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生きづらいなって感じてる人に手を差し伸べてあげられるようになりたい人

まるでひどい悪夢でも見ているような。ひどく悪い夢を深夜に見て汗をだくだくだくかいてしまったような。悪い夢を夜通し見たのか見てないのかわからないけれどもわかるかわからないかわからないけれどもでも、見たに違いないと思うような。
尋常じゃないほどの悪夢を見たのかもしれない、そうでもないのかもしれないし、そうだったかもしれないほど、悪い、夢の、晩も、あったのかもしれないと。そうだな、夢、悪い、夢、そうだ。そうに違いないね。
夢だったかもしれな。
悪夢に違いなかったかもしれない。
すぎてしまえば、もう起きたことすら、忘れられるかもしれない。
でも、やっぱり、悪夢に違いない。
夜もすがら、見てしまった悪夢も、朝になれば忘れられるかもしれない。
でも覚えてるかもしれない。
あれは悪夢だったのかもしれない。それは、でも、どうだろうか?
悪夢に違いないと思う。
悪夢に違いないと思う?
悪夢に違いないと思う!
散弾銃を構えて家にやってきた強盗が、私の家を荒らす。
今晩も! 無名人インタビューよろしくお願いいたします!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは ゆとりか さんです!

バーとの出会い

オンキ:りかさんの今の状態、今どんなことをなさってらっしゃるのか、どんなふうに感じているのか、そこから伺っていいですか?

ゆとりか:そうですね、はい。私は今、デザイナーと兼業でバーテンダーをしていて。今の状態としては結構毎日忙しくしている状況で。ちょっと疲れてきたかなっていうのはあるんですけど。まあ充実した日々を送っているという感じですね。デザイナーの仕事は大体6時間から6.5時間。選挙に出る政治家さんとかのビラとか、広告とかに関連するデザインだったりとか、そういうのをやってますね。で、夜のバーテンダーの仕事が平日は3時間で、土曜日だけ8時間って感じですね。

オンキ:夜8時ぐらいから11時、みたいな感じですか?

ゆとりか:あ、そうです。

オンキ:で、とても充実してると。

ゆとりか:まあそうですね。覚えることもたくさんあるし。勉強することもたくさんあるし。

オンキ:それはデザイナーの方でもバーの方でも?

ゆとりか:まあデザイナーはそんなに重いタスクがないので、覚えることはそんなにないんですけど。バーの方がかなり結構、覚えることがたくさんあるので。

オンキ:それはお酒のことですか? 接客のことですか?

ゆとりか:お酒も接客も、どっちでもですね。

オンキ:それを学ぶ先生、メンターにあたる人っているんですか?

ゆとりか:普通にバーの店長ですね。

オンキ:ふうん。前職では、割とブラックな店で働いてらっしゃったみたいですけども。今回の店はよくて、店長の方の人間性もよろしい感じなんですか?

ゆとりか:そうですね。ちょっと理屈っぽいなって思うとこあるんですけど。それでも、いろいろ教えてくれるし、自分にはない考え方をしてらっしゃる方だから、勉強にはなりますね。

オンキ:少し年齢は離れてるんですか? 店長さん。

ゆとりか:もう30歳ですね今年で。

オンキ:全然若いじゃないですか。

ゆとりか:若いです。うんうん。

オンキ:自分のお金でお店を持たれたオーナーでらっしゃるんですね。早いですね。

ゆとりか:どうなのかな? 26歳ぐらいから、他のお店もやってて。バーに転身したのが28歳ぐらいのときなのかなと思いますね、おそらく。

オンキ:それで、きちんとした自分の哲学を持ってらっしゃるってことですね。

ゆとりか:そうですね。めちゃめちゃ頭いいですね。学歴とかじゃなくて、考え方とかすごいしっかりしてる、というか隅々まで考えられてて。私はそれ結構難しいなって感じるから、今ちょっと苦しんでるんですけど。

オンキ:すごいきちんとした方なんですね。じゃあ収益のこととか、お客の中にどこまで踏み込んでいいのかとか、ちょっと危ないからそれなりに対応しようとか、自分なりのルールもしっかり持ってらっしゃるんですか?

