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きっと彼女を乗せるだろうな

お中元で送られてきた焼肉セットの肉を食べた息子が
「柔らかくて甘くて美味しくて美しい」と言っていた。
柔らかい、甘い、美味しいとかはよく言っているけど、「美しい」は初めて聞いた。
いい肉だという違いが分かるのだろうか…。

*****

朝、ある犯罪を犯した方の絵がたまたまテレビのニュースで映った。
それを見た息子が
「すごい怒ってる…」と呟いた。
特に怒っている絵にも見えなかったのだけど、子どもって何か感じるところがあるんだろうか。

息子には結構チャネリング小僧な部分があって、わたしが息子がもうあまり遊ばないおもちゃを片付けようと心の中で思っていたりすると、保育園から帰って急に遊び始めたりする。
記憶にないけどわたしも小さいころ色々キャッチしていたらしいから、きっとなんか疲れるだろうなと思って少し心配している。
(それが原因かわからないけど3歳の頃わたしは円形脱毛症だったらしい)

*****

こびとづかんにハマっている息子のため、こびとづかんの世界展へ遊びに行った。
その日は作者の人が来場されてサイン会が開かれるというので、わざわざレンタカーを借りて早めに行った。
バスや電車だとアクセスが悪い場所だったので致し方ない。
車を運転するのは2年ぶり。
こういう無茶なことを平気でするのは相変わらず。
のんびりとしたレンタカー屋のおじさんにどこに行くの?と聞かれ、「こびとづかん展です」と言うと、「海じゃないんだ!」と言われた。
この時期に車を借りる=海なのか?と思ったけど、わたしが麦わら帽子を被っていたからかもしれない。
色々説明を受けて車を発進させると、ずーっとピーピー鳴っている。
そもそもナビもなく、鍵を刺してドアを開けるような古い車だから、壊れたのか?と思ったらフットブレーキをかけたままだった(怖)
いやもうほんと車乗らないでください案件。
ナビがないと当日言われて急遽スマホのナビを使った。
iPhoneから綺麗なお姉さんの声が車内に響き渡る。
「〇〇交差点を左です」
「300メートル先を右です」
お姉さんの的確な指示をふむふむと聞いていると息子が一言。
「もー!そんなにしてたら首が苦しくなっちゃうよ?」
え?どういうこと?誰が?
「このお姉さんが!右向いたり左向いたりしてたら首痛くなっちゃうよねぇ?」
え〜可愛いー!!!!!!

子どもの発想は未知すぎて面白い。

こびとづかん展には開場と同時に到着…するも長蛇の列で入場券を買い求める列は建物の外にまで伸びていた。

サイン会の券をもらえるのはグッズを2,000円以上買ったひとだけなのだ。
人混みをかき分けて先にショップに入ってグッズを買おうか…と考えている隙に「本日のサイン会整理券は配布終了しました」の札が掲げられた。

開場から8分しか経っていなかった。

ど う い う こ と ?

こびと人気を舐めていた。
気を取り直す。
もうこの際サイン会は捨てよう。(というかそもそももうどう逆立ちしてもサインしてはもらえない)
忘れるのだ。
じゃあ別にこの日にこなくてよかったんじゃないの?と脳内で誰かが囁いてきたけれど無視した。

なんとか入場券を買って地下の展示会場へ降りるとこびとの顔ハメパネルがあった。
入場券を買い求める人の列に反して会場は何故かガラガラで、全てのパネルで息子の記念撮影をした。

「まぁまぁまぁ!かわいい〜!本当のこびとさんがいるわ!!!!!」と近くにいたマダムたちに褒められた。
「そのまま年賀状になるわね!!」と言われたけれど、ここ数年年賀状は出していないのでただわたしが印刷してニヤニヤするだけとなりそう。

いざ会場へ足を踏み入れるとこびとだらけで(当たり前なのだけど)原画やクイズ、こびとのフィギュアが飾られていて息子は大喜びだった。

スタンプラリーも制覇して、こびとの本と息子の推しであるホトケアカバネのぬいぐるみを手にして帰路に着く。

でもまだ車を返すまでには4時間もある。
本当ならサイン会のためにどこかでお昼ご飯を食べて戻る予定だったけれどその必要もない。
さてどうしようか…と思いながら車を走らせ、ずっと食べたかった少し遠いラーメン屋さんまで行くことにした。
ナビをつけているくせにナビを無視するので散々迷ってやっとついた。
途中車内があり得ない暑さになり、壊れたのかも!(再び)と思ったらA/Cのボタンに何か当たったのかオフになっていて、熱風が出ていた(そりゃ暑いわ)
気づかないままずっと走ってあまりの暑さに窓を開けたら外の方が涼しいという有様だった。
本当に久しぶりのドライブ…命懸け…。

ラーメン屋さんの駐車場では案の定うまく止められなくて四苦八苦…。
焦ってワイパーは踊り出すし息子は暑い!と喚くしでやっとラーメンを食べたけれどあまり味を覚えていない。
息子も不安なドライブで疲れたのかあまり口をつけなかった。

車を返すにはまだ時間があったけど、もうへとへとになったのでそのまま大人しく帰って車を戻した。

おじさんにフットブレーキの件をつっこまれた(バレていた)
すぐ気づきました!!と言うと苦笑いしていた。
わたしがレンタカー屋さん側ならもう絶対貸したくない。

夜寝る時、
「ドライブ楽しかったねぇ、また行こうねぇ」と息子が言っていた。
こっそり駐車の練習だけしたい。
走行は体が覚えているのかそこまで怖くもなかったけど、駐車だけは前からドーンとつけられるくらいの広さがないと不安だ。

「そうだね、また行こうね」と伝えた。

車に乗って出かけられるようになれば行動範囲が広がって楽しいだろうなぁ。
ペーパードライバー講習受けようかなぁ。
なんて考えながら眠りにつくと、
あり得ない崖の上からまぁいけるか、みたいな感じで車を走らせる夢を見た。
まぁいけるか、じゃねぇわ!と現実のわたしはツッコんでいたけれど、夢の中の私は楽しそうにその急斜面をくだっていった。
(そのあとのことは覚えていない)

不思議な夢ってよく覚えているものだけど、印象的なものがいくつもある。
息子は夢を見るのが嫌いらしい。
怖い夢が嫌だと言っていた。
そう言えば最近怖い夢って見なくなったなぁなんて呑気に思う。

息子が大きくなったら赤い車にわたしを乗せてくれると言う。
ありがとう!と言ったけど、ほんとかなぁ?
その時本当に乗せてくれたらいいなーなんて考えている。

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