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どん底なのにその光景が綺麗だと思える自分に驚いた多重人格の人

光という言葉は好きですか? 私は残光という言葉が好きです。
西日も好きですね。光という感じは入っていませんが。
大切なことです。
今日の無名人インタビューもお楽しみくださいませ。(主催:qbc)

今回ご参加いただいたのは 偏光 さんです!

現在:みーさんとくろこちゃんが考えている話を、私は書いているだけって感じです。小説というのも。

qbc:今、何をしている人でしょうか?

偏光:小説家ということで。

qbc:小説家は、プロデビューされてる方ですか?

偏光:いえ、出版は一度もできてないんですけど。もう、思いつけて書けるんですから、小説家と名乗っていいだろうと自分では思ってます。

qbc:どんなものを書かれてるんですか?

偏光:異文化交流ものですね。
いろいろ、外国人同士であったり、障害者だったり。同じ国の人でも、言葉の通じないという感じがする人。田舎とか都会とかですね。そういう人たちを引き合わせて交流させて、ある程度時間がたてばまたそれぞれの人生に戻っていくっていうふうな。

qbc:最近書いたストーリーについて、ちょっと話していただいても大丈夫ですか?

偏光:御詠歌っていう、仏教で伝わってる音楽なんですけど、それを高校生の部活にさせたんですね。
その中で、都会から来た子だったり、地元にいる子だったりで、しばらく交流させて、元に戻すみたいな話で。地元の子は、地元の方でまた別の神道の。

qbc:都市、地方、日本の仏教、神道みたいなのがいろいろ混ざりあってるんですね。

偏光:そうですね。神道のバックボーンがあったりしてって感じです。いろんなものを交流させるのが好きなんで。

qbc:そのジャンル自体はどれぐらい書かれてるんですか?

偏光:はっきり意識したのはこの2、3年ですけど。多分最初からそういう話ばっかり書いてたと思います。種類は違っても、別のところからいろんな人が来るっていうのが。

qbc:その異文化交流ものを書かれるきっかけみたいなのはあるんですか?

偏光:そうですね。私自身が生まれたときから、ずっと親が転勤族だったもので。
2年ごとに家を引っ越してたんですね。家も引っ越して、地域も引っ越して、学校も引っ越して。2年ごとに新しい生活が始まっちゃうので。全く自分の故郷と言えるところがない状態でずっと生きてきてて。故郷がある人と全く話が合わないんですよ。
じゃあどうやって話を進めていこうかなと思ったら、よそに入っていったときの苦労話とか、みんなは知らないようなことを織り交ぜて話すしかないんですけど。私が話しただけでも聞いてもらえないので、小説という形にしたら、より読んでもらいやすくなる。

qbc:小説は、どこで書かれることが多いですか?
今、インターネット上で書かれる人も多いですし、昔ながらの同人誌ももちろん残ってますが。

偏光:今、ネット上にあげてます、ほどんど。pixivで。noteも使ってますけど、どっちかというとpixivの方が小説の編集は楽なので。
pixivにあげたやつを時々noteに宣伝して、よかったら見てくださいって感じにしてます。

qbc:読んでいただいて、どんな感じですか?

偏光:いやあほとんど読んでもらえてないんですけど、今のところ。
2、3人ぐらいの人に褒めてもらったぐらいで。いいねとかはつくんですけど、特に感想をもらえたことはないですね。
たまに感想をもらえるときも、ちょっと難しいという意見が多いんで。一応褒めてはもらえるんですが。

qbc:私があんまりpixivの中身まで見てないんですけど、pixivってやっぱりライトノベル系が多いですか?

偏光:ライトノベル系は多いですね。

qbc:でも偏光さんのは、ライトノベル系ではないんですね?

偏光:じゃないです。明らかに違います。

qbc:他にご趣味はありますか?

偏光:御詠歌も習っているんですけど、月に2回太極拳を習っていて。
これをちょっとまた別な話にできないかなと思ってるところですね。あと、歌うのは好きなんですよ。シャンソン習ってたんですけど、コロナが来てからやめてしまってます。

qbc:カラオケが好きとかそういうんじゃなくて、そういうふうなしっかりしたもの、という言い方も変ですけど、そういうのがお好きなんですか?