ゆとりか:ああ、そうですね。こういったお客様にはこういったものを進めたらいいとか。お客様に対して、どういうスタンスで接していくか、バーテンダーの仕事っていうのは、お客様に対して新しい経験をさせてあげることって哲学があって。そのためにいろんな手段を使って達成するっていうのが、やり方としてあって。「常に目的を見て」って言われてますね。

オンキ:ほお。

ゆとりか:「1回の接客でお客様に新しい経験をさせるっていう目的を達成するために何ができるか、そういうのを考えながら行動して」って言ってますね。

オンキ:一番の目的を設定したら、手段とか途中でやることが明確になっていくってことですね。

ゆとりか:まあでも、それを達成するためにはなんでもいいとは言ってましたけど。なんか、私はまだそれが微妙にわかってないので。まあまあ苦しんでますけど。

オンキ:まあまあ苦しんでいる。でもその苦しみの前にまず、りかさん自身がバーっていう空間で素敵な体験をしたからこそ、バーに惹かれたんですよね?

ゆとりか:はい、そうです。はい。

オンキ:「バーってこんなに素敵なところなんだ!」の初体験、扉が開いた時のことを伺ってもいいですか?

ゆとりか:そうですね。初体験としては、友達になった人がやってるバーがあって。そこで初めてバーっていうものに触れたんですけど。そこはかなりカジュアルなバーなんですけど、すごい心地いい空間で。お酒とかいろんなものが飲めるって、それはそれで素敵なんですけど、やっぱりそこにいる人たちのコミュニケーションだったりとかが素敵だなと思って。すごい居心地が良かったんですよね。

オンキ:なるほど。

ゆとりか:まあ第3の居場所じゃないですけど。そういう居場所感っていうものが感じられて。それがすごく良かったので。私もこういったことに関わりたいな、と思ってバーテンダーを志した感じですね。はい。

オンキ:サードプレイスになる場所って、常連の方がいつも同じ顔ぶれ、同じ席、みたいなことよくありますけど。新しい経験ってなると、本当に、初めて出会う人、会えるはずのない人、話せるはずのない人とのコミュニケーションみたいなのも含まれると思うんですけども。そのところで居心地の良いコミュニケーションっていうのはどんな感じだったんですか?

ゆとりか:居心地の良いコミュニケーション。そうですね。その場では結構、友達みたいに接してくれるというか。割とフランクに接してくれるというか。で、あとは常連さんばっかりじゃなくて新しい人とかも入ってきたので、そういう人たちとも話せるしっていうことで、居心地いいなって思ったのと。あとはその店以外にも結構、いろんなバーに行くの好きで。そこで新しい人と出会って話したりとか。そういったことをするのも好きで。それもまた新しい経験なんじゃないかなと思います。で、あと新しいお酒との出会いですね。新しいお酒とかドリンクを飲むことによって、やっぱり自分の中で知識が積み上がっていくっていうのが楽しいから。そういったことが新しい体験なのかなって思います。新しい経験をお客様にして頂くためのお手伝いというか、そういうのを積極的にやってってねっていうのが多分、店長の考え方なんじゃないかなと思っておりますね。

オンキ:店長と2人でカウンター内に立ってることが多いんですか?それともある程度まかせてもらって、時々、状況を見てもらうって感じですか?

ゆとりか:ええと、店長と2人で立ってますね、今は。私、まだ入って大体3ヶ月未満ぐらいなので。でも、たまに店長が遅刻してくるときがあるんですよ。そういうときは私1人でカウンターに立ってなんとかしてますね。あはは。

オンキ:なんとかしてる。その、なんとかする時間は結構長くなるんですか?

ゆとりか:いや、そんなには長くなんないですけど。でも1回めちゃめちゃ長くなったことがあって。なんか3時間ぐらい、店長が結婚式の2次会から抜けれなくなっちゃって。それで3時間ぐらい私が1人で6人のお客様に対応してたってこともありましたね。なんとかなりましたけど。

オンキ:冷や冷やもんでした?それとも逆に楽しかったですか?

ゆとりか:うーん、楽しかったけど結構冷や冷やしました。あははは。

オンキ:自信に繋がりますよね、そういうの。

ゆとりか:そうですね。私が紹介できるお酒とかはまだ限られてたので、ちょっとそこは難しかったなって思いますけど。でもある程度カクテルとか知ってたので、お出ししたりしてましたね。

オンキ:提案っていうか、お客さんが今これ飲んでて、こんなお話してるから「こういうの試してみます?」みたいなおすすめもするんですか?

