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映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ニューヨークの都市生活と振り子運動。

【『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』において、ヴィランたちは不慮の事故で、たまたま悪に落ちてしまった人物であることが、セリフと「落下」による上下の映像表現の中で強調されている。この「落下」のイメージはスパイダーマンにとって重要なモチーフであり、それは彼の移動方法とも密接に関係している。スパイダーマンの振り子運動が映画的である理由は、落下を寸前で回避しているからであり、それは彼が常にヴィランに落下する危険性を孕みながら、その細くも力強い善意の糸を伸ばして、ヒーロー活動を続けている切実さとも不可分である。落下と上昇を繰り返し、善悪の境界を行き来する振り子運動は、ニューヨークの街並みと共振しながら、ティーンエイジャーの不安定で危なっかしい日々の運動とも重なっていく。ピーター・パーカーのヒーロー活動に私が涙を流してしまうのは、そんな青春時代のドラマが映画的運動に収斂されていくからだ。】

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