偏光:カラオケにシャンソンがあればいいんですが、っていうところなんですが。

qbc:あ、歌う場所がないのか。なるほどね。

偏光:歌えないんですよ。歌いたいだけなんで、別にステージに立ちたくはないんで。でもそもそも、カラオケに入っていないという。

qbc:ちなみに、御詠歌ってどうして好きになったんですか?

偏光:好きになったというか、私の主人の菩提寺のご住職が、御詠歌を教えてます。

qbc:教えてる教室みたいのがある?

偏光:そうです。誘われたんです、それに。

qbc:御詠歌、どうですか?

偏光:面白いです。というのも、楽譜が全く五線譜じゃないんで、縦書きで。

qbc:お坊さんが読んでらっしゃる、あのパラパラパラって蛇腹になってる、縦書きの?

偏光:そうですね。丸からいろんなところに線が出ていくような。楽譜ですね。

qbc:なるほど。太極拳はどうして始められたんですか?

偏光:太極拳は、すごく体が弱かったので。貧血がひどくて、それでずっと運動ができなかったんですけど、貧血が治って体が動くようになってきたから、何かやってみようと思って。
あまりハードな運動はできないだろうと思って太極拳やってみたんですが。見た目よりきついやつを選んでしまいました。ずっと中腰でゆっくり動くので、相当筋肉にきます。全身。

qbc:なるほど。小説書かれてて、経済活動はどういうことをされてるんですか?

偏光:今のところ全く。

qbc:生活自体はどうやってされてるんですか?

偏光:経済活動は、内職してます。アパート掃除と、あと点訳をボランティアで10年間やってきたので。

qbc:点訳? 点字に訳すやつでしたっけ?

偏光:はい、点字です。その点字の校正の仕事が時々入るようになってきました、去年ぐらいから。一時間いくらでお仕事もらえるので。

qbc:点訳もまためずらしいですね。どういった経緯で覚えることになったんですか?

偏光:またさらに引き出されると思うんですけど、点訳は、私は昔プログラマーをやってまして、それぐらいの時に、点訳をする機械の点字バージョンがあって。それのプログラミングをしてたんです。
それでそのときに点字を一応検査してたので、覚えて。で、主人が印刷業にいて、印刷業といっても、点字の印刷とかビルの中の内装印刷なんですけど。それで仕事もらえるかもしれないから、せっかく覚えたんだから、ちゃんとボランティアセンターに行って習ってみる?って言われて。私も知ってるからもっとちゃんとやりたいと思って、結婚してすぐ講習会に通って、ボランティアで10年経ちました。

qbc:プログラミングをしてたのは、翻訳アプリですか?

偏光:いや、翻訳アプリじゃなくて。点字を打ち出す機構のプログラミングでしたね。
翻訳ソフトはまたちょっと別の会社が作ってて、あくまで機械として、どのボタン押したらどうなるみたいなやつを組んでました、その時。

qbc:ああ、点字の突起のところを作る機械?

偏光:打刻っていう、打つ刻むっていうんですけど。コツコツコツコツコツコツ、6つの点を並べていく作業。

qbc:周りの人から、性格は何て言われます?

偏光:そうですね、人によって違いますね。本当に、行く先々、会う人によって全く違うことを言われるんで。

qbc:どんなことを言われるんですか?

偏光:すごくしっかりしてるっていう人もいるし、しっかりしてるってどこが?ってそれを聞いて言う人もいるし。定まってないですね、人によって。

qbc:とはいえ、最近言われた3つを挙げてって言われたらどうですか?

偏光:面白い、とは言われるんです、ずっと。自分が好きでしょって言われます。自分の好きなことばっかりやってるっていう。

qbc:ご自身ではどう思われますか?

偏光:好きな部分もありますけど、これがまた事情があって。
なにせ人格障害という、人格が3つにわかれてまして。私以外にあと2人別の人格が。そのなかで喋ってます。

qbc:誰と誰が喋ってるんですか?