ゆとりか:あ、そうですね、そんな感じですね。今どういうの飲まれてるんですか?って聞いて、それだったら次こういうのもご提案できるんですけどいかがですか?みたいな感じで。


ゆとりかさんのこれまで

オンキ:では、デザイナーとバーテンダーになる前の、そこに至るまでのりかさんの事を伺いましょうか?

ゆとりか:そうですね。なんか小さい頃とか、結構わりかしいい子で。それで、親とか先生の話をずっと聞いて、それに従って生きなきゃいけないっていうふうに、人生のレールから外れたら終わりだっていうふうに思って生きてきたんですけど。18歳でまあ病気になって。そこから自分の考え方とかが変わって。なんか自分、すごい、なんだろう考え方的に無理してたし、環境もあんまり良くなかったんだなって思って。で、そこから脱する努力をして。で、紆余曲折して、今に至るっていう感じなんですけど。

オンキ:「病気になった」って軽く言われましたけども、病気になった自分の原因を、結構頑張って探求したんじゃないんですか?

ゆとりか:そうですね、はい。病気っつっても精神系の病気だったんで。なんだろう。普通に家庭環境が悪かったな、っていうのもあったし。そういう自分の考え方が自分を苦しめてるんだなっていうのもあったし。ネットとか本とかで調べて。で、それでだんだん自分の考え方が変わって、って感じでしたね。

オンキ:苦しい、なんだろう?って思ったときにネットの中、本の中で「あ、これ私に似てる」とか「これあてはまるかも」みたいなのものって、どんなところで、どんなふうに見つかりました?

ゆとりか:それまでは得体の知れない苦しさ、みたいな感じだったんですけど。それを普通だと思ってたから調べるとかはなくて。自分って駄目な人間なんだなと思って、それだけで終わってたんですけど。でも、体に異常をきたしたので、病気というか精神疾患なんですけど。気分の落ち込み以外にも、お腹がとにかく痛かったりとか、ずっとお腹下してたりとか。あとは頭の中ですごい幻聴が聞こえるとか。そういうことがあったので、さすがにこれはやばいなと思って。

オンキ:なるほど。

ゆとりか:それで調べた結果、私ってこういう状態なんだってどんどん分かっていって。そこから本とかも読み始めた感じですね。

オンキ:ふうん。そこで、なるほどと納得できる答えには、例えばどんなものがありました?

ゆとりか:答えかあ。やっぱり人間は環境の生き物なんだなっていうのをすごい思って。なんかその環境が人間に及ぼす影響ってすごくでかいっていうのがあって。うーん、なんかうまく言えないな。なんだ?

オンキ:小さい子供の頃は家庭と学校が一番でかい世界ですけど、その両方に問題がありましたか?

ゆとりか:まあそうですね。過去のことを掘り下げたら、ざっくりそうなっちゃいますけど。その当時っていうのが家庭環境はあんまりよくない感じ。母が精神疾患だったのもあって。聞いた話なんですけど、本当に自分では覚えてないんですよ、全然記憶が飛んでて。家の中で暴れて皿投げるみたいな。そういう環境だったらしくて。で、それプラス、学校でも運動部の子とか、そういう一軍というかなんか、明るい子たちですよね。そういう子たちに無視され続けてたりとか、からかわれたりとか。そういうことはあったので。ちょっとした、ウッていうことはありましたね。体調が悪くなったのは高校3年生の頃なんですけど。高校1年生の最初の頃は、明るい子たちとも仲良くやってたんですけど、なんかだんだん無視されるようになって。それで居心地悪いなってずっと思ってたので。自分の居心地のいい場所が学校で見つけられなかったので。どの子とも合わないし、自分って駄目な人間なのかなって思ってて。そんな感じでした。

オンキ:「人から聞いた話」とおっしゃってたことは、自分の中の記憶から消えてるんですね?

