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人間関係と周りに人がいるって環境が嫌でフリーランスになった人

いくつか職場を経験しましたが、自分に合った環境ってあるもんなんですよね。
肉体労働もしたことありますが、肉体労働の時はそんなにどこがどうとか気にならず、人間関係だけが気になったんですが。
デスクワークは光や周りの雑音とか、大小さまざまで、まーベストはリモートワークでしたね。基本的に自分でコントロールできる環境が一番良かった。誰とも話さなくて良かったし。エアコンの温度とかも気にしなくて良かったです。
人と話したくないわけじゃないんです。仕事しながら人と喋るのが苦手だから、自分のモードによって環境を変えたいんですよね。
まあこれも、いろんな環境を試してみて出た結論なんですけど。
まー仕事内容が変われば変わるだろうし、時間がたてば変わるものだろうし。
いやでもね、通勤電車がなくなったのだけは、マジ寿命が延びたなって気がしますね。
ほんと都市部の満員電車はきつきつですよ。
つらい。
ということで無名人インタビューゴー!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催)】

今回ご参加いただいたのは 小野寺さんです!


現在:1個は会社辞めてめっちゃ楽しいが、まず一番最初にありますね、本当に。

あるく:今何をしている人でしょうか?

小野寺:今はフリーライターとして仕事をしています。活動範囲は関東。横浜に住んでるんですけど、神奈川から東京、何か仕事があれば日本全国どこでも行きます。そういう感じで、生計を立ています。

あるく:フリーランスのライターっていうのはいつ頃からなさっているんですか?

小野寺:2023年からです。それまで会社員やってたんですけど、退職して。だからペーペーですね。ホヤホヤですね。

あるく:なんでこのお仕事にしようと思ったんですか?

小野寺:ひとつは、新卒から2社経験したんですけど、会社員がとにかく向いてなかったからですね。っていうのも、上司によって働くモチベーションが大きく変わるのが、働いているうちに分かってきて。「上司と合わなかった時、上司を言い訳にするような全然面白くない奴」になっちゃう。会社員でい続けたらそういう自分から変われないなと思って、怖くて会社員を辞めたかったんです。

もうひとつはずっとちっちゃいときから趣味で小説を書いてて、ちゃんとその時間を取りたかったから。家でできる仕事というか、あんまり消耗しないで働ける仕事をしたくて、フリーランスになったという。この、ふたつの理由がありました。

あるく:今はフリーライターをしながら、自分の小説も書かれているってことですか?

小野寺:はい。趣味なんで、仕事は仕事でやりつつ。

あるく:会社員時代、どういう上司だとモチベーションを感じられない、合わないって感じていたんですか?

小野寺:うーん……。自分の許容範囲が狭いので、なんだろう……。仕方ないこともあると思うんですけど、ルールをなんとなく勝手に破ってしまうとか、下のことを全然考えないっていう人は特に、尊敬できなかったと思います。

あるく:「会社員が合わない」っていうのは、上司との折り合いだけが理由なんですか?

小野寺:今のご時世、言葉が広まったせいでセンシティブというか、言い訳のつもりはないんですけど、強度のハイリーセンシティブパーソン(HSP)で。細かいことが気になりやすい体質で。

1社目で、毎日ものすごい色々な物事がうわーっと自分の中に入ってきて、結構限界で。結局2社目でも、その人が嫌いというわけでは決してないのに、長時間人がデスクの周りにいるとかだけで疲弊してしまっていたので、会社勤めを続けるのは無理だと思った理由はそこも大きかったです。

あるく:元々会社員のときはどういうお仕事なさってたんですか?

小野寺:1社目はアニメグッズとかを扱っている小売店で、ライトノベルと漫画フロアに所属して、主に書店員みたいなことをやってました。
あるく:2社目はどういうのをなさってたんですか?

小野寺:お笑いの劇場で事務をしていました。請求書扱ったり、備品発注したり、タクシー呼んだり。

あるく:どちらの企業もファンが多くて、みんなが憧れるようなお仕事に関わってる感じがするんですけど、実際働いてみてどうでしたか?

