正欲
皆さん、「正欲」という小説を読んだことはありますか?
現在2023年12月31日。
どうやら実写映画もやっているようです。
映画化される前から買ってはいましたが、積読本リストに入っていたので、
冬休みを機に読みました。
”せいよく”という単語を聞いた時、
ふと頭に思い浮かぶ単語は「性欲」ではないでしょうか。
人間の三大欲求でもある、あの性欲です。
ですが、タイトルは「正欲」です。
私がこの小説を読んで抱いた感想は、
世界は全てが主観に包まれているんだろうな
ということです。
※この先は内容を少し含みます。まだ読まれてない方でネタバレNGの方はお気をつけ下さい。
※著書の解釈はあくまでもまえだの解釈です。
多様性ってなんですかね。
Chat GPTに聞いてみたところ、こんな回答が返ってきました
現代では女性の権利、性的マイノリティの文脈で耳にする単語でもあると思います。
著書ではこの多様性に一石を投じています。
「多様性とは出来るだけいろんな価値観を享受しましょう、でも極めて異端なものは省きましょうという概念になっているのではないか。」
私は学部が国際系で留学生も多数在籍しているため、色んな人と話したことがあります。
その分だけいろんな価値観に触れてきました。
著書では特殊性癖が1つのテーマになっています。
手を進めながら思いました。
「多様性ってなんだろう。インクルーシブってなんだろう。」
私は生物学的な男性も女性も平等に権利を持ち、機会を受容することが当然であるべきだと思います。
LGBTQA+も差別されるべきではないでしょう。
ですが、これって自身が信じる「正しい」にカテゴライズすることと同義で、どこかで勝手に「正しくない」方にカテゴライズしていることもあるのでしょう。
私は生物学的には男性で、女性の方を好きになる異性愛者で、世間的には大多数に属するのでしょう。大多数に属している私が「正しくない」とカテゴライズして、その区分を助長して、そこに住む人を異質だとラベル付けして。
果たして私は多様性を尊重して生きている、と言えるのだろうか。
そもそも”正しい”とか”正しくない”って誰が決めれるのでしょうか。
今そうやって考えられてることって、誰が権威を持って決めたのでしょうか。
つまるところ、この世界は主観に包まれている気がします。
正直、私は「正欲」を自身の腹に落として、噛み砕いて、これから生きていけるか自身はありません。
理解するには経験も考えも、何もかもが足りません。
いつかまた、今までしたことない経験をして、
その時に「正欲」を読んだらどんな感情を抱くのだろうか。
不思議な気持ちになります。
2023年最後にとても良い小説を読めて幸せです。
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