方面でもストーリー方面でも「ノンバーバル(非言語)コミュニケーション」視点がより強く求められることが多いですが、情報量が多ければ多いほど、やはり言語/テキストは欠かせないツールとなってきます。
(単に「モノの意味を伝える記号」というラベル的意味合いだけでなく、架空世界を作るにあたり「言葉によって世界は分節化され、認識される」という部分においては元より)

さて、自分は以前から、④(システム系)以外のテキストをおおよそまるっと面倒を見てきましたが、それが可能なのは「コンシューマのゲーム(運営無し)」か「あまり大きくないパッケージのアプリ、ゲーム」の世界だったなあ……としみじみ思う今日このごろです。

今回自分は①〜②で手一杯。なのですが、それでもリリースが近づくに連れ、プラスPR用として、様々なテキスト作成をリクエストされたりもします。WEBやら広告やらコンテやら、なんかもうモリモリ作成や要確認タスクがやって来ます。時に肝心のストーリー作ってられないくらい来ます。

そういうてんてこ舞いシーズンの中、別のセクションで急ピッチで
③(ヘルプ系)や、⑤(運営系)が作られていきました。

みんな、テキスト作ってくれてありがとう……

気持ちは感謝いっぱいです。全部やってた身からすれば、やった!まじか!ありがとうございます!なんです。なんですけど、人がそれぞれバラバラに書くと、それはやっぱり、バラバラになるんですね。

ある程度の指針や枠組みを決めていたとしても0から1のところだと、どうしてもかなりのバラつきが出てしまう。
やっぱり普段使っている言語なんで、文章にするとその人の癖というか、普段の視点や感覚……あるいは温度みたいなものがどうしても入ってきてしまう。これは仕方ないです。そして書き慣れてない人や読み慣れてない人は、その癖のようなものを見つけるのが難しいので、排除するのも難しい。

なのでバラバラに出来上がったテキストは、同じトーンに均していく工程が、やっぱりどうしても必要になるわけです。
さらにトーンと言ってもすべて同じではないので、各所のトーンとトーン、マナーとの組み合わせも見て、なるべく違和感の無いようにしたい。(多少手を入れられない区域もありますが、出来るだけ……)

そこまで行ってようやく、実使用に足るテンプレートが出来るので、しんどくてもここだけは通らないといけない道、ではあります。
そしてテンプレートができれば0から1の作業ではなくなり、いろんな人が書いてもトーンが揃ってくる(はず)ので、あとは校正とかデバッグの世界なる(はず)。これで③(ヘルプ系)⑤(運営系)は、もうCEO関係ない世界なる。よかた。

「えー、別にそんな道、通らなくてもいいじゃん。意味通じればそれで」

というようなご意見もあるでしょう。
ただ自分が、ゲームやったりアプリを触っている時にそういった「極雑ローカライズテキスト」などを見るとこめかみとか目頭から血が吹き出しそうになるタイプなので、そちらの道をゆくことが出来ません。

……む? 着地点も決めずにつらつら書いてましたが、そうか。
それがテキストCEOなのだな。

「ちゃんとしてないと(テキストが)」
「えらく」
「おこ」

最高経営責任者、関係なかったか…… そうか……



とは言え、実際現場で粗雑なテキスト見つけた時は、怒るのでなくあきれちゃう方です。「うわ〜まじか〜……」とつぶやいてます。
リリースまであとすこし。がんばるです。
(いや、リリースしても続くんだけど)



おかしかっていいですか。ありがとうございます。