小野寺:いろんなことが勉強になったんですけど、今思うと「自分は趣味を仕事にしちゃいけないタイプだな」ってことがわかりました。好きなものを広めていきたいと思う方は趣味を広げていける仕事は向いていると思うんですけど、私は1人で粛々と楽しみたいタイプだったので。

それが会社員辞めるまで分からなかったんですけど、ようやく(分かってきました)。

あるく:転職と、フリーランスになるきっかけはどんなものだったんでしょうか?

小野寺:1社目に在籍中に色々限界がきて、HSPだということも分かった時に、会社辞めたいなあって思ったんです。ただその時点では、会社勤めが向いてないのかその会社が向いてないだけなのかわからない。書くことは好きだったから、ライターの副業を始めてみたんです。しばらく続けてみたけど、ちょっと独立するにはお金がなさすぎるなって。
それで転職することにしたんです。
会社員が向いているかのお試しと、向いていた場合もずっとそこに在籍するわけじゃないだろうから、次の就活の時に履歴書に書ける会社にしようと思って、そこで働かせてもらった感じです。

結局転職して、「どこに勤めても文句言って嫌な自分のままだな」ってことがよく分かったんで、フリーランスになることにしました。
色々勉強させてもらって、会社員やらせてもらえて、本当に良かったです。

あるく:フリーランスになるまでも、副業としてライターをやられてたんですよね。

小野寺:そうです。2019年ですかね。
1社目を辞める少し前に、元々ずっと書くことのが好きだったんで、ストアカから「ライター養成講座」に申し込んでみたんです。それがきっかけでした。

あるく:小野寺さんは書くだけでなく、取材もされていますが。人の話聞くのも、前から好きだったんですか?

小野寺:好きは好きだったんですけど、自覚するのはライター養成講座受けた後でした。

講座の後色々あって、まあよくある副業支援オンラインサロンみたいなのに入って。そこで出会った方に「取材できそうだよね?」って話になって、月50件くらい取材するようになりました。

そこから広がっていって、音源の書き起こしとか、ブログ記事代筆とか、色々やらせていただくようになりましたね。

あるく:このフリーランスとして働き始めてから今までの間を振り返ってどう感じますか?

小野寺:ひとつは「めっちゃ楽しい」がまず一番最初にありますね。
おそらく、良くない刺激の量が減ったので、心が凪いでいるというか、穏やかですね。

「自分でコントロールできない自分」がものすごく嫌な性格で。
自分が悪いんだったら「反省して改善しよう」でケリがつくんですけど、人に何かをされた時、誰かが何も考えていなかったり、なんなら良心でやってくれてたりしたら、その人のせいにもできなくて。だから大抵のことは我慢するんですけど、「でもこれ上司も悪いよな」「この程度のことも受け流せないのか」「というか受け流してて良かったのか今まで」みたいな感じで、不必要に考えて刺激を受けてどんどん落ちて、自分がコントロールできなくなって嫌いになってくばっかりだったので。

多分そこまで感じとらなくていい、良くない刺激がないだけで、気持ち的には楽ですね。

あるく:ご自分ではどういう性格だと思いますか?

小野寺:自分本位だなって思います。
私の快感のポイントは「自分で自由にやって、自分で納得する」ということでしかないんですけど。それに最短ルートで向かっているわけでもなくて「社会的に許されない」「全人類に好かれたい」みたいな、これまた自分本意な欲望と常識で塗り固められてる感じです。だから、周りから見たら、親とかにも言われるんですけど「なんかよくわかんない」んだと思います。

あるく:今の生活の中で割合を占めているものが大きいものって何ですか?

小野寺:なんかちょっと、答えとして違うかもしれないんですけど。自分を律することが占めてると思います。

家事も仕事のスケジュールを立てるのも、運動を全くしてないからストレッチしよう走りに行こうみたいなのとかも、小説書くのも、勝手に使命にしてて。自分を律してクリアできたら今日はいい日じゃんって思うし、もう駄目、一生Twitter(元X)やってたわってなったら本当に自分に幻滅するし。いつでも律していられたらいいんですけどね。

過去:ちょっとなんか自分の中の内側が、やばいやつ、やばいというか何かよくない奴なんだろうなって思いながら必死に取り繕ってる感が永遠にありますね。みんなどうやってんだろう、これ。

あるく:子供のときはどんな子でしたか?

