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さくらの写真

川面。

花びら。

すこし肌寒い。夜。
歩く。

2枚目の川写真はボツだったけど、消えていなかった。

消していなかった。
もったいないから食べちゃった。

お犬の散歩をするひと。

フードをかぶるひと。

歩く。つかの間、さまがわりする川辺の景色の中、いつもの変わらぬ散歩をする。わたしも、あなたも。

桜がわーとなっていると、なんか焦ります。
なんでこんなんなっちゃってんの。

早いよ、早いよ。
やめて。ついていけない。

ヤバイよヤバイよ。
待って。

月がきれいですね。

もう散りはじめて、どうしよう。
こわい。

道の端に大量の花びら。
みんな戻らない。

どうしようもないね。

焦っているのは、ほんとは桜のほうで、わたしじゃない。
そんなに気が急くこともないのに。
そそっかしくて、しょうがない桜。
まったく。

いつも置いてけぼりで。
なにもかもが、早すぎるんだ。

もう遠景しか見えない。
それも霞んでる。
みんなどこかへ行く。

あんなにそばにいたのに。
遠い。遠い。遠い。遠い。
どうしてですか。

焦れて走ってしまうのは、この世界のほうで、わたしじゃない。
走らせておけばいい。
合わせる必要なんかないよ。
わかってる。

だけど。でも。
どうしよう。


行かないで。











にゃん