偏光:私は主、偏光なんですけど。あと2人ぐらい別の人格があって。そっちの中の1人がものすごく私のことが大嫌いなんですね。

qbc:対話はしてる?

偏光:対話はします。してますね。

qbc:便宜上、名前があればお聞かせ願えたら。

偏光:その前に、小説家としてのペンネームは「おかのゆきこ」っていいまして。
それで、黒いゆきこで「くろこちゃん」。私のこと嫌いな人が「くろこちゃん」。

qbc:くろこちゃんという人がいると。くろこちゃんと、あともう1人いる?

偏光:もう1人、「みーさん」っていうのがいる。

qbc:「くろこちゃん」と「みーさん」。今話していいただいているのが偏光さん。
いつ頃からですか?

偏光:10歳ぐらいからですね。

qbc:きっかけをお伺いしてもいいですか?

偏光:いろいろと引っ越してきた中で、一つの地域がすごく悪かったので。悪かったって言ったらちょっとあれですけど、合わなかったですね。
それで、親が宗教に入ってしまったっていうのが一番つらくて。
親が宗教に入った理由が、私に友達ができないからなんですよ。私自身は友達いたんですよね。親がそれを友達だと認識してくれなかった。その程度のは友達じゃないって思ってるから。もっとたくさんの友達と仲良く遊ぶのが正しいと思ってる。
で、宗教施設はそれを真に受けて、私に友達ができるいい子にしようとしたもので。生き直しを迫られて。それが2年間ぐらい続いて。親も学校も地域も全部、合わないっていう。そのときに完璧にもう、自分の本来の人格は壊れた感じがあります。

qbc:主人格は誰なんですか?

偏光:主人格はみーさんです。みーさんは10歳なんです。私はあくまでも体を操ってるだけ。
小説も、みーさんとくろこちゃんが考えている話を、私、偏光が書いているだけって感じです。

qbc:今の状態って、生活感覚とかはどういう感じなんですか?

偏光:一番話しやすいのは、希死念慮っていうのなんですけど。私は死にたいとは思わないんですけど、もう死んでくれってくろこちゃんから言われるって感じが。
あとひとつは離人感ですね。動いている自分を別の視点から自分が見てる感じなんです。行動に感情が伴ってないというか。
昔の映像見ても、記録映像っていう感じ。誰の話? って感じだし。

qbc:くろこちゃんはどういうふうな人格なんですか? 10歳の頃にうまれたんですか?

偏光:そうですね。切り離された感情がくろこちゃん。

qbc:くろこちゃんは精神年齢的には何歳?

偏光:20歳ぐらいいってるんじゃないかな。

qbc:くろこちゃんが生まれた当時は、10歳くらいでした?

偏光:当時は10歳。

qbc:偏光さんだけが、肉体とともに歳をとっていっている感じですか?

偏光:肉体を扱っているんで。

qbc:なるほど。好きな食べ物は何ですか?

偏光:こんにゃくです。

qbc:どうやって食べるのが好きですか?。

偏光:煮物。煮物メインです。

qbc:お醤油味?

偏光:基本醤油味。

qbc:ピリ辛こんにゃくとか、ちょっと辛めにしたりするじゃないですか。それは?

偏光:好きですよ。お土産屋さんとかにたまに売ってるやつですかね。

qbc:おでんのこんにゃくはどうですか?

偏光:好きです。

qbc:味噌田楽は?

偏光:好きです。こんにゃくの料理は何でも好きです。

qbc:糸こんにゃくと板のこんにゃくと玉こんにゃくとかは、特にこだわりなく?

偏光:本当にこだわりなく。赤こんにゃくだろうが玉こんにゃくだろうが、特にこだわりない。

過去:一応見た目上、普通に見えるらしくて。普通に仕事はこなせるんですけど、毎日毎日ずっと右肩にくろこちゃん乗ってて。ひとりになった途端にめちゃくちゃ攻撃してくるという。

qbc:次に過去のことについて聞いていきます。どんな子供でしたか?

