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デザインつぶやき講座 Vol.6:レトロブームの背景について

ユニゾンのクリエイティブ担当の林です。
9月に入り、少しは暑さも和らぎ涼しい風を感じるようになってきましたが、皆様がお住いの地域はいかがでしょうか?

前回の記事はこちら↓

今回は、昨今Z世代など若者の間で話題のレトロブームについてつぶやこうと思います。

なぜこんなにもレトロブームが起こっているのでしょうか?
Z世代の一人たる私の経験も交えつつ、探っていきたいと思います。


レトロが流行っている理由


①映えるから

SNS、特にインスタグラムの普及により「映える(ばえる)」色遣いが注目されるようになりました。

レトロデザインは鮮やかでポップな色使いが特徴で、「映え」との相性が良いのだと考えられます。

ここで、最近流行りのレトロデザインの特徴を挙げてみます。

  • ちょっと癖のあるフォント

  • 素材感(アナログっぽさ)の演出

  • ピュアな白黒や原色をあまり使わない。ややくすんだ優しい色(しかし濃い)

  • ネオンカラー(シティポップ系の場合)

総称してレトロとくくられることが多いですが、昭和(明治までさかのぼることもある?)初期~後期と幅広いため、特徴は様々です。

「the 古き良き!」な、くすみっぽいレトロデザインもあれば、シティポップデザインのような、ネオンカラーをメインとした、都会やリゾートのような非日常感あるオシャレさを演出したデザインもあります。

特に、シティポップデザインのネオンカラーがSNSの「映え」と相性が良いのでレトロデザインの中では一番人気な印象があります。

全体的に、当時のレトロデザインをそのままそっくり採用するというよりは、現代の要素と組み合わせた洗練されたデザインとなって生まれ変わっているように見えます。

くすみ系 著作者:dgim-studio/出典:Freepik


Citypop(ネオン)系 著作者:vectorpocket/出典:Freepik

■レトロデザインの取り入れどころ

  • WEBサイト

  • CDジャケット

  • カフェ

  • ファッション(特にKPOPファッション)韓国ではニュートロというジャンルがあるくらい

  • おやつ

  • 居酒屋

ネオンで飾られた居酒屋も最近多いですよね。

特に韓国料理や台湾料理など、アジア系のお店のにぎやかな雰囲気と、カラフルなネオンのライトとの相性が良いですよね。

かつて昭和時代に流行ったフレアパンツ(裾が広がっているパンツ)を着ている方も、最近よく見かけます。

私も祖母からのおさがりの柄シャツを大事に大事に着ています(笑)


②エモいから

最近よく耳にする、「エモい」という単語。

エモいとは、懐かしい、センチメンタルな気分になる、心地が良い…など、(主にプラスの意味で)感情が揺さぶられることを意味します。

今のZ世代にとっての「エモい」トリガーですが、これがレトロブームと関係があるように思えます。

なぜなら、今のZ世代の方の親御さんが生まれた世代のほとんどが昭和(だいたい1960年代~)で、小さい頃から、親御さんが聴く曲や物、写真、思い出話などに触れてきたからではないでしょうか。

我々Z世代は昭和という時代を生きたことがないけど、家族からインプットするうちに、その時代に懐かしさや憧れを覚えるようになるのではないかと。

ちなみに私は小さい頃から、両親がいつも聞いている昭和のポップソングを聞いて育ちました。

また、祖母とも一緒に暮らしていたのもあり、昭和の曲やアイテムには一通り触れてきて、そのアナログの温かみにいまでも何とも言えない心地よさを覚えます。

小さい頃には受動的に聴いていた昭和ソングを、今は自分から求めて聴くようになっているのですよ。うーん、エモい‥!


③お腹いっぱいだから(抽象的…😂)


スマホ一つで何でもできる時代になり、デジタル技術が目まぐるしく発展していく一方で、その変化のスピードが速すぎることや、時として過剰なまでの便利さなどに疲弊してしまう方も多いのではないでしょうか。

人間は新しいものに触れると、ある段階でノスタルジックへの揺り戻しが働くそうです(水野学さんの「センスは知識からはじまる」より)。

そして、そんなZ世代でいうノスタルジックにマッチした時代が、レトロ(昭和)時代なのだと思います。

一旦SNSから離れて、アナログな人との付き合いにシフトしてみたり‥というのは私もやっています。

ただ、PCやスマホをまるまる手放す‥といった極端な思考というよりは、「これってデジタルでもいいけど、これはアナログの方が良いよね」といった風に、現代と昔の良い面をミックスしていることが多いのではないでしょうか。

例えば、書籍でいうと紙派か電子派か。

私は基本的に紙派で、ページをめくる感覚や、紙の質感に触れるのが好きで紙の書籍をつい買ってしまいます。

ただ、1回さらっと読めればいいかなと思うビジネス書などは電子書籍で読むことも多いです。

一回読むためだけに本買って、後で行き場をなくして捨てるとか、メルカリに出すなどという手間を考えると、電子の方がキャッチアンドリリースしやすいし精神的に楽かなと。

両者のいいとこどりをしています。

いかがだったでしょうか?

このように、レトロブームは、単にデザインなどの見た目だけでなく「直接的な関わり合い」や「心地よい不便さ(あえて時間をかけること)」などの行動スタイルなども総合的に見た結果、多くの若者の支持を得ているのではないかと考えました。

行き過ぎた現代からのささやかな抵抗や脱却、アナログへの心地よさを求めた結果、レトロなものに惹かれるのかもしれません。

デザインを考える際は、ターゲットとなるユーザーの間でトレンドとなっているものの理由を深掘ってみると、何かしらヒントが得られるかもしれませんね。

次回のDつぶもお楽しみに。

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