小野寺:子供のときは、卑屈だったのかな。ややこしくてもっと嫌なやつでしたね。
両親と六つ上のお姉ちゃんの4人家族なんですけど、お姉ちゃんが家で暴れる系の人で。
癇癪起こすと家中の鏡割ったりする人だったんで、それが怖かったんですよね。そういう家庭の状況をいかにやり過ごすかが人生の命題だったんで、じっとしてたから、もちろん内向的だったし。

で、本とかアニメとかの方に逃げてた感じです。逃げてたっていうか、入り込んでた感じがします。

あるく:本とかアニメが、小さな頃から好きだったんですね。どんな作品が好きなんですか?

小野寺:一番好きな漫画は「ハイキュー‼︎」っていうバレー漫画です。あとは、あるくさんご存知かな。「NANA」「GALS‼︎」あたりのりぼんの少女漫画が特に好きです。
集英社から出てるコミックが好きですね。

あるく:どうして、集英社のコミックが好きなんですか?

小野寺:小さい頃から好きな作品が集英社に固まってた、という感じなんですけど、うーん、ブランドの安心感みたいなのはありますね。なんていうんでしょう。「KALDIで買ったものは全部美味しい」みたいな信頼感が、集英社にあります。

あるく:なるほど。そういうものを見て育って、ご自身で小説を書くっていうところに結びついたのはいつ頃で、何かきっかけとかあったりしますか?

小野寺:ありました。小学校5年生のときに、フランスの作家が書いた児童書があるんですけど、なんかそれ読んだときにおもしれえってなったんですけど、1冊で完結してるんで続刊がないんですよね。もう自分で捏造するしかねえ!と思って、同人的に作り始めたみたいなのがきっかけでした。

あるく:すごいいいですね。オタクさん達の自分で作ってしまおうっていう、その感じ、めっちゃ好きです。

小野寺:なんと!嬉しいです。そこから狂ったように書いて遊んでましたね。

あるく:そこから、書くことはずっと好きなんですか?

小野寺:そうですね。
でもなんで好きかなみたいなの多分、もう明確にあってその小5のときにそれ書いてたんですよね、なんかなんでしょう、ちっちゃいノートみたいなのに手書きで書いてて。もうあの恥ずかしい恥ずかしくないとかもないから、親とかに見せてたんですよ、なんか見て見てみたいな。

そのときに六つの姉だったんで、小5か。高1ぐらいの姉が、親に見せてるとこ見つけて、それ見してって言って奪って見てきたんですね。盗賊みたいなやつなんで、おい貸せみたいに山賊のように奪って。そのときに全然仲良くないし、向こうが目を合わせないとこっちは目を合わせちゃいけないみたいな、すごいいびつな関係だったんですけど、そのときにへえ文章をうまいじゃんって、言ったんですよ。私文章うまいんだってなって、なんか向こうがじゃあこの文字入れて500字ぐらい書いてみて、って言って、なんかそのときにサラサラって書いたらまた褒められた。
初めて姉にすごいって言われたって思ってそれが多分今も残ってるんで、何か何となく文字で承認される感じはそのときには味わって、気持ち良かったのかなと思いますね。
めっちゃ仲悪かった人に褒められて嬉しかったみたいな。

あるく:今までの人生を振り返って、章が切り替わるところはどこですか?