偏光:子供の頃はもう、物心ついた最初の記憶が、でっかい本棚の前にずっと座らされてるんですよね。特に親がワンオペ育児の時代でして。
おとなしい子だったので、特に何も騒がなかったので。ずっと一日中本読んでる。特に誰ともコミュニケーションも取らず、テレビを観たり音楽を聴いたりすることもなく。

qbc:どんな本を読んでたんですかね?

偏光:あるものを手当たり次第です。絵本もあったし、山口百恵の自伝とかもあったし、お父さんの買ってきた漫画もあったしで。親の集めてた全部の本が、その本棚に詰まっていたので。

qbc:好きだった本って覚えてらっしゃいますかね?

偏光:ドクタースランプはすごく読んでた思い出が。それで何か、言葉と漢字を覚えた記憶が。

qbc:それはみいちゃん単独の頃って感じですかね?

偏光:単独の頃ですね。

qbc:みいちゃんが出てきたり、くろこちゃんが出てきたりっていうのはないんですよね?

偏光:そのときは単独で。本当につらかった2年間で分かれたんで。

qbc:今、喋っている人が、変更されたりっていうのはあるんですか?

偏光:基本的に人と会って喋ってるのはずっと私です。ずっと偏光です。

qbc:子どもの頃の話に戻りますが、外で遊んだりっていうのはなかったんですか?

偏光:近所に子どもがいなかったんですよね、5歳ぐらいまで。隣におばあちゃんが、血がつながっているおばあちゃんじゃないんですけど、その隣にいるおばあちゃんに時々預けられるぐらいで。家族も、仕事に家事に忙しくて。基本ひとりっていう生活をしてた。

qbc:その時の性格とかってどうでしたか?

偏光:とにかくおとなしかったらしいですね。何も文句言わないし。
幼稚園に5歳のときに入って。でも、それまで他の子と遊んでた友達と、全くポテンシャルが違ったという。もう最初っから何か、差がついてしまって。
それで、それを見た母親が、この子は友達できないっていうので、宗教に入り、母親は精神を病み。
母親から、孤独なのは、生きづらいのは、あんたのせいよと言われたり。

qbc:実際に宗教に入られたのは何歳ぐらいですか?

偏光:小学校2年から3年のときですね。その2年間。
宗教というよりも、その地域がプラスで重なって、良くなかった感じがします。そこから2年後に転校して引っ越して。そこではまだ友達とか普通にできたんですけど。
そのあとで、父親が1週間失踪して。1週間後に戻ってくるんですけど、そこからアルコール依存症になりまして。軽いものだったんですけど、それでも一杯ひっかけて会社に行っちゃうぐらいで。仕事クビになるっていうのを何回か繰り返して。
また母親は別の宗教に入りまして。
10歳から大学生ぐらいまではずっとその宗教でした。

qbc:学校生活自体はどうだったんですか?

偏光:そこそこ私は普通に過ごしてたんですよ。仲良くしていた子もいたし。好きではなかったけど学級委員とかやってたりして。
ただやっぱり、まず運動ができないのと、あと算数が苦手だったんですね。引っ越してから、都会の学校に行った途端に全然わからなくなってしまって。体育と数学ができないと、もう他の勉強できても、何もできないっていう考え方を親はしてたんで。どんだけ他の教科が成績良くても、褒められないんです。

qbc:その頃に通院はされてたんですか?

偏光:通院はしてないです。まず母親が、精神科の看護婦で。昔ながらの精神科なんで、イメージがすごく悪くて、まず通わせない。
もうそんなのは全然ないだろうと思っているんで、ただ単に変な子、できない子ってだけで片付けられたっていう。
社会人になってから、自分でちょっとやばいだろうと思って。調べて通って。
主治医から、解離性人格障害とは診断されてないんですけども。いろいろ調べて自分ではこれだろうなと思って。はっきり定型の症状が出てるわけじゃないんですけど、自分でコントロールできない人格が2つぐらいある時点でもうこれはちょっと違うと。近いものだと思っていいだろうなと思って。

qbc:それは何歳ぐらいの時に?

