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第33回 最強寒波による閉じこめによるトイレ問題

みなさん、こんにちは。
毎週月曜日に更新するトイレの連載です。

今回は、日本各地で被害をもたらした最強寒波について。
なかでも列車閉じこめのトイレ問題について考えてみたいと思います。

最強寒波による閉じこめ

では、本題です。
1月24日夜、寒波の影響でJR西日本で列車が線路上で止まり、最大10時間の閉じこめがあったという記事があります。
乗車客のコメントでトイレに行けず失禁する人もいたという内容もありました。(以下、毎日新聞の記事より)

9時間以内に86%がトイレに行きたくなった

熊本地震における調査では、発災後3時間以内に39%、9時間以内まで含めると86%%がトイレに行きたくなったという調査結果があります。
10時間であればほぼすべての人がトイレに行くたくなるはずです。
排泄を我慢できる時間ではありませんし、我慢させてはいけません。

出典:平成28年熊本地震
「避難生活におけるトイレに関するアンケート」結果報告
実施主体 :岡山朋子(大正大学人間学部人間環境学科)

協力 :特定非営利活動法人日本トイレ研究所

トイレが原因で、水分を摂れなくなる

恐らく多くの方は、もし飲料を持参していたとしてもトイレに行きたくならないように水分を摂ることを控えたと思います。
これは、災害時の被災者の声としてもよく聞くことです。

新潟県中越地震では、避難所での体験でトイレが不安で水を飲むことを控えたとする人は小千谷市で33.3%、川口町で13.8%という結果でした。かなりの人がトイレが原因で水分を控えていたことが分かります。

過度なストレス下で、水分を摂らずに窮屈な状態でじっとしていることは、エコノミークラス症候群の危険性も高まります。つまり、トイレ問題は命に関わるということです。

列車閉じこめ時の5つのトイレ対応

今後の列車のトイレ対応の検討が急務です。
そこで、列車閉じこめのときのトイレ対応には、どのような選択肢があるのかを考えてみたいと思います。

すぐに思いつくトイレ対応として考えられる方法は、以下の5つくらいでしょうか?

1.夜間でも乗客を線路上に降ろして最寄り駅まで安全に誘導する方法を確立する

2.別の列車やトイレカーのようなものを調達する

3.列車外に仮設でトイレを組み立てる

4.列車内に臨時にトイレスペースをつくり、携帯トイレや簡易トイレを設置する

5.車両連結部をトイレ空間に活用できるようして、携帯トイレや簡易トイレを設置する

みなさんであれば、どのような方法がよいと思われるでしょうか?

ただ、満員電車で身動きが取れないような状態だと、4や5は困難になります。
そもそも満員電車というのは様々なリスクが高まるので、エレベーターのようにたくさん乗れないようにした方がよいと思うのですが…。

列車であろうと、避難所であろうと、基本的には、トイレ対応を1つの方法に頼るのではなく、複数を組み合わせて備えることが必要だと考えます。

今後、寒波に限らず様々なトラブルにより、列車、車、エレベーターなどに閉じこめられる可能性があります。
それぞれの場所、そしてカバンの中に携帯トイレを備えることはマストだと思います。

※携帯トイレの使い方と具体的な製品は、以下のサイトの下の方に紹介してありますので、参考にしてください。
https://toilet-magazine.jp/unchiweek


携帯トイレ(出典:災害用トイレガイド)
簡易トイレ(出典:災害用トイレガイド)


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