小野寺:めっちゃすごい質問ですね。いくつか分けちゃうとしたら、多分高校1年生のときに切り替わって。何か理由としてはめちゃくちゃ冴えないんですよね中学生までって。もちろんその学区内の中学校に行くし、なんかなんとなく陰湿な、吹奏楽部だったんすけど何となく陰湿な、いじめられいじめ返しみたいなずっとあって。この学区出たいし自分も明るくないからなんかやだやだってなって、全く学区外の学校に行かせてもらって。新しい友達の中に入ったんで、ちょっと交友関係がこう、明るくなったんですよね。承認されることも何か増えて、クラスのはじっこでなんかコソコソやってたのは、全然普通に、別に明るくないけど普通にできるみたいなのがあって、それがかなり自分の中で大きかったなと思いますね。高校1年生のときは一個目ですね。
環境変わったのが友達も増えたっていう。

多分次で言うと、入社して、4年目くらいで店舗担当の社員として働いてた時ですね。
アルバイトが200人ぐらいいるんですね、下に。もちろん常駐じゃなくて一時の学生アルバイトさんとかも含めてなんですけど。

なんか1人1人に話をするっていうのは得意だったんですけど、むちゃくちゃ消耗したんですよ。他の社員はうるせえやれみたいな感じで、アルバイトを脅して、そのヘイトを、ちょっと聞いてください、ないし、もう無理です私やめますみたいなのを、どうどうみたいな仕事を永遠にしてて、これ何の仕事なんでしたっけみたいな感じなんですけど、書店員として。
何かそういうことを人の話を聞くのは、何か得意だしやりがいもあるなって思いながら、でも何か悪意がなくて気が立ってる人間を押さえつける、何だろうこっちにともすれば嫌いじゃないけど、気が立ってる人間を押さえつけるのってめっちゃ消耗するというか。大変さも感じてて。なんでこんななんか、この人もういいよって言ってバイトは切ればいいじゃんとか、なんかそういう上司からのアドバイスも聞けなかったし。

なんかそれも聞くべきなのかなとも当時はちょっと思っちゃってましたけど、何かそういうことでぐちゃぐちゃあっていろいろなって、もう嫌ってなったときに、仕事で外出してて、店舗に帰んなきゃいけなかったんですけど、なんか神保町の駅で動けなくなっちゃったんです。いやすぎて、もう帰りたくねえって。
なんでこんな嫌なんだろうって思って何か調べたら、貴方はHSPかもしれませんみたいな診断出てきて、へえそうなんだって。
診断みたいなのが無料でできるんですけどネットで。なんかやってみたら貴方は強度のHSPですね大変ですねみたいな結果ができて、これかみたいな。

でもなんか色々言っちゃいましたけど、いろいろ困ってることとか何か悩んでることみたいなのが名前をつけてもらえるだけでかなりすっきりしたというか。私こういう人間なんだみたいになったところはある。そこは結構転機でしたね。それを言い訳にするっていうのもまた違うなって最近思うんですけど、何かその1個、言い訳ができたというか。

私はこうなんだみたいなラベルを貼ってもらえた感があってそれが二つ目の転機ですかね。

あるく:名前がつく前とあとではどういう感じで変わりました?

小野寺:それまでは、うち母親が私も全く正反対の性格で。仲はいいんですけど、むっちゃガサツな関西人って感じですね。ガハハみたいな。なんかあんたお尻おっきいねみたいなタイプで。
そういうのとかを浴び続けてると、なんかそれでメソメソしたりとか、なんかこうテンションが下がると、あなたは何か面倒くさいとか、扱いづらいとかって普通に言われちゃうというか。
それが私が悪いんだって思ってたし、私が人間として欠陥品なんだってずっと思ってたんで、何か繊細すぎることを、あと周りはそこまで考えてないことをみたいなのを、なんかいやそうだよ、そりゃそうでしょHSPなんだからって言ってもらえたことによって別にくよくよというか、なんか繊細でもいいんだっていう感じはありましたね。

自分が欠陥品だから自分は欠陥品なんだから自分はHSPなんだに変わったというか。
もうなんか、そういうもんだからって言えるようなりましたね。

あるく:お仕事では人との関わり方も変わりましたか?