偏光:25歳ぐらいですね。家を離れたんです、その時。就職先は家の近くだったんですけど、その会社の都合で大阪に転勤になりまして。大阪に転勤になってから、ひとりで生活するときにこれじゃやばいと思って。
一応見た目上、普通に見えるらしくて。
普通に仕事はこなせるんですけど、毎日毎日ずっと右肩にくろこちゃん乗ってて。ひとりになった途端にめちゃくちゃ攻撃してくるという。

qbc:その肩にくろこちゃんの状態っていうのは、小学生の頃から?

偏光:うん、そうですね。

qbc:どういう感覚なんですか?

偏光:全く自分とは違う感覚で罵られるので、私にはついていけないっていう感じ。罵るだけじゃなくて物理的な、殴るとか首絞めるとかの身体攻撃も加えてくるので。
私の好きなものを破壊するとか。私が好きなものを全部嫌いで。

qbc:私って言ってるのは偏光さんですよね。ってことは、順番的には同時に生まれたんですか? くろこさんと偏光さんが。

偏光:多分最初にみーさんがいて、そこから感情を捨ててくろこが生まれて、そのあとだと思うんですよね。
どこの時点かがちょっとはっきりしないんですけど、多分このふたりだけじゃちょっと対応しきれなかった部分を、自分が調整してたという感じが。完璧にわかれちゃったから。
でもはたから見て変な子にはなりたくなかったんで、当たり障りなく動くっていうやつを。

偏光さんが生まれたいきさつは、インタビュー後に記事にされていました。

qbc:3人いるなっていう認識が、小学生のときにはあったっていうこと?

偏光:ありましたね。

qbc:それを人に話そうとかそういう感じにはならなかったんですか?

偏光:人に話してもまず信じてもらえないし、それも込みで変な子で片付けられるし。

qbc:中学高校はどんな感じで過ごされてたんですか?

偏光:一応友達とかはできて。普通に過ごしてましたけど。
数学以外は成績良かったので。普通にお手伝いとかもしてたんですけど、全くそれは親から認識されずっていう。
高校のときに、父親が1週間失踪するので。姉の高校受験の日に失踪してしまって。
それでも一応大学は行けたんですけども。奨学金をもらって、授業料免除をもらって。家から歩いて通えるっていう条件のもとで。

qbc:大学生活はいかがでした?

偏光:楽しかったですね。大学に行ってる間は。
基本的にずっと学校は楽しいんですけど、家に帰ると全部その楽しいのは、親から否定されるので。友達がいても変な友達だって言ってくるし、お前に気を遣って付き合ってくれてるだけだとか、すぐ嫌われるとか言ってくるし。
基本的に学校と家とでまったく見られ方が違うので。
親は愛情を持って、私にまともな人間になってもらおうと思って言ってるので。それがまた。全く見え方が変わってくれないという。
いいところに就職できないだろうし、結婚もできないだろうって言われてきたんですけど、できましたけどっていう。

qbc:自分のなかの3人で揉めたりはしないんですか?

偏光:もう毎日揉めてたんで。日常だったとしか。
ずっと常に張り付いてて、ひとりになった途端に駄目出しするっていうのがずっと続いてるので。正直ずっとしんどかったんですけど。外に出て学校に行ってる間は別に普通。家に帰って自分の部屋に入った途端、暴れだすんで。

qbc:なるほど。大学卒業後はどうされるんですか?

偏光:大学出てからすぐ就職しました。地元の就職先だったんですけど。3年ぐらい経った25歳ぐらいのときに、大阪に出張が決まって。それで、大阪で初めての一人暮らし。

qbc:どうでした? 一人暮らし。

偏光:一人暮らしで、最初の3ヶ月、すごいところに引っ越しさせられまして。
まずそこで洗礼を受けたというか。女の子1人では住まないようなところに、会社が知らんと放りこんでしまって。でも、そういうもんだと私も思ってるから住んではいましたけど。
えらいところでした。
まあ、それで結構、何でもいいなと吹っ切れましたけど。
表通りは結構賑やかで都会なんですけども、裏通りは相当すごくてですね。住んでみないとわからないですね、その辺は。大阪市内です。
かなりきつかったですね。

qbc:どういったことがきつかったですか?