ゆとりか:ああ、なんか学校のことは覚えてるんですけど。家でのことはあんま思い出せなくて。私のおばあちゃんが言ってたんですよね。本当に小さい頃は覚えてないんですけど。高校生のときは、おばあちゃんもお母さんと一緒に住んでて。で、私は覚えてないんですけど、おばあちゃんが、お母さんの対処してるときに、なんかそういう状態があったよっていうことを教えてくれて。

オンキ:対処してる?

ゆとりか:対処というか、お母さんの世話ですよね。

オンキ:おばあさんがお母さんの世話をしてたんですか?

ゆとりか:そうですね。はい。

オンキ:世話っていうのは、お母さんがちょっと壊れてるような状態のときに..

ゆとりか:まあそうですね。はい。お母さんはもう、本当に引きこもりみたいな状態だったのかな。病院にも確か行ってなかったと思うし。口出しするとそうやって暴れるらしくて。私はそれが怖くてなにも出来なかったんですけど。どこに相談していいかも分かんないしっていうことで。でも自分が本当にどんな対処してたのか全然覚えてないですね。でも多分、そのことには触れず、黙々と優等生として生きてたような気がします。

オンキ:自分の環境の不安定を隠して、安定した場所にいる人のような、良い子のような「外の形を整える」をしてる間にだんだん、お腹壊すとか頭の中の幻聴っていう「内側からの反乱」が起こってきたんですね?

ゆとりか:そうですね。それプラス、気分の落ち込みとかもありましたし。だからさすがにやばいなと思って。それで高校3年生のときの9月ぐらいに学校に行けなくなっちゃったんですよ。体調が悪すぎて。そっからずっと学校行けなくて。12月に退学処分になりましたね。

オンキ:こちらから退学しますっていうんじゃなくて、学校が退学してくれって言ってきたんですか? 

ゆとりか:そうですね。もうこれ以上出席日数的に危ういから、もう退学っていうことになっちゃうけど大丈夫かな? って感じで。

オンキ:それは私立高校だったんですか?

ゆとりか:あ、都立です。

オンキ:都立だったんですか。都立でもそんな扱いになるんですね。

ゆとりか:そうですね。留年か退学かっていうことで。それだったら退学すれば1科目ぐらい単位とれば、高校卒業認定資格が取れるんですよ。だからそっちの方がいいかなと思って。学校にいるとまた苦しむ可能性があるからっていうことで。はい。

オンキ:で、卒業資格は結局取ったんですか?

ゆとりか:あ、取りました。はい。

オンキ:よかったですね。

ゆとりか:はい。それはよかった。で、大学はなんとか入ったんですけど。そこから自分の病気、最初は適応障害って診断されて。それで、ちゃんと寝たりとか、無理やりにでもちょっと運動したりとか。そういうことでちょっとは改善したんですけど。でも気分の落ち込みとかあんま治らなくて。なんとか大学には合格したんですけど。合格したっつっても第3志望のとこしか合格できなかったんですけど。で、大学入ってからも人間関係とかはすごい、ずっと怖いなって思ってて。周りの声が、すごい自分の悪口言ってるように聞こえるんですよ。あと攻撃的なことを言ってるように聞こえるとか。そんな感じがして。ずっと怖いなって思ってイヤホンしてて。そんな感じの状態で生きてたんですけど。そんときに多分、躁鬱ってわかったんですけど。躁鬱の症状が出たんだと思うんですけど、1回休学しようってなって。で、そこから1回、何を思ったか、自分はファッションが好きだからファッションで起業したい、みたいな感じになって。

オンキ:はい?

ゆとりか:そういうふうに思うようになったんですよ。多分、躁状態だと思うんですけど。そこから、週7日とかで働いて。インターンとかも行って。バイトもして。あとなんかのサークルにも入って。めちゃめちゃ活動するみたいな。なんかそういう生活をしてましたね。

オンキ:エネルギー全開状態になったんですね?

ゆとりか:そうです。はい。

オンキ:それ、どのくらい続きました?

ゆとりか:うーん、1年ぐらいですかね。

オンキ:十分ですね。その全開1年って、相当なんか筋肉疲労というか、ダメージが来たんじゃないですか?

