2019年Xデザイン学校マスターコース 4回目の振り返り

Xデザイン学校の第4回目。
「価値分析とUXデザインパターン」ということで、宿題で行ったリサーチ結果を元に分析を行いました。

講義では、調査したものをどう整理するか、どう視覚化するかも大切という話がありました。
前回マップ化の作業を行い、整理法・視覚化についてどう表現するか決まった答えはなく自分たちでデザインしていくものという話があり、分析の整理・視覚化の段階でもアイデアの質に影響を与えるというのだと改めて学びました。

調査の3つのステップとして、調査計画→調査の実施・整理→調査があり、その3つをちゃんとわけて行うことが大切で、意外と世の中これができていないそうです。

今回行う分析手法は「上位下位関係分析」と「KA法」で、ユーザーの価値を導出する分析です。
前回はジャーニーマップを作成しましたが、こちらは行為を導出するのもので、ペルソナ法では属性を導出します。
行為層の分析として他にも、ワークモデル分析の紹介などもありました。

KA法による価値分析

KA法とは
KA法とは、インタビューや観察の定性情報より、人々がもとめている本質的ニーズや体験価値を抽出するための手法である。個別の価値の抽出や価値マップによる全体像の把握に特徴がある。

インタビュー結果すべてを分析すると時間がかかるので、特徴的な出来事をピックアップして行います。
ピックアップした出来事に対し、ユーザーの心の声(基本的にはネガティブなことを書く)、行為の背景にある価値(ユーザーが本来やりたいこと=ポジティブなこと)を書き出します。
KA法の欠点はコンテキストが抜けることで、山崎先生は状況のスケッチも追加で入れたりされるそうです。
(書籍「UXデザインの教科書」には写真を使ったKA法の紹介もありました)

すべてのカードについて「価値」を書き出した後は、KJ法で似たような「価値」を持つカードをグループに分類し価値マップを作成します。

「UXデザインの教科書」によると価値の分類で大切なのは、「○○系」「○○軸×□□軸」などフレームを作って当てはめることをせずに、結果に基づいてボトムアップで分類すること、とのこと。

授業でもこのあたりの話がありました。

デザインパターン

デザインパターンとは「建築や街はユーザーが自分で作ったほうがいい」という考えから、作りやすくするためのパターンを作成し、素人でも街や家を作ることができるようにした、利用者参加の建築のための1原理とのことだそうです。

またパターンランゲージの紹介がありましたがこのあたりメモが少なく、ざっくり理解できているつもりでも言語化できるまでに至っていないため、後で情報を集めたりして再度見直してみたいと思います。
今回ワークショップでもデザインパターンを利用したサービスデザイン案出しを行いました。

ワークショップ

ワークショップでは、宿題として行ったリサーチを元に「上位下位関係分析」、「KA法」、どちらか、または組み合わせで分析を行いました。

私たちは「上位下位関係分析」をメインに、部分的に「KA法」を取り入れました。

「上位下位関係分析」は昨年何度も行った分析方法です。

今回分析した結果、昨年最初に作ったものと同じような、当たり前のことが洗い出されただけの結果となってしまいました。

昨年何度も、「インタビューの質が悪ければ分析結果も悪くなる。調査が鋭ければよいアイデアが出てくる。インタビューの質が大切」と聞いていましたが、インタビューの質を上げるのは難しいなと改めて思いました。

ちなみに昨年。
「こんなもん手間かけて調査しなくても分かるわw」とのお言葉あり。
http://asanoken.jugem.jp/?eid=4209


インタビュー計画の質

振り返ってみると、インタンビューの質が悪い=インタビュー計画が悪いのではないかと思いました。
以前Xデザイン学校の先輩で仕事でリサーチャーをされていらしゃる方に話を伺ったときに、調査の前の計画こそが大切で、そこにたくさん時間をかけるんだと言われていたのを思い出しました。
リサーチャーの仕事で最も大切にしている作業なのだそうです。

私たちはしっかり計画を練らなかったため、インタビューの質を上げられなかったのではないかと思いました。

インタンビュー計画書は昨年使用したものをそのまま使ったのですが、用紙のフォーマットのみコピーしてしまい、昨年以上にいろいろなことが抜け落ちた計画になっていました。

インタビュー計画手法について改めて見直そうと思い、ネットで検索して出てきた情報の中にインタビューで聞いたほうがよい項目が書いてあったのですがそれと見比べても、

・事実としてやっていることの背景を聞く
・嫌なこと・嬉しいことを聞く
・他のものとの使い分け
・ここ数年の移り変わり
・利⽤するようになったきっかけ
・理想のかたちを聞く
・利⽤している理由
・どんな時
・どのように
・現在
・過去
・未来
・個人の価値基準
・仕事について
など計画書に盛り込んでないことが盛りだくさんありました。

先生からもターゲットユーザーの設定ができていないのでは?との指摘を受けました。

また他チームのメンバーに、インタビューで深掘りするためにエクセルで質問をまとめるのではなくWordなど文書形式でまとめるとよいと教えてもらいました。(ありがとうございます!)

今回インタビュー計画に対して、全く身についていないどころかいろいろ忘れてしまっているということがわかり、2年目も受講してよかったなと今思っています。
計画の立て方は再度見直して、ある程度型を身につけておきたいと思いました。


うれしい体験のパターンの作成

次に分析結果を参考にうれしいパターンの作成を行いました。
分析で出てきた価値が一般的なものだったので、こちらのパターン抽出作業にもそれが影響しています。
また後から振り返ると、ちょっと複雑な考えのパターンになっていたので、もう少しシンプルに体感的に理解できるようなパターンの抽出でよかったのかなと思ったりもしました。
(分け方やピックアップ方法を変えるとまた違う結果になりそう?)

サービス案

教えてくれるサービスや今できることを効率化しただけのサービスは昨年かなり厳しく言われたので(人は教えられて生きていきたいわけではない、自分でできるようになるためにテクノロジーがサポートするようにすべき、またそれらのサービスは新しい価値を生んでいないというのもあるかな)、そのあたりをチームにうまく伝えることができず、昨年をひっぱりすぎるのもよくないと思う中、学んだことを上手に共有できるようになるのも課題なのかなと思いました。
(説明が下手なので、伝え方を学ぶべきなのだと思います。昨年教えてくれるサービスを出した案は何案もあり、どれも厳しく言われ、教えてくれるサービス自体よくないと言われた、ということが伝わらず、提出したある案に対して厳しく言われた話として伝わってしまったのかも。話し上手になりたい!)


山崎先生の授業は工夫されたさまざまなサービスデザイン手法を学ぶことができて楽しいです。
授業やそれ以外のイベントなどのワークショップを通じて、自分の頭が凝り固まっていることや柔軟な発想について、クリエイティブに工夫をすること、フレームにとらわれないこと、サービスデザインのワークショップというものはどういうもので、よいアイデアとはどういうものなのか、などが体感として蓄積されてきているような気がしています。

次回は発想法とのこと!まずは事前にちゃんと書籍を読んでおくことを忘れないようにしたいです。


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