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経営者に気を付けて欲しい高度障害保険金の受取。原則非課税。ただし課税される場合も。

こんにちは、ユナイトnote担当です。

高度障害保険を契約されていますか?
死亡を保障する生命保険では、所定の高度障害状態になっても保険金が支払われることもあります。
今回は高度障害保険を取り上げます。

■高度障害保険

まず高度障害保険の概要です。

▼単独での契約はありません。

定期や終身の死亡保障の保険では、死亡と高度障害が保障されていることが多いですが保障されていない場合もあります。
特約とは違い、付けたり外したりと選択することはできません。
数年前に法人向けの保険で流行った災害保障保険でも、各社の保障内容が異なりました。

▼受取人は誰でしょうか。

保険会社や商品によって対応が異なります。
契約者・被保険者・受取人いずれもあるようです。
約款を確認いただくか保険会社に問い合わせてご確認ください。
また、高度障害状態のため、本人が申請できない場合に、代理人請求をすることも考えられます。
その場合は、代理人が受け取ります。
受取方によって資金の使い方や受け取るべきかどうかも変わってくると思います。

▼受け取った後の保険はどうなるのでしょうか。

死亡保障が主契約の場合、その契約は消滅します。
死亡保障と併せて受け取ることはできません。
死亡保障が特約であれば、その特約のみが消滅となるはずですが、詳細は各保険会社にご確認ください。

■対象の身体状態と認められたときに支払われます。

高度障害保険金は、以下のような重度の障害状態が一生涯続くと医師によって認定された場合に支払われます。
保険会社によって差異はあるようですが、症状としてはかなり重いものです。

高度障害保険金の受取対象となる高度障害状態
両眼の視力を全く永久に失ったもの
言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
両上肢とも手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
両下肢とも足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの

高度障害保険金を受け取れるのは、どんなときなの?|生命保険に関するQ&A|生命保険Q&A|生命保険を知る・学ぶ|公益財団法人 生命保険文化センター (jili.or.jp)より引用

■保険金の所得税は非課税です。ただし…

高度障害保険金は、所得税や住民税は非課税です。
以下に所得税基本通達の該当箇所を引用します。

(身体に損害を受けた者以外の者が支払を受ける傷害保険金等)
9-20 令第30条第1号の規定により非課税とされる「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」は、自己の身体の傷害に基因して支払を受けるものをいうのであるが、その支払を受ける者と身体に傷害を受けた者とが異なる場合であっても、その支払を受ける者がその身体に傷害を受けた者の配偶者若しくは直系血族又は生計を一にするその他の親族であるときは、当該保険金又は給付金についても同号の規定の適用があるものとする。
(昭55直所3-19、直法6-8、平元直所3-14、直法6-9、直資3-8、平23課個2-33、課法9-9、課審4-46改正)
(注) いわゆる死亡保険金は、「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」には該当しないのであるから留意する。
(高度障害保険金等)
9-21 疾病により重度障害の状態になったことなどにより、生命保険契約又は損害保険契約に基づき支払を受けるいわゆる高度障害保険金、高度障害給付金、入院費給付金等(一時金として受け取るもののほか、年金として受け取るものを含む。)は、令第30条第1号に掲げる「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」に該当するものとする。
(昭55直所3-19、直法6-8、昭57直所3-8、平元直所3-14、直法6-9、直資3-8改正)

〔証券投資信託の収益の分配(第11号関係)〕|国税庁 (nta.go.jp)より引用

令第30条第1号はこちらのe-Gov法令検索をご覧ください。

ただし、相続税や贈与税に関しては課税される場合があります。
受取った時点で受取人の財産になるため、相続時には単なる現預金として扱われます。
この場合は、保険金の非課税枠もありません。
また代理人請求をし、本来の受取人以外が本人のため以外に使用した場合には、贈与として扱われる可能性もあります。
注意が必要だと思います。

■あえて高度障害保険金を受け取らないことも考えられます。

その保険が相続関連の対策を目的としていた場合等には、高度障害保険金を受け取ってしまうと、目的にそぐわなくなってしまうことも考えられます。
そのため高度障害保険金を受け取らずに、亡くなってから死亡保険金を受け取ることも考えられます。

また高度障害状態になった時に、対策を考えていたご本人が意思を示せるかはわかりません。
代理人請求を利用することも考えらます。
どのような目的での加入なのか、どういった対応を望むのかを、関係者にはわかるようにしておくことが望ましいと思われます。

■法人契約だった場合、受取人が誰かが特に重要です。

法人契約の場合、もし法人が受け取る場合、一般的に法人税がかかります。
被保険者が受け取る場合は、所得税は非課税と考えられます。
この場合、その保険金は法人には必要ないのか?が問題になります。
また被保険者の相続の問題も考えられます。

■まとめ

高度障害保険金について取り上げました。
基本的に所得税は非課税ですが、残ったお金には相続税がかかります。
また、使用状況によっては贈与税がかかる可能性もあります。
保険の目的に応じて、受け取るべきか否かを考えていただくことをお勧めします。

お忙しい中、最後までお読みいただきありがとうございました。

※記事内容の正誤に関わらず、読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

※私なりに言い換えた表現を使っているものもあるため、より正確な内容を知りたい場合は以下の■参考などをご覧いただければと思います。


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■参考

▼国税庁

〔証券投資信託の収益の分配(第11号関係)〕|国税庁 (nta.go.jp)

疾病により重度障害となった者以外の親族が保険金の支払を受けた場合|国税庁 (nta.go.jp)

▼生命保険文化センター

高度障害保険金を受け取れるのは、どんなときなの?|生命保険に関するQ&A|生命保険Q&A|生命保険を知る・学ぶ|公益財団法人 生命保険文化センター (jili.or.jp)

▼e-Gov法令検索

所得税法施行令 | e-Gov法令検索

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