偏光:まずどこに引きずり込まれて何されるかわからないっていう。近所のおばちゃんたちも、あんた気をつけやって言ってくるし。
結構リアルに何かできそうな場所がある。マンスリーマンションで女性向けって聞いてたんですけど、多分近くの飲み屋街に通う女性向けだったと。

マンスリーマンションだったんで、3ヶ月の試用期間も終わったんで、今度はちゃんとしたアパートに引っ越せて。
そのときに知り合った人の友達が今の主人で。主人と知り合う前にちょっと一度かなり精神的に酷い波があったんですけど。
一人暮らしの、大阪に来て半年ぐらいのときですかね。これはちょっと、さすがに仕事が手につかなくなると思ったんで、病院探して通ってってのがこのぐらいで。

qbc:結構、結婚生活も長くていらっしゃる?

偏光:付き合ってからは15年、結婚してからはもう12年ですよ。干支超えました。

qbc:解離性障害については、ご主人にお話されたんですか?

偏光:はい。知ってます。

qbc:なんて言ってらっしゃいます?

偏光:結構フランクな人で。それぞれのキャラクターともそれぞれに声かけて付き合ってくれるんです。

qbc:喋るわけじゃないんですよね?

偏光:喋るわけじゃないですけど。でも、それぞれに。そういうことをしてくれる。

未来:もうどれも好きなのでどれにも所属したくない。別に真言宗にも入ってるわけじゃないです。あんまりどれかに入って、どれかの人になりたくない。

qbc:これから5年先10年先、20年30年、死ぬときまでをイメージして、未来ってどんなイメージをお持ちですかね?

偏光:2024年の2月に何か起こると思いながら。5年ぐらい前にふっとそう思って、このときには仕事も住む場所も変わっているから準備しとけっていうイメージがあるんで、それに向かって準備してる。
目標としては今書いてる御詠歌の小説を点訳し終えて、データ販売して。点訳のデータも販売したいので。でも、視覚障害者とタイムラグ作りたくないと思って、同時に販売したいんです。
その後に私、英語に翻訳したいなと思って。英語点訳も私できるんで。それもやっていこうかなと思って。

qbc:なるほど。その、2024年の2月に何かが起きるってのはどんなことなんですか?

偏光:5年前に急にそう思っただけなんですけど。何かが起きるっていうのが、本当にどうなるのかはさっぱりわからないです。
ひょっとしたらもう、死ぬこともあると思ってます、私。
でも何というか、あんまり昔から、特に恐怖感がないというか。死ぬことに対しては。

qbc:それは偏光さんが、ですか?

偏光:そうですね。ずっと攻撃されてたってのもあるんですけど。

qbc:他の人は怖がっている、とかはない?

偏光:他の人は怖がってるのかな? そうかもしれないですね。
基本的に明日どうなってもおかしくないなっていうのはずっと思ってるんですね。別に私の病気とか、そういうことは関係なく。誰もがどこにいても。
ちょっと変な話をするかもしれないですけど、ちょうどいい場所にちょうどいい時に居ておきたいんですよね。そういうのはもう運でしかなくて。
運でしか、多分それは。何の保証もできないので。
私、結婚した相手が結構しっかりした高野山系の宗教なんですね。真言宗なんで。なので、真言宗は割と拝んでいるんですけど、今。

qbc:ご主人の家の宗教がですよね。お坊さんっていうわけじゃなくて。

偏光:はい。家が真言宗で、そこで御詠歌を習ってて。やっぱり運を良くする…いや、運を良くするっていうのは違いますね。運の良くなる行動をできるために拝む、みたいな。
拝んでそれでOK安心というわけじゃなくて。自分がちょうどいいところに行けるように行動したいから、見守っててくださいっていう拝み方をしているんですけど。

qbc:それは、いつ頃からそういうふうな考え方になったんですかね?