ゆとりか:ああ、そうですね。そこで最終的には、その全開状態が収まってからは、なんか急に死にたくなって。それで、やばいなと思って。その時もカウンセリング受けてたんですけど。カウンセリングの先生に相談したら、病院行った方がいいよ、病院紹介するからって言われて。それで診断を受けたら双極性障害って診断されて。そこから治療が始まったって感じですね。やっと。

オンキ:その時点で、21、2、ってとこですか?

ゆとりか:21ですかね。はい。

オンキ:いやいや。まだまだ戦いは続きますね、そのあとは。

ゆとりか:そうですね。そうなんですよね。まだまだ戦いは続きます。で、とりあえず躁状態のときに、もう学校やめるぞっていう気持ちになって。学校に退学届出しちゃったんですよ。

オンキ:今度は自分で出したんですね。

ゆとりか:出したんですよ。で、私のお父さんも結構放任主義だったから。「りかは、りかの人生を生きればいいよ」みたいな感じだったから。だからそれで退学届出しちゃって。反対とかもないまま。それで、病院行って。「あ、アレやばかったな」って思って。でも次はデザイン系の専門学校に進学することになってたから進学して。そのときは薬効いてたんで。そんなに気分の落ち込みとか、本当に死にたくて自殺企画する、みたいなのはなかったんですけど。でも気分の落ち込みは結構続いていて。で、専門学校時代に今のパートナーと出会うんですけど。それで結構、孤独感というか、そういうの和らいできたなっていうのはありますね。

オンキ:彼は同じ学校の人だったんですか?

ゆとりか:違います。マッチングアプリで知り合って。それで勇気出して会ってみよう、っていうので。それで、っていう感じですね。しかもなんか、私、恋愛感情がなかったんで。今もないんですけど。PCMAXっていう、体だけ目的の人がよく集まるマッチングアプリを使ってて。

オンキ:はいはい。

ゆとりか:それで知り合って。で、なんか普通に、気、合うじゃんってなって。そこからなんか、結構、自分って「こんなに人に認められてるんだな」って思って。ちょっと自己肯定感というか。そういうのアップしたかなと思います。あとは専門学校の人は、わりと優しい人が多くて。なんだろう、そういうのも結構関係してると思うし。あとネットで知り合った人とか、そういう人たちと関わっていくことによって、少しずつ自尊心を取り戻していってる状態だったかなと思いますね。

オンキ:自分は大事なもので肯定できる、ってとこまで来るのに22年ぐらいかかったんですね。

ゆとりか:そうですね。はい。

オンキ:そのネットで知り合った方々とは、何をとっかかりにして関わっていったんですか?

ゆとりか:休学してたときにサークル活動もやってたって言ったじゃないですか。その時に性教育サークルみたいなものにちょっと属していて。普通に性教育のことだったりとか、あとLGBTQとかのことだったり。そういう事を研究しているサークルに入って。私には恋愛感情がないっていうのが、自分ですごい不思議だったから。なんかそういうのにもちょっと関わってみたいな、って思って。

「恋愛感情が無い=アセクシャル」はこちら
https://jobrainbow.jp/magazine/asexual

ゆとりか:あとは人慣れというか。そういうのをしたいなと思って。

オンキ:人慣れ?

ゆとりか:人慣れ。大体自分の周りにいる人が怖いっていう感じだったので。

オンキ:ああ。とにかく人が怖いってことだったんですね。

ゆとりか:はい。でもなんかネット上の人間関係だったらまだ大丈夫かもしれないと思ってて。わかんないけど。だからちょっと、えい!っていうふうに入ってみて。そしたら結構、蓋を開けてみたらすごい優しい人というか。ちゃんと自分を肯定してくれるような人とかがいたから。はい!っていう感じですね。

オンキ:肯定してくれるのは、単に人となりの部分だったんですか?それとも何かいいことができる特性がある、例えば感性がいいとか。その肯定してくれるポイントはどこだったんですか?

ゆとりか:ポイントとしては、なんか肯定してくれるっていうよりかは、なんだろう、関わってくれる、1人の人間として関わってくれるというか。そういう感じがして。確かにそういう能力の肯定とか、人となりの肯定とかもあったんですけど。やっぱり「そこに存在してくれていて助かる」みたいな。なんか助かるっていうか、ちゃんと仲間として認識してくれたような。そういう気がして。

オンキ:そういう認識って、リアルで目の前にいれば「いてくれるだけでいい」ってなりますけど、ネットの中ではなかなか…

ゆとりか:ああ、でもネットで繋がって、実際に会って活動してたんですよ。

オンキ:そうなんですか。そうですよね。その性教育ってのは、子供たちや学校教育の中でも活かされるものを作っていたんですか?