小野寺:実は環境自体は変わらないので、何か上司に私HSPなんで辞めたいですって即日言ったんですけど、あなたちょっと爆発するのやめなさいよみたいな感じで、なだめられて。上司もそのときは良かったんでなんかなだめられて。環境は正直変わらなかったんですけど、心持ちとして、この200人アルバイトがいていろいろもうなんかもまれてみたいな環境は絶対にいない方がいいなって思ったんで、なんかこう、その部署の変更を希望するなったりとかはして。何か環境は変えられないから、自分が変わろうみたいなのはずっと
こう考えるようになりました。

あるく:二つ目の転換期がそこで、それ以降、章が変わったなっていうときはありますか?

小野寺:そうですね、ライター始めたタイミングかなと思います。時系列でいうと2017年ぐらいがHSP発覚期なんですけど。大体始めたのが2019年です。独立が、2023年。

あるく:独立してどうですか。

小野寺:あの私って全然文章が下手くそなんだっていうのをやっと自覚できるようなりました。
それは何か今まで私、人の話聞くことと書くこと以外であんま褒められることってないんですけど、自分でも本当に長所がないなって、どんくさいですし、思うんですけど。何かそういうところがあったんで、逆に書くことに対してのプライドみたいなのがちょっとあったんですよね、本当に。

書いてからも、書き始めてライターを始めてからも正直苦難とかもなくて、なんか割と待遇よくやらせてもらったりとか、ラッキーが続いたりとかしてて、何となく今も食い繋げてるんですけど。
ある時、それまでちょっとよくしていただいたりとか定期的にお仕事していただいた方に、何か新しい仕事をもらう機会があったんですけど、なんか君全然書けてないんだね、うわびっくりしたこんな下手なんだみたいな感じでめっちゃ言われることがあって。
なんかむちゃくちゃ久しぶりに仕事で泣いたりとかしたんですけど、でもそれないと、何か頭がんって、まだちょっと金銭的に余裕があるときにがんって殴ってもらわなかったら例えば書くことに対して勉強しようとか、自分はめちゃくちゃ遅れてるんだみたいのが気づけなかったんで、すごいありがたいことでしたね本当に。
やばさに気づいたというか。

だから書くことに対する意見、意識が変わったっていうのが、一番変わったとこです。

あるく:独立した後に気がついたんですね。

小野寺:そうなんですよ、怖いことに。

あるく:具体的にどういうふうに変わったとかありますか?大きく変えた部分とかってどういう部分ですか?

小野寺:何か書くっていうよりも、インプットの量が全然足りないので、毎日辞書、国語辞典を読むとか。宣伝広告の、キャッチコピーとかの年間図録が存在してて。CMのキャッチコピー、フレーズとか、あとは電車の広告とかに存在してるコピーとか。何かそういう世の中にいっぱい溢れてる言葉を、いいものをギュッと濃縮した図鑑みたいなのが毎年刊行されてるんすね出版社から。
そういうものを読んで、コピーライターとかライターは仕事をしてるっていうことを知って
はいたんですけど、私別にそんな読まなくても食えてるぐらいの感じで思ってたんですけど、やばいと思って毎日1時間ぐらいは勉強するようにしました。

なんか1時間で足りるのかと言われるとちょっと、うって感じなんですけど。ちょっとそれは怖いっていうか。それと何か単純に今まで書いて出したものを、書いて見直して見直して見直して出すとか、時間をかけるようにするとか。文章のインプットとその文章を書いて遂行する、見直す時間を長くして、文章のこと考えてる時間を長くしたみたいな感じですね。

あるく:実際そういうふうに変えると、自分の文章とか、お仕事って変わりましたか?

小野寺:文章は変わったと思います。今までようこんなん出してたなとか、結構。もう、怖くて読めないですけど昔のやつは。
下手っていうのは結構あったんすけど、やばいことに気づけるようなったりとかは、ちょっとしたりしたんで。それが仕事の方に繋がっているかというとちょっとわかんないんですけど、やばさが何となくわかるようになって来たような気は勝手にしてます。

あるく:子供の頃にハマってたものはありますか?

