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b8taは新しいリアル店舗のスタイルになれるか?~「在庫」の概念をなくした店舗の未来予測

明けましておめでとうございます。2021年は幸先よく快晴で始まりました、今年も宜しくお願いします。

さて、今年最初の投稿は無人販売から少しだけ離れて(記事上は関係します)、在庫を持たないリアル店舗「b8ta」さんについて触れていこうと思います。

ちょうど新春記事としてb8taさんの記事が出ていました。

b8taさんの強みは「体験」。商品を自由に触ってもらい、実体験を通じて購買意欲を高める。実際の購入はネット経由で…と言う新しいリアル店舗の姿です。個人的にこの姿がどう進化するのかがすごく気になっています。

…『どう進化するのが気になる』と言うのが気になりますか…?

そうなんです、個人的には今の形は「未完成」であって、この状態のままではビジネスとして拡大するのが難しいと思っています。理由はたった一つ。

俳句2021

要するに、店舗で実物を触って商品を知りたい、でも買う時は一番安い値段で買いたい…と言う消費者の要望に対してこの仕組みは無力なんです。コミュニケーターに売り上げノルマを課せてない部分もあり、ぶっちゃけコミュニケーターから散々情報を引き出した挙句、目の前でAmazonポチりをやられても「売り方的には正しくなる」のが現実なのです。

実際、数年前の家電販売業界はこれにものすごく悩まされて、結果自社流通網を持ち価格競争力のあるヨドバシが残った…みたいな感じになりました。

今は一般的な流通に乗らない珍しい商品ばかりを扱っているので良いのですが、一般商品を販売する形態となると途端に維持が難しくなる…在庫以外は通常店舗と同じ費用が掛かるのに、競合は周辺店舗ですらなく「世界中に散らばるECサイト」になる…これがb8taモデルの最大の弱点であり、ビジネスが広がらない理由だと思います。

ただ、個人的にはこれって無人店舗の一形態としての進化はアリなんじゃないかな?と思っているのです。それが『どう進化するのか気になる』の答えです。

その適用先は「アパレル」業界。

アパレル業界は大抵の場合製販一体であり、どのルートを通っても最終的な売り上げは自分に入ってきます。そのうえ、ECサイトも直販系が増えており、実質「自社商品を買いたければ自社流通網に入るしかない」と言う状態を創り出していると思います。

なのになぜ実店舗を維持しなければならないのか?と言うと、消費者が「肌ざわりやサイズ感を直接確かめたい」と言う要望を持っているからです(このあたりは返品可のサイトが増えたので一概に言えませんが、本論に関係ないので横に置いておきます)。また、ネットで加工された画像ではなく、自分の目で直接色味をじっくり確認したい、と言うニーズも根強い。そしてこういう「ワガママ」な層が購買額の多くを支えているのもまた事実。

消費者がふらっと訪れて、店員の煩わしい接客もなく、自由に選んで自由に試着して買える…そういうお店が今のアパレル系リアル店舗に求められている姿…だとすると、この『b8taモデル』はかなり強力なツールになると思います。

お店には試着用の衣類しか置いておらず、消費者はそれを自由に手に取って試着も自由。店員さんは1名いるけど主に商品の再陳列や案内目的だけで、入退場にはAmazonGoのようなゲートを使い、あとはご自由にと言うスタイル。買いたいものが見つかったらその場で自社ECサイトに入って勝手に買ってもらう。カゴに商品が入ると追加アイテムの提案が出てその商品が置いてある場所もその場で表示される…みたいな仕組みがあったらどうでしょうか?

商品特性上完全無人は難しいと思うのですが(試着後の衣類を整理する人は必要なので)、これだと自社流通網の外に消費者を出すことがないのでビジネス的にも問題ありませんし(その場で他ブランドと比べたところで意味がないですし、そういう人はそもそもECサイトで済ませているはず)、ブランドの維持向上と言う意味でも良いアンテナショップになるような気がします。

もちろん、こうした店舗を設営し運営するためには様々なノウハウが必要になるわけですが(無人化/省人化の部分は特に)、そういう部分は私のようなその業界の先駆者に任せるのもアリだと思います。私自身はTwitterがメインなので、ご興味があればそちらもどうぞ。

…と言うことで、リアル店舗と言う世界における新しい在り方「b8ta」。今後の進化がどうなるのか期待しつつ、この記事を終わろうと思います。

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