ゆとりか:なんか若者向けに啓発していくっていう感じでしたね。はい。

オンキ:今もそれは継続してるんですか?

ゆとりか:もうサークル自体がなんかほぼ終わっちゃった感じなので。で、今でも薄い繋がりみたいなのはありますね。


インフルエンサーへの道

オンキ:そんなこんなで居場所を少しずつ見つけて、自己肯定感が出来ていって、今はバーテンダー、デザイナーをやってると。

ゆとりか:はい。

オンキ:この先、どうなっていくんですかね?

ゆとりか:この先、そうですね。私はまだ、うまく言語化できてないんですけど。やっぱり自分と同じような子とか、孤独感抱えてたりだったりとか、生きづらいなって感じてる人に、ちょっと手を差し伸べてあげられるような、そういう人になりたいっていうのがあるので。

オンキ:なるほど。

ゆとりか:そのために何ができるかっていうのは、ちょっとすごい迷ってるんですけど、なんだろうな。そういうコンセプトのバーを作っても多分、人来ないというか。そういう人たちってまずバーに来ないと思うんですよ。

オンキ:うん。

ゆとりか:だから、なんだろう、友達のやってるバーとか結構そういう人たち来るんですけど。私がやってもお客さん来るのかどうか、ちょっとわかんないから。私が描いてるバー像っていうのが割とこう、ちょっと本格的というか、単価もそこそこするしっていうやつだから。そういう人たちが来るかわかんなくて。

オンキ:いわゆるオーセンティック・バー的なところですか?

ゆとりか:オーセンティックではないんですけど、出すものはちゃんと出すよ、みたいな感じですかね、しっかり。

オンキ:なるほど。

ゆとりか:ちゃんと高レベルのものを。だから、そういう人たちが来るかはちょっとわからなくて。だから自分からなんか発信していって。noteとかTwitterとかでそういう人たちと繋がれたらいいなっていうのはありますね。

オンキ:バーでは質の高いものを提供しつつ、自分が克服した葛藤の歴史を踏まえて、同じようなつらさを抱えながら脱け出せない人たちへの手助けができるようになればいい、という事ですか?

ゆとりか:そうですね。はい。こんな過去があった私でも元気にやってるよ、っていうのが伝わればちょっとは希望になるのかなと思ってて。

オンキ:なるほど。うん。その発信がnoteであったり、noteだけじゃないのかもしれないですけど。

ゆとりか:Twitterだったりとか。まだどうやってやるか分からないんですけど。全然。

オンキ:テキストでやるのか。今時はYouTubeとかもありますからね。

ゆとりか:TikTokとか?

オンキ:ね、TikTokもありますね。

ゆとりか:ええ、ええ。そうですね、そういう生きづらさ専門とかっていうのよりかは、自分の特技というか、好きなこととかも発信しつつ、織り交ぜていくことによって、なんだろうな、元気に生きてる障害者像が世に広まっていけばいいな、っていう感じはしますね。

オンキ:「元気に生きてる障害者像」。なるほど。

ゆとりか:障害者像みたいな。うーん、なんだろう病気専門で発信してる人ってめちゃくちゃいるじゃないですか。でも個人で、その病気専門とか生きづらさ専門で発信してる人って、なんかやっぱ病気ってこういうことつらいよね、分かる分かる、みたいな感じの投稿とか、「病気になって辛かったことリスト」とか、あとは「これはやめた方がいいリスト」とか、そういうのをTwitterにアップしてる印象があるんですけど、でも私はそういうのじゃなくて、そういう生きづらさとかも発信するけど、自分のファッションだったりとか、趣味だったりとかも打ち出していって、より人間らしいというか、そういう人間として自分を売り出していきたいなっていうのがあって。