小野寺:いいことなのかわかんないですけど、空想は永遠にやってる気がしますね。
めっちゃじめっとした話ですけど、やっぱお姉ちゃんがいたことで家庭がずっと張り詰めていたので。なんか家に帰りたくないし、学校でも別に明るくもないし、微妙に嫌われてるし。なんか、陰湿だから。何か陰湿というかなんか暗いから面白くないということで、そんな友達もいないし、何かコソコソやってるだけだったから。
なんかとりあえず悲しいこと、お姉ちゃんが意味もなく暴れたとか親のことを殴ったとなると、脳内の妄想で消化させるしか発狂しないでいられないというか。

例えば漫画のキャラクターですごい好きなキャラクターがいたとしたら、何かその子に私に似たキャラクターを登場させた物語の中で慰めてもらうとか。何かそういう空想を永遠に多分してて。それは何か、多分アニメの世界とマッチしたりとか、あるいは自分で書いた、書くって、いわゆる空想を文字にするって事だと思うんで、そういうとこに繋がってるんだと思います、ダイレクトに。

あるく:いろいろ全部結びついてるんですね。

小野寺:だと思います。そうですね。

あるく:これ自分の中で大きい出来事だったなとか、話し残してるなみたいな部分はあったりしますか?

小野寺:どうだろう。でもなんか、自分ってすごい今日話したときに、何かわかりやすく話そうとかあれこれ考えて……。普段の仕事もやってることなんでやっぱ無意識に意識してしまうんですけど、ぶっちゃけ言ってしまうと、自分って取り繕っていけ好かないやつだなってめっちゃ思いました。

あるく:なんでそう思うんですか?

小野寺:いや、なんでしょうね。なんかずっとめっちゃ卑屈なんですかね。逆に嫌じゃなかったですか?何か自分めっちゃ回りくどいなって喋りながら思ったんですけど大丈夫そうでした?

あるく:いや全然。逆に聞いてる側、これを読む側の人たちのことをすごい考えながら話してくださってるんだろうなってすぐ伝わってきてました。

小野寺:不快にさせてなかったらよかったです。

あるく:あとすごいお話上手だなって本当に聞いてて思いました。

小野寺:とんでもないです。いや、寿命伸びましたありがとうございます。いやなんか結構多分自信が、もう私、いい歳で、もう三十路なんでいい年なんですけど、まだ自信ないんだって感じはしますね。

もっと何かのびのびと人と話せるようになるのが、今後の改善点だなと思いました。

あるく:自信のなさをずっと感じてるんですか?それとも今日感じたんですか?

小野寺:もう永遠に感じますね。不安じゃない瞬間がないというか。だから、なんかこう取り繕うのは、28年ぐらい生きてて何となくこうできるようになってきた部分もあるから仕事はしてるんだろうなと思うんですけど、うん。
ちょっと派生しますけど文字とかってめっちゃ人間性出るじゃないですか。なんかそういう、ふとした瞬間に自分がダメなやつだと気づくと言うか。
突っ込まれたら終わるなってぐらい部屋が散らかってるときありますし、字も丁寧に書こうと思わないとミミズみたいだし、ちょっとなんか自分の中の内側が、やばいやつ、やばいというか何かよくない奴なんだろうなって思いながら必死に取り繕ってる感が永遠にありますね。みんなどうやってんだろう、これ。

逆になんかちょっとだけ聞いちゃうんですけど、ご自分でご自分のことって、みんなどう思ってらっしゃる方が多いですか?

あるく:自分が自分に対してですか?

小野寺:ご自身に対してでも、もちろんこれまでの取材での傾向でもいいです。

あるく:私が担当させてもらった人もちろんいろんな人いるんですけど。
インタビューさせてもらう上であんまり自分の感情とか意見入れないようにしようと思って聞いたんですけど、個人的には自分も自分は中身ないまま生きてるなとか、中身がないのばれるんじゃないかって、怯えながら生きてるなっていう感覚がずっとあって、なぜか勝手にめっちゃ共感していて。

だからこそインタビューさせていただいてると結構、語弊を恐れずに言うと。自分のことすごく信じてるな、自分にすごい自信を持ってるなって、自分と逆だなと思ってしまう人も結構いて。
難しいですね。一くくりには言えないんですけど。答えになってるのかわかんないですけど。

小野寺:なるほど。
ありがたいです、いろいろ聞いていただいたりとか。何かを思ってたことの整理と何か喋る機会もないので、喋る機会になってありがたいですね。

未来:ネットを見ても嫌な情報ばっかりとか、何か世界の情勢もろくでもないし、日本もこれからいっぱい税金払うのかって悲しいって思ってる学生が読んだときに、ああ何か大人も悪くないかもって思える本があったらいいなと思うんで。

あるく:5年後10年後、あるいは死ぬときまで想像して未来についてどういったイメージをお持ちですか?

