「ミルネージュ」とは「ブルボン」という新潟の業者が合法的に製造している"菓子"である。同社のホームページには「ふんわり焼きあげた生地にクリームをサンドし、ホワイトチョコレートで包み込み…クリーミーなパウダーで飾った冬の季節のケーキ」と紹介されている。しかしこの説明は、絶妙なサイズと柔らかな口当たりが常習性を助長することに関して一切触れていない。

「ブルボン」は過去にも「濃厚チョコブラウニー」という"菓子"を製造していたが、これは現在も流通しているらしい。ある時、仕事でストレスが溜まった私はデスクに隠していた「濃厚チョコブラウニー」を一気に半袋食べてしまった。愕然として家族に相談したところ、我が家では「濃厚チョコブラウニー」が危険な"菓子"と認定され規制対象とされた。

「ミルネージュ」はどうだろう。手を出すのはリスキーだろうか。政府は今のところこの件について沈黙を守っている。しかし、いつ手に入らなくなるなるか分からない。私は川崎のとある"菓子"のバイヤーを尋ね、"アズバ"という男から末端価格にして約250円分の「ミルネージュ」を合法的に入手した。午後3時。いま私はその袋を開けようとしている。