偏光:結婚して向こうの教義とかいろいろ教えてもらって、徐々にですね。
思いっきり、宗教では結構きつい目に遭ってきたんで。ちゃんと調べてやろうと思って、ずっと調べてはいたんで。10歳頃からずっと結構宗教系には、興味があるというか。
ちゃんとしたものを調べないと酷い目に遭うと思ってたから。いろんな宗教を調べて、結構どれも好きだなと思ってて。だからあんまり、そう簡単に怖いとか悪いとか切り捨てたくもないし。
もうどれも好きなのでどれにも所属したくない。別に真言宗にも入ってるわけじゃないです。あんまりどれかに入って、どれかの人になりたくない。キリスト教も好きだし、イスラム教も好きなので。だから小説書いているのかもしれない。そういうのが互いにある程度、通じるようになりたいっていう。

qbc:ちなみに、お父さんはお仕事って何されてたんですか? 2年おきに転勤って。

偏光:銀行員です。バブル前の銀行員だったので、すごく羽振りが良かったです。

qbc:なんでアルコール依存症になっちゃったんですかね? 失踪の原因は?

偏光:銀行員で出世争いに負けたんです。出世争いに負けて転職しようとしたんですけど、失敗して。
転職した先でちょっと条件がすごくきつくなって。失踪しちゃって。辞めることになるから、転職するんですけど。アルコール依存症になって、辞めるを繰り返して。

qbc:銀行辞めてから依存症になったんですね。

偏光:そうですね。銀行辞めて、転職も失敗してからの依存症です。その前から、九州の人間だから飲めるだろって飲まされまくってて。飲むのに逃げるのが習慣づいてたんですけど。

qbc:ご家族との関係自体はどうだったんでしょうか?

偏光:私は良くはないと思ってます。親はすごく愛してきたと思ってます。私、男に産まれる予定だったんで、一族のなかでは。

qbc:男の子いないんですか?

偏光:そうなんです。男の子を一族中から期待されてて。なのに女に生まれちゃったから。もう、生まれた時点で一族来なくなる。親も生まれたの失敗だったなって言ってくるぐらい、それも笑顔で。その時点からケチがついてたという。

qbc:端的に言うと、ご両親はプライドの高いエリートの人たちだったんですか?

偏光:そうです、田舎の中では。父親は長男ですし、母親もすごいかわいがられて育ったし。

qbc:なんで宗教に入ったと思いますか? 宗教以外の手段もあったと思うんですよね。

偏光:一つ目の宗教は、私に友達ができなかったからですよね。

qbc:友達ですよね。自分たちで何とかするって方法も、あるじゃないですか。

偏光:そんなの考えないですよ。自分で何かをするという感覚がないんです。周りがやってくれるもんなんです。
両親の感覚としては、周りがいい状態に整えてくれるはずのものなんです。
だから、何も考えずに宗教に行っちゃった。なんか幸せなはずなのに満たされない、この子に友達がいないせいだわ。で、まず入っちゃって。2個目は父親の酒をやめさせるために。

qbc:アルコール依存症も、宗教じゃない互助団体もありますよね。

偏光:そう、やり方あるはずなんです。でも行かせたくないんです。
母親からしたら、就職先がなくなるから。そしたら先祖のせいだという。先祖も何か因縁があるんだということで、先祖を勉強しようってことで宗教に入ります。

qbc:偏光さんトリオは、それをどう思ってたんですか?

偏光:良くないと思いながらずっと過ごしましたね。全然いい結果にならない。全くいい方法じゃないし。問題から逸れてる。

qbc:宗教に入った瞬間からそう思ってらっしゃいました?

偏光:思ってました。神様が解決してくれるはずがない。

qbc:今はどういう関係性なんですか?

偏光:急に辞めてくれたんですよね、宗教。何年か前に。5年ぐらい前ですかね。
いきなりふっと、あれ、なんかいらないわって言い出して。そうそう、いらないよって。ちょっとマシになってきたかなっていう感じで。

qbc:それは、良かったですか?

偏光:良かったですね。父親も、膵臓炎を一度起こして手術して、そこからお酒飲めなくなったんで、結果的に酒やめられて。
私が家を離れてからですけど、結果良くなってるんです。だから週に1回メールする仲ではあります。たまに電話がきて、話して。

qbc:もうご両親は70歳近い?