小野寺:結構、なんかいろいろ言いましたけど、希望的には、転ばぬ先の杖的なものを持ってたいですね。あと石橋みたいなのを鬼のように叩いて渡るので。いやこんな不安定なフリーランスになって何言ってんのって感じではある多分あると思うんですけど。公務員的な硬さじゃなくて、絶対に死なないライフライン的な、何か硬さみたいなのは、いやらしくも、持つタイプなので。親いるとか、頭こすり付けるくらい土下座したら金貸してくれそうな人が何人かいるとか、何かそういうとこだけは絶対守ってるんで、なんかそういう意味で日本にいたら死なないかなとはちょっと思ってるというのと。

勉強してることとか、それこそ文字を書くこととか、あるいはその趣味でやってることとか、もう先々こういうふうになったらいいな、こういうふうに文字書けたらたらいいなみたいなので、ちょっとやりつつ前向きにやってるところもあるので、それを花開かせるように頑張るしかないなとは思ってるんで楽しみでもあり、希望的ではありますね。

自分が自信無いこととは、ちょっとそこは自分がなんか変に乖離させちゃってるところがあってよくないんですけど。希望的ではありますね。あとそれがどれだけ自分が好きなれるかどうかという。

あるく:ご自身は今、ライターとして仕事されてる最中、どういう気持ちなんですか?

小野寺:悲しいかな、なんですけど、ライティング中は全然お金の事しか考えてないですね。案件のことを考えてますね。これはこういうルールで、こういう人のために、構造にしなきゃいけないから、こういう文章にするっていうルートが、見えて仕事をするレベルの仕事をしてるので、そういう仕事のことと。
これ終わったら1万円、これ終わったら1万円みたいなこと考えながらやってますね。

あるく:小野寺さんはどういう自分になったら、どういう条件が満たされたら、自分に自信のある状態になると思いますか?

小野寺:そうですよね。二つ。確かなことは何か、確かというか、じゃあやれよなんですけど、自信は全然持ったらいいんですよね今すぐにでも。だって別にそんな後ろめたいことしてるわけでもないし。なんなら独立したすごいねとかって言ってくれる優しい友達もいるし、そんな何か悲観的になることも、あとやりたいこともあるんだから、なんかめっちゃいいじゃんってなんか気圧とかに殺されてない時とか、こうテンションが上がってるときは思うんですよ。自信なんか全然持てばいいですけど。

これちょっとこれまで話せてなかったかもしれないですけど、なんかよく抑圧され続けてきた幼少期が長かったっていうのも言い訳としてあるんで、なんか頑張ってないととか。何か努力してないとみたいな。己を律したりとか内省したりとか何か反省したりとかもっとよくしようみたいなことをずっとしないと不安みたいなのがずっとあるんで。

自信はどうやったら持ってますかって質問に対しては、普通に今の自分を受け入れられるようになったら、すぐにでも持てるってわかっておきながら、自身がないなって言っておく保険で今まで生きてきた生き方が変わらないと変われないっていうちょっと矛盾もあるので。

いや、答えになってないですね。なんかちょっとそういう自分のことを、私一生自信持てなくていいやって思う方が早いのかもってちょっと思ったりもしてます。自信は持った方がいいとかその方がモチベーション、効率が上がるとも言われてますけど、悩んでもハッピーなやつとかも何か別にいいかもみたいな。それはそれでありかもとかっていうのが思うときもあるんで、ちょっとそこは折り合いをつけて。

あるく:もしフリーランスになっていなかったらどういう人生になっていましたか?