オンキ:売り出していきたい、と。

ゆとりか:うん。一種のインフルエンサー的な感じになりたいのかな、っていうのはちょっとあるんですけど。難しいとは思うんですけど、もちろん。

オンキ:克服して、サバイバーになって、そこからちゃんと自分を打ち出していける人になるって、ひとつのちょっとしたカリスマですよね、それって。

ゆとりか:まあ、そうっすね。そうなれるかちょっと自信はないんですけど。なってみたい気持ちはありますね。はい。

オンキ:ケースワーカー的に「こんなことあったら、こうしたらいいよ」って言うんじゃなくて、そこを抜け出して「私、今こうですけど!」ってのをバンと出すことで「ああ!なれるじゃん」を、ちゃんと伝えていくってことですかね。

ゆとりか:そうですね。ケースワーカー的にもやることもあるとは思うんですけど。でもやっぱし私、専門家じゃないし、なんかあんまり無責任なことは言えないから。やっぱり自分の家庭とかそういうのを押し出して「それで今、こういうことやってます」とか。あとはなんだろう、自分の趣味というか、私、ファッション結構好きなので、そういうのも随時発信していけたらなって思ってますね。写真撮ったりとか、TikTokで動画出したりとか。あとはバーのこと、バーテンダーやってるときの動画とか。そういうのもやっていけたらなとは思いますね。今ちょっとダブルワーク中なので、なかなかできてない部分もあるんですけど。(2023年)3月31日付けでデザイナーの仕事辞めて、バー1本になるので、そこからいろいろやっていけたらなと思っておりますね。

オンキ:デザイナーを一旦お休みっていうか、お辞めになるんですね?

ゆとりか:1回。そうですね、はい。

オンキ:それは、1回辞めるんですか? それとももう、おさらばする感じですか?

ゆとりか:多分、おさらばだとは思うんですけど。でも、そこの人間関係は別に壊さなくていいのかなと思ってて。

オンキ:なるほど。

ゆとりか:個人的に、遊んだりする子とかもいるし。だから緩く繋がりを持てたらなと思いますね。やってることとかは結構、共感できる部分も多いので。だから緩く繋がりを持てたらなと思います。
薬は相変わらず飲んでるし、今も治療中ですけど安定してはいるので。割と。

オンキ:先生との相性もいいし、薬との相性もいい、非常に今、安定してきたとこなんですね?

ゆとりか:そうですね。はい。

オンキ:色々あって、ようやっとバランスを取れるようになって。そこから自分を発信できるようになるかなっていう。

ゆとりか:はい。そういうフェーズですね。

オンキ:リスタートのフェーズですね。

ゆとりか:ええ。そうですね。これからどうしていくか。なんかすごい迷ってるというか。

オンキ:迷っている?

ゆとりか:どういう手段を用いて、どういう時間配分でやっていこうかっていうのはすごい迷ってて。限られてるじゃないですか、時間って。だからそれをどう使って、自分をインフルエンサー的な感じにしていこうかなと思ってて。

オンキ:伝えるべき内容と、どんな風になりたいは決まってるから、あとは手段ですよね。

ゆとりか:手段ですね。はい。

オンキ:それだけ方針がしっかりしてたら、いろいろ探りつつ、周りの人にその話をしてる間に、おのずと見つかって行くんじゃないか、な感じありますけどね。

ゆとりか:ええ。ありがとうございます。引き続きいろいろ考えていこうとは思いますね。でもちょっとなんか分かってきました、自分がどうなりたいのか。専門家的に「こうしたらいいよ」とかじゃなくて、自分っていうものを打ち出して、インフルエンサー的になりたいっていうのが分かったので、それは良かったです。はい。話しているうちに。

オンキ:多分でも、インフルエンサーになると、発信役だけじゃなくて、必ずリアクションがありますよね。きっと。

ゆとりか:はい。ええ、ええ。

オンキ:そのリアクションによって自分が変わっていけるっていうか、そこで、またステージがどんどん違っていくってことはあるかもしれないですね。

ゆとりか:はい、そうですね。

オンキ:うん。今17歳ぐらいのYouTuberの女の子で、中3ぐらいからずっと毎日のようにYouTube発信してた子がどんどん変わっていくのを見たりすると、あ、出すことで変わるんだなみたいなの、思いますね。