偏光:そうです。

qbc:仲いいと思いますよ。

偏光:仲いいと周りから思われてますけど、こっちは忘れてませんよ、いろんなことを。

qbc:もしもの未来という質問をしています。
もしも、偏光さんの書く小説を読んだ人が、偏光さんたちが期待した通りの行動をとってくれるとしたら。読んだ人にどうなってほしいと思います?

偏光:自分の知らないことに、怖がるんじゃなくて興味を持ってもらいたいですね。
わからないじゃなくて。
わからないで済まさないで、面白いと思ってもらいたいです。
一番がそれですかね。面白いと思ってもらわなきゃとにかく先に進めないんで。わからないで済ませたら、終わりなんで。

qbc:どうやったら興味を持ってくれると思ってらっしゃいますか?

偏光:わからないというより、普通ってのは結構つらいですね。
普通と外れたらもう、わからないから、つまらないから、怖いからってのが、多分条件反射みたいになってるんだろうなと思います。
そこには多分引っかかるものがたくさんあると思うんですけどね。

qbc:インタビューを続けてきて、その「普通の意識」って本能なんじゃないかと思うときがあります。
あんまりにも知らないことにガンガン興味を持つ人って、多分、危険な目にあいやすいから。
働き蟻が8割いたら、残りの2割は働いていない。でも、働き蟻がいなくなったら、働いていなかった蟻たちも働きだすと。
そういうバランスなんじゃないかなと思うようになりました。

偏光:だから多分、私の本を読んでくれる人も2割でしょうね。売れる本ではないだろうから、出版の話はこないですよね。

qbc:今、偏光さん、くろこさん、みーさんは幸せですか?

偏光:幸せです。

qbc:いつから幸せだなと思ってますか?

偏光:多分ですね、偏光はずっと幸せです。ほかの2人はともかく、ずっと私は幸せだし、
運がいいと思って生きてきました。なんか知らんけど最悪なところで助かるし。知らんところでうまくいってるんで。ほかの2人は知らんですけど、徐々にちょっと、うんそうやな、幸せやなって思ってきてるんちゃいますかねっていう感じです。

qbc:なんで幸せになってきたんですかね?

偏光:はっきり覚えてるんですけど。2年間すごくつらかった時期に、帰り道の角ごとにいじめっ子がいるかもしれないって、気にしながらビクビクして帰ってたんですけど。
角を曲がったときに、田んぼにめちゃくちゃ稲が実ってて、空が青くて、遠くで友達と走っているお姉ちゃんの赤い自転車が通ってたりして。
その光景が、すごい綺麗だなと思って。
綺麗だと思える自分にすごく驚いて。こんなにどん底なのに。
これはすごいな自分と思って、いいことだなと思って、それに縋りついて生きてきた感じ。
これは大事だなと思って。毎日の当たり前ですけど。
その話をきいたうちの主人が、ウクライナの国旗だねって言って。

qbc:それ、昔の話ですよね? 今もその話題をご主人とよく話すんですか?

偏光:そうです。最近、それ言われて。そう返されると思ってなかったからびっくりして。

qbc:割と頻繁に思い出される? その風景。

偏光:しんどいときにはこれがある、って感じですね。

qbc:なるほど。最後に言い残したことがあれば、お伺いしております。

偏光:私、由緒正しい馬の骨っていうのをキャッチフレーズにしているんで。由緒正しい馬の骨ってことがわかってるんで。堂々と言いきっちゃった方がいいかなと思って。
最後に言いたいって言ったら、もういろんなことどうでもいいですね、ってずっと思ってて。
家族とか先祖とか、すごい重苦しいものはそもそも単体でいいんですよって思ってます。それぞれの個人個人で。それぞれの人が自分であってほしいですね。
自分がどこだかわからなくなっている私が言うのもなんですけど。だからこそかもしれない。自分であってほしいです。

qbc:今、偏光さんが言う自分っていうのは、3人含めてを自分っていうことなんですかね。

偏光:そうですね。3人含めて。

qbc:わかりました。ありがとうございます。

あとがき

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インタビュー担当:qbc

編集:mii

編集協力:あおい

#無名人インタビュー #インタビュー #自己紹介 #解離性人格障害 #多重人格 #宗教

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