小野寺:フリーになってなかったら、でもなんだかんだ言って、会社員でも働きやすい方向は探してたと思うんで、なんか在宅でできることとか。結局でも書いてることはむっちゃ好きなので、書く系の人がいい仕事とか。人間関係と周りに人がいるって環境が嫌でフリーランスになっただけなんで、結局書くことができて人がよかったりとかここで骨うずめてももいいやってとこだったら、少人数の仕事とか会社とかだったら、多分全然会社員やってると思うんで。今後もやる可能性も全然あるので。書くこと、人間関係の条件が満たされてるところで仕事してたと思います。

あるく:小野寺さん自身がこれ死ぬまでに絶対やりたいとか、こういう自分になってたいみたいなものってありますか?

小野寺:ちょっと恥ずかしながらなんですけど、小説を書いてて、本を出したいなというのがあるので。それが何か、もう最悪別に同人誌だったらいつでも出せるのでその手に逃げる可能性もあるんですけど、なんか書いたものが、図書館とかに残るのが一番自分の目指すところの一個ではありますね。

図書館に残ってそれを読んだ自分が、昔の自分がものすごくこう嫌だった幼少期とかやだった少女時代とかに救われた経験がたくさんたくさんあるので。何かそういうネットを見ても、嫌な情報ばっかりとか、何か世界の情勢もろくでもないし、日本もこれからいっぱい税金払うのかって悲しいって思ってる学生が読んだときに、ああ何か大人も悪くないかもって思える本があったらいいなと思うんで。そういうのを書きたいので、何か子供が手に取ってもらえるようなタイミングがあったらいいなっていうのをずっと思ってますね。

あるく:どういった本書かれるんですか?

小野寺:タイプって言うとむずいんですけど、エンタメ小説とかライトノベルとかじゃなくて、文芸といいますか。タイプで言ったら、芥川賞とかご存知ですかね、アニメ化とかするようなやつじゃなくて、ちょっと話も単調なんですけど、なんかキャラクターとかじゃなくて、物語が淡々と続いていくような、純文学を書きますね。それで書いて賞に応募しては落ちみたいなのをずっとやってますね。

あるく:最後に言い残したことはありますか。読者向けでも自分に対する独り言でも感想でも何でもOKなんですが。

小野寺:人に聞いてもらうってことが本当にないので、ものすごく貴重な経験になりました。お優しい声でいろいろ、そんな質問までって聞いてくれることもたくさんあったので、楽しかったです。

あるく:ありがとうございます。

小野寺:ありがとうございます。

あとがき

なんだかとてもとても惹きつけられる方でした。ご自身ではなんだかずっと、自分自身に対して鋭い矢印を向け続けてられる方な感覚があったんですが、こんなに素敵さがにじみ出てる方なのになんでこんなに自分に厳しいんだろうと思うくらい、私は惹きつけられるものがありました。私のインスタ(@eiga_to_hito)で映画インタビューをお願いしてしまうくらい、もう一度話したいと思うものがありました。

インタビューを今まで色々な方にさせていただいて、自分に対しての自信ってその形も強度も本当に色々な形があるんだなと感じてきました。自分を凄く信じているんだなと感じる人、自分に対する自信がしっかりと根付いている人。
私は自分の中身の無さをばれないように騙し騙し生きている感覚のある人間なので、そういう人に強い眩しさを感じていました。

自己肯定感だとかご自愛だとかセルフエスティームとか、そういう言葉がじわじわと流行ってきている今、自己肯定感が高い方が絶対によい!って空気をどこか感じるのですが、私はどうやったって自信の無い人、好きです。自信の無い人にしか持てない感覚や空気があると思っていて、そういう物を持っている人の色々な顔が好きです。

小野寺さんはご自身で自信が無いと仰っていましたが、小野寺さんが小野寺さんだからこそ惹かれる人が絶対にいると感じました。私も含めて。
【インタビュー・編集・あとがき:あるく】

#無名人インタビュー #インタビュー #フリーランス #人間関係

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