拝啓

今日はすっかり涼しく、半袖で少し後悔するくらいでした。
特に日が落ちてからはぐっと冷え込みました。
これは気を抜くと風邪をひく気候です。
体調の変化にはお気をつけください。

ここ1週間ほど
鬱展開と言われる、漫画やアニメが辛くて続きが見られません。

そういう時期が来ることがまま、あります。
基本的には鬱展開と言われる、主人公や登場人物が精神的もしくは肉体的に追い詰められるストーリーを、フィクションとして楽しめる方なのですが、そうもいかない時期が来るのです。
今はちょうどそういう時期のようです。
フィクションの悲劇でもコンテンツとして消化しにくいということです。
「鵼の碑」と「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は、楽しめる範疇に入っています。
死は描かれますが、わずかな希望があり、生き残っているキャラクターの良さが助けになったのだと思います。否、純粋に生き残っている主要人物の人数が多いということかもしれません。

人間は変化する生き物で、この間まで大丈夫だったことが急に恐ろしくなったり、楽しめなくなったりするものです。
現在の我々はそういうことを忘れて生きているような気がします。ですから、そういう事態が起きると、内容以上にそうなってしまった自分に動揺してしまうという傾向があるように思うのでます。
いつも楽しめているものを楽しめない自分に驚いて、そのコンテンツそのものを辛く感じてしまうということがあるのではないでしょうか。

全てのコンテンツはある種、「固まった」状態であって、その「固まった」ものを受け取った瞬間に科学反応が，起きるのではないかと思います。受け取った側の状態によって、状態変化や化学反応は千差万別起こりうるということです。もちろん、コンテンツそのものに、悪意や攻撃がそもそも練り込まれている場合あるとは思います。とはいえ、受け手側の状態というものは、かなり大きく作用するものなのではないでしょうか。
固形のバターをうけとるとして、
小麦粉の入ったボールで受け取ったとしたら、お菓子の生地になりうるかもしれないし、
高温の入れ物で受け取ったら、液体のバターができるかもしれないし、
乳製品アレルギーの人が素手で受け止めると命に関わるかもしれないということです。
受け手が万全な状態で受け取っても、ひどいコンテンツはあるでしょう。
しかし、受け手の要因ということも侮れないのではと思うのです。

ということで、今日の受け手の要因は、歯の不調です。
何となく歯がしくしくしています。
数日前から歯がおかしいのです。
痛いというよりは歯がういている、違和感があるという感じです。
歯がゆいと言っても良いかもしれません。
虫歯でないと良いのですが、どうでしょう。
歯医者へ行くべきか否か悩みます。
かかりつけの歯医者はひどく混んでいて、すぐ見てもらえるということがないのです。
体調によって歯がうくということは、たまにあり、しばらくすると治るのですが、
今回がそうなのかは定かではありません。
ただ、しっかりわかっていることもあります。
歯の不調と腰痛は、世界の見え方を左右するということです。これまでの人生経験でわかっています。
世界が歪んで見えはしませんが、何につけても、痛みや不快が重低音として響き、見えている風景に理由づけをして行きます。
痛みが頭のほとんどを占めるということは、全ての事象が痛みを伴って感知されるということなのです。
料理の味も、改札でひっかかることも、人とぶつかることも、ちょっとした一言も、全て痛みを伴い、深刻な色を帯びます。生命の本能からか、何かにつけていちいち大騒ぎしたくなります。
悲しく、イライラした気持ちが続きます。

あんまりひどかったので、荒療治と思って、本日発売の週刊少年ジャンプを購入しました。
SNSでうっすら流れてくる情報で、アニメを見る気が失せるというのに腹が立ったのです。
見届けてやろうと思いました。
どうせなら、とことん落ち込んでやろうと思ったのです。

読んでみると、気分が少し変わりました。
原作は、ある種清々しく、鬱展開というチープなタグをつけるのが失礼なほどの内容でした。ネットで流れてくる薄い情報の時ほどの、暗い気持ちにはなりません。
むしろ、ストーリーの中のどこにもない希望を感じました。この先も、登場人物は亡くなっていき、主人公は窮地に追い込まれるのだろうけど、そこからどうしていくのだろう…ということに興味が移ったのです。現実では絶対に体験したくないその道程ですが、主人公は何とかやっていくでしょう、それは、どれほど辛くても、やはり希望と言えるでしょう。

やはり、原作には力があります。ネットの情報で読んだ気になるのは危ないですね。
ちゃんと買って、課金して読みましょう。

もちろん、原作の力を感じたとても、歯の不調は変わりませんが…。

五条先生が夏油と出会えてよかったですね、と思うことにしました。
今週末こそ、見るのをやめていたアニメを見てみようと思います。

それでは