ゆとりか:へえ、そうなんだ。やっぱりそういう見られる対象として、なんだろう、自分を変えていけるのかなって感じですよね。

オンキ:しかし、よくぞ途中で闇に落ちずに復活なさいましたね。

ゆとりか:まあ、そうですね。自分の特性も働いたと思うし。やっぱり本とかそういうものの助けが結構でかかったかなと思いますね。本とかネットとか。

オンキ:そこできちんと本を読もうっていうエネルギーがあったってこと自体がラッキーっていうか、強いっていうのか。元々、りかさんの素地が強かったっていう感じもしますけどね。

ゆとりか:確かにそこで読めない方っていらっしゃいますもんね。

オンキ:きっとそうだと思います。

ゆとりか:でも、そういう人たちもなんか変われるんじゃないかなと思うんですけど。なにかしらの手段を使えば。多分きちんと休めてたんでしょうね。きちんと休めて、自分を休めてから、そういうのを読んでっていう感じだったので、はい。

オンキ:その自分を休める、休めるときにきちんと休むってことも相当大事みたいですよね。

ゆとりか:うん、そうですね。そうしないと疲弊していくばっかりなので。

オンキ:それは、誰かに休めって言われて休んだわけじゃなくて、自分で休もうって意志したんですか?

ゆとりか:意志したわけじゃなくて、もう駄目だって思って「休む、休む!」って感じで。

オンキ:もう休むしかないっていう。

ゆとりか:そうそうそうそう、そんな感じでした。はい。

オンキ:その休む中で、本とかに自然と手が伸びて、と。

ゆとりか:はい。

オンキ:再び立ち上がれる術を少しずつ、少しずつ。

ゆとりか:はい、

オンキ:知見をためていかれたっていうとこなんですか?

ゆとりか:そうですね。なんか本読んでいくうちに、全然納得できない事とかもあったんですけど。後々わかってきましたね。納得できないとことか、これ自分に絶対できないよって思うことでも、後々、いろんな人と出会っていくうちにつれ変わってきた感じはありますね。だから環境はでかいですね、やっぱり。

オンキ:その本は何度も読み返しましたか?

ゆとりか:読み返しました。はい。

オンキ:ちなみにその本、なんていう本だったんですか?

ゆとりか:えーなんだっけな? 水島広子さんっていう精神科医の方の本なんですけど。ちょっと題名忘れちゃったんですけど。水島広子さん、おすすめです、心が弱ったときに。精神科の先生なので。かなり知見もあるし、科学的エビデンスも結構あると思うので。


ラストメッセージ

オンキ:最後に、これからインフルエンスするかもしれない、今、暗中模索してる人たちに対してのメッセージを頂きましょうか。

ゆとりか:そうですね。暗中模索している人は、まず、環境がすごく大事っていうことは伝えておきたいですね。だから自分の環境をみて、それが普通だと思ってても、もしかしたら違うかもしれないから。ネットでもいいから、自分の環境でつらいこととか、そういうのをネット検索に吐き出してみて。それで検索すれば答えが返ってくると思うから。だからそういうふうに自分のつらさを言語化するっていうことがまず大事なのかなって思ってますね。はい。だから、もしつらいって思うんだったら、自分のつらさをnoteでも、Google検索でも、最近だったらChatGPTでもいいから、言語化してみて欲しいなって思います。そこから始まると思います、全ては。

オンキ:もうインフルエンサーとしての第一声は、それでいいような気がしますね。

ゆとりか:ははは。そうですか。はい。ありがとうございます。

オンキ:今日はどうもありがとうございました。

ゆとりか:はい、こちらこそありがとうございました。


あとがき

レールに乗っていい子ちゃんの優等生を演じて、どんどん壊れていく自分を自覚して、模索を始めて、ようやくそれなりの健康と安らげる場所を自分の力で掴み取ったゆとりかさん。これからどんなインフルエンサーになっていくんでしょう。どんな風に「元気に生きてる障害者像」を発信していかれるんでしょう。肩の力の抜けたカッコいいお姉さんが、きっとバーから毎日更新してくれることになるのかな。暗いトンネルの中で膝を抱えてるどこかの誰かに早く届くといいな。お酒の飲めない人にだってきっと「効く」に決まってるから。

【インタビュー・編集・あとがき:オンキ】

【文字